それはそれとしてストーリー更新やイベント等々で脳を焼かれましたよ。
全く……NIKKEは最高だなぁ!
今回はダンジョンに入らないので戦闘描写もないです。
その他設定についても甘い部分もありますがご了承の程お願いします。
~ラプンツェルside~
ドロシーの過去については遊星に説明しましたが、意外な事に遊星は復讐に関して肯定的だったのは驚きです。もう終わった事だからと割り切るだろうと思っていたのですがドロシーと同じ考えだったのですね。
頬を赤く腫らした当の本人は、ダンジョンの一階層でドロップした野菜と鶏肉で調理をしている。本来ならもっと贅沢な歓迎会でもと予定していたが、色々と時間を割く話だったので男の手料理となったのだ。ジュウジュウと肉の焼ける匂いと野菜を炒める香ばしい音はラプンツェルのお腹を空かせる。
潤沢な食料に安全な住居…とても豊かなこの世界。ですが、全てがスキルという突如として現れた社会の根幹の一つ。そして、ダンジョンという資源が無限に溢れる場所―――それが当たり前となった世界……。歪ですが、ラプチャーがいきなり現れた彼方の世界とは違ってダンジョンから魔物が出てくる心配がないのは安心です。
そして、何より気になっているのは私が忘却した筈の記憶が思い出せるという事です。思考転換を起こさないが為最近の一年分以外の記憶消去。まるで私に忘れる事を赦さないと咎を与えているかの様でありながらそうではない。この記憶関連については召喚されるであろうスノーホワイトや紅蓮に相談するべきでしょうね。
「ドロシー皿出してくれ」
「どうぞ」
「ありがとな」
遊星が料理をしている間にドロシーが他を準備する。これは至って普通ですが、どう言えばいいのでしょうか?まるで夫婦の様に思えます。夫婦……はっ!これは私が召喚される前は二人でエッチな事をしていたのでしょうか!?キッス?それとももっと進んだくんずほぐれつの濃厚な絡み!冷静なドロシーが遊星の前だけでは淫らになる姿……はぁはぁはぁ!すごっくエッティです!!
「何だろう、ラプンツェルからの視線がおかしい?」
「そうですか?いつものラプンツェルだと思いますが」
「いや……何と言うか……こう……、『いけない事をしています』と分かっていながら欲望に従っている様な感じがする」
「そ、そんな!?私はただ二人の相性を観察していただけです!!」
「?…家族みたいなものだから相性って関係あるのか?」
「仲が悪いかどうかで言うと悪くないですよ?」
「そ、そそそそうですよね!?えぇ、私達は家族ですから久しぶりの対面で変わっていないかと心配しただけです!!」
…あ、危なかった!遊星もある程度は知っているとはいえ、最近の私の言動を見られてしまうと羞恥心が………あぁ、羞恥心!過去の厳格な私を知る遊星が今の私を見るとどの様に反応するのか楽しみです!!
男性は〇〇〇が膨張する際に個人差があり、遊星はどれ程の大きさなのでしょうか!?私が描いていたブラザーの叡智な裸体とどれ程の違いがあるのでしょう!!……待て、待て待て待て落ち着きなさい私。この様な時はギャップ萌えという文化?があったと記憶してます。大胆に迫って〇〇〇を触り―――嗚呼いけません!家族をその様な目で見るのは!?
ラプンツェルがいやんいやんと妄想に耽る姿を見たドロシーは溜息を吐き、遊星にラプンツェルが過去の良き思い出に浸かっているというフォローを入れる事で尊厳が一応は護られたりした。
夕食を食べ終えて少し休息した後、お風呂を沸かしてラプンツェル、ドロシー、遊星の順番で入った。さて、ここで問題となるのが寝床についてである。ベッドに関しては祖父母と両親と自身の分で五つはある。現在は両親のベッドを隣り合わせにして使っているが、もう一人寝る分には丁度良い空きがあるのだが。
「と、いう事でラプンツェルはどのベッドで寝る?」
「……えぇっと、一つ確認なのですが遊星とドロシーはどのベッドを使っているのでしょうか?」
「一緒に寝ています」
「一緒!?」
ど、どどどドロシーが遊星と一緒に寝ている!?だだだ男性と女性が一緒に寝るという事は
ラプンツェルが脳内で導き出した答えは何と僅か0.04545秒―――日々叡智な妄想を脳内で繰り広げていた経験は伊達ではない。
「一緒に寝てると言ってもドロシーが一人で寝れないってのがあるからな」
「ひ、一人では寝れない!?」
遊星と一緒に寝た事で一人だと性欲が満たされないという事なのですね!ドロシーも遂に此方側に来た事に喜ぶべk―――。
「悪夢で魘されて眠れないとダンジョンでの戦闘に支障が出るからな。睡眠は大事なんだよ」
「一緒に寝て以降は睡眠不足はありません」
「そ、それは充実した睡眠という事ですね!」
ラプンツェルの卑猥な勘違いによるすれ違いは悲しき事件だが、進化した変態はこれだけでは止まらない。
「悶々とした中に花畑の様な安心感のある匂いを嗅ぐ事で安定した睡眠―――。遊星は安眠枕と言う事ですね!!」
「えぇ……。俺って枕なの?まぁ、ドロシーが抱き着いて寝てるから抱き枕という方面ではそうなんだろうけどさ」
「そうですよね!そうですよね!!遊星もドロシーの良い匂いを堪能しているという事は間違いないでしょう!」
「流石に男の俺がそういうのはちょっと…ねぇ……。」
敢えて否定しない!これはもうそういう事ですね!!
ラプンツェルがR-18みたいな恍惚な表情を浮かべている事に遊星は少なからず衝撃を受けていた。
「なぁ、ドロシー。ラプンツェルってどの辺りからこんなのになったの?」
「……貴方が死んでから開花したとだけ言っておきましょう」
「原因の一端俺のせいって……責任取らなきゃいけない?」
「責任!?わ、私をこんな風に育て上げたという事は調教!?あぁいけません!いけません!!しかし、口では否定しても何処かそれも良いと思う私がいr「フッ!」プファ!?」
これ以上ラプンツェルが暴走するのは拙いと判断したドロシーのボディーブローが炸裂―――、ラプンツェルは一撃でKOされた。取り敢えず二人が寝ているベッドの端っこに寝させる。
「……ラプンツェル生きてる?」
「この程度で大きな怪我はしません」
「……はい」
遊星はドロシーに笑みの無い視線を向けられた事で、これ以上の追及をするのを止めて大人しく寝る事にした。
~ドロシーside~
翌日―――、誰よりも早く起きたドロシーは隣で眠る二人の様子を観察する。遊星は普通だが、ラプンツェルは笑みを浮かべながら涎を零し、遊星のシャツを濡らしていた。これ以上は見ない様にしてお花摘みをして二人を起こす為に戻ると、ラプンツェルが遊星に抱き着いていた。尚、抱き着かれている遊星は寝苦しそうにしていた為、ドロシーはラプンツェルの頭にチョップを落とした。
「ふんっ!」
ゴスッ!
「あいたぁっ!?」
「ファッ!?」
ラプンツェルはチョップの痛みで起き、遊星はすぐ傍で悲鳴を聞かされたので当然起きる。遊星が隣に視線を向ける前に、ドロシーが朝の挨拶で割り込む。
「おはようございます」
「お、おはよう。どうしてラプンツェルは頭を押さえてるんだ?」
「ラプンツェルが遊星に抱き着いていて寝苦しそうにしていたので強制的に起こしました。それにもういい時間ですから」
「あ~、アラームをセットするの忘れてたな。何にせよ起こしてくれてありがとな」
「うぅ…、酷いです。私はただ寝ていただけなのに」
「取り敢えず遊星は着替えて下さい。ラプンツェルの涎でシャツが大変な状態になっています」
ラプンツェルの涎という単語に二人は一瞬だけ固まり、シャツへ視線を落とすと胸部から腹部辺りにそれはもう大きな染みの大陸が出来ていた。
「あわわわわわ!?ぬ、脱いでください脱いでください!」
「ちょ待って!?せめて着替えを用意してからだしここでは脱がないから!!」
「脱いだら私が責任もって洗濯しますから渡して下さい!」
「こっちの洗濯機の使い方知らないだろ。ちゃんと洗剤も使って洗うから大丈夫だって、レッドフードじゃあるまいし」
此処でレッドフードという単語を出した瞬間、ラプンツェルは冷静な真顔になって落ち着いた。
「……もしかして遊星はレッドフードがマフラーを洗っていないのを知っていたのですか?」
「…あのマフラーですか」
「拳骨落として強引に奪った後に単独で手洗いしたけどな……。洗剤使っても手に匂いが付いたのは悲しかったが……」
「「「…………この話は終わりにしよう(ましょう)」」」
三人はしばし沈黙しこの話をなかった事にした。最後の遊星のエピソードは悲惨だが、各々がレッドフードのマフラーに何かしらの事件があったので深くは追及する事を止めただけだ。
「さぁ~て、話は変えよう。今日は二人の服や下着を買いにデパートに行く」
「ようやくですか」
「それはとてもありがたい事ですが、お金の方は大丈夫なのですか?」
「そこら辺も含めて歩きながら話すさ」
「先ずは朝食にしましょう」
「梅干し茶漬けにするか」
三つの茶碗にご飯を盛り、特売で購入したお茶漬けと自家製の梅干し(五年物)を一個入れてお湯を入れて完成。お米や梅干しは食べた事はあるかもだろうが、お茶漬けを食べた事の無いラプンツェルはとても興味津々で見ている。
「まぁ!簡易であり直ぐに食べられるとはとてもありがたいです。いただきます」
「「いただきます」」
ラプンツェルが警戒せずにスプーンで梅干し一個を掬って一口―――。
「ッ~~~~~!?酸っぱい!」
「あ、果肉を解してから食べるってのを言い忘れてた」
「もう!そういう事は早く言ってください!」
ラプンツェルがポカポカと遊星を叩く姿は微笑ましいもので、ドロシーは表情には出さないが心の中で微笑んでいた。
ふふふ、梅干しの罠に引っ掛かりましたね。最初は言おうと思いましたが敢えて言わなかった理由は、私もやられた悪戯ですからね。
ドロシーはこの梅干しの罠(故意ではない)に引っ掛かっており、自分だけでは不公平だという事でスルーしていたのだ。そして、今は冷静で自分のお茶漬けを一口食べ―――。
「ッ!ゲホッゴホッ!?」
梅干しよりも酸っぱい何かを食べた事により咽てしまった。
「どうしたドロシー!?――――――って…あ……すまん。シソの一部が入ってたわ」
「シソも酸っぱいのですか?」
「個人的な感想だが、梅干し本体よりも酸っぱい」
「わぁ~……」
「……後で覚悟しなさい」
「ワァーイ、アトデナンテヤーサーシーイー(汗」
悪戯かと思いきや完全な偶然の事故を受けたドロシーは食事後、罰として遊星のお金で服や下着を多く購入する事で手を打つ事にした。尚、本人はその位ならと直ぐに了承―――。直ぐに後悔という如何に自身が安易で軽く考えていたかが分かるのである。
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朝食を食べ終えた三人は、近所の人達にラプンツェルの事を紹介した。まぁ疑われる事が多く、二股やら愛人やらと冗談交じりのツッコミが入るがそれはご愛敬である。
「愛人だなんてそんな!?私達との関係はもっと濃厚です!」
「私達にあんな事(※悪戯)をしておいて軽い考えだなんて最低ですね♪」
「ちょい待て!?二人共言い方ァ!!」
「なんだい遊ちゃん!プレイボーイなのかい?」
「男ったらすぅぐに他の女に走ったりするねぇ。うちの旦那もそうだったけど、締めてもう二度としない様に躾ておいたよ。二人も困ったら締めてやんな!」
「私達も一緒に叱ってやるからすぐに言うんだよ?」
マダムやお婆ちゃん達の圧は独特で、男達は其れを跳ね除ける事は出来ない。その理由としては結婚した旦那達が良く分かっていた。
「愛人なんて……妻が恐れ多くて出来ないよ」
「ばぁさんの締めはそんじょ其処等の奴等のとは訳が違うんじゃ」
「遊ちゃんもいずれは儂等と同じ様に尻に敷かれるんじゃろうな」
「旦那の多くは妻の尻に敷かれるのが普通だ」
そんなこんなを楽しく?話して三人は徒歩で近くのショッピングモールへと買い物に出かける。尚、遊星は資金も無いので運転免許を持ってもいないし、車すらないのだ。
「徒歩で買い物となると荷物はどうするのですか?」
「そこは借り物のファンタジーなマジックバッグの出番だ。1㎥の容量があるって言ってたから着替えなんてこれで十分だろ」
「1㎥もあるのですかっ!?(そんなに広い入れ物があれば…ハァハァ!)」
ラプンツェルは個人で使用するあれこれが大量に入るマジックバッグを手に入れた時の事を思い浮かべつつ、いけない妄想を滾らせ恍惚な表情を浮かべている。そんな変態にドロシーのアイアンクローで正気に戻して用事の買い物へと行く。
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歩く事凡そ三十分。衣服や食料等様々なお店が複合するショッピングモールに到着した三人は注目の的だ。冴えない普通の男が美女二人を連れ歩くという事も含まれるが、特にラプンツェルの服装が目に付くのだ。
「あの……私見られています?」
「ラプンツェルだけではありません。私も大多数の男性に見られていますから」
敢えてどこを見られているとは言わず、冷めた視線を周囲の男達に向けるとサッと顔を逸らす者が殆どだ。
「えぇ~っと、服飾店の場所は中心部近くか」
遊星は案内図を確認した後、二人を連れて目当ての場所へと移動する。通り過ぎる様々な店舗の店員であろう人もお客も二人の要件が気になるのか視線が沢山向いている。しかし、二人は目的の物を購入する事だけに気を向ける事にして視線を敢えてごまかしている。
「あった…あったけど……俺は入り辛い」
「私達だけの意見では現場での判断や思い付きが限られるので一緒に来て下さい」
「"私達だけの意見"!?そ、それはつまり勝負する時の好みを把握するという事ですね!!」
「ダンジョンに入ってどう動くかとか環境についての可能性を考慮するとなると確かに必要だな」
二人はラプンツェルの言動を華麗にスルーし、遊星はドロシーの後を付いて行くついでにラプンツェルの腕を掴んで強引に連れて行く。これ以上場を淫らにする事は憚れる。
三人が下着のコーナーに行くとそれはもう注目の的であり、男性である遊星は針の筵である。
「なぁ、俺離れてもいい?」
「駄目です」
「是非感想を聞きたいです!」
「……人の心とか無いんか」
一人落ち込む遊星を無視し、二人は店員であろう女性に声を掛ける。
「貴女はこちらの店舗の従業員でしょうか?」
「いらっしゃ…い……ませ。えぇっと、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「下着を購入したいのですがサイズを測っていただきたいのです」
「ではこちらの試着室へどうぞ!……そして、そちらの男性とはどの様なご関係ですか?」
「「家族です」」
「では皆さん案内しますので私に付いて来て下さい。男性の方が粗相をしない様に監視もお願いします」
「あぁ、遊星はおいそれと女性に対して手を出しませんし出す気すらありませんので基本的に人畜無害です」
「下着姿のレッドフードに抱き着かれても暑い苦しいというだけで済ませていますし……指揮官よりも浮ついた話を聞いた事はありませんでした」
「……何だろう、この絶大な信頼ある言葉なのに貶している様な感じは」
「…草食男子というよりも女性の事を性的な目でほぼ見ない希少な男性という事ですね。それでしたら多少は安心出来ます」
「ねぇ、店員さん?貶してるよね?絶対に俺の事貶しているよね?」
「貶していませんよ?単に女性視点で見ると一緒に行動しても安心出来る真っ直ぐな男性というだけです」
「なら良いか!」
(((……単純ですね)))
肉食男子や草食男子に比べても遥かに安全であり真っ直ぐな男性という言葉をいい意味で捉えた遊星は気分を持ち直し、そんな様子を見ていたドロシーとラプンツェルと店員の三人は心の中で苦笑した。
「では、下着に関しての要望についてお聞きしてもよろしいでしょうか?」
早速一番重要な点である下着の性能についてだが、これはもう決まっている。
「探索者でダンジョンに潜っているのですが、激しく動いても問題が無い物を五点と日常で使用の肩の負担を減らす物を五点でお願いします」
「……成程。お二方のサイズを計測するので試着室へお入り下さい。私が全力を持ってご希望の物を選択します」
「取り敢えず俺は覗き魔が来ない様に見張りでもするか」
「馬鹿な考えを起こす男性も居なくないのでお願いします」
「覗き魔に過剰な怪我をさせては駄目ですよ?」
三人は試着室に入ってそれぞれのサイズを計測した後、店員が下着を取りに行くまで雑談をする事で時間を潰した。店員が離れて凡そ十分―――、店員の手には大量に入れられた下着が紙袋を膨らませており、計四袋というかなりの種類を選んだと分かる。
「大変お待たせしました。探索の際の下着に関しては物が少なくこの紙袋一袋だけとなりますが、日常で使う分は多く持ってきました。こちらでお客様に合う色合いの物を選びましたが、それ以外の色もあります。そして、これ等は見本となりますが、在庫は十分ありますのでご安心ください」
十分程度の時間で在庫と紙袋四つ分の下着を選別したとなるとこの店員はもの凄く優秀なのだろう。迅速かつ丁寧な接客にドロシーとラプンツェルの二人は信頼する事が出来た。
「先ずは探索の際の下着になりますが、これに関しては色が白と黒の二色だけとなります。それぞれダンジョンでドロップする上質な素材を組み合わせた物なので、性能の高さについてはトップブランドには劣りますが品質に関しては同等かそれ以上だと自負しています。しかし、お値段がかなり高いので注意です」
「うーん、ドロシーが黒でラプンツェルが白かなぁ?」
「……一応理由をお聞きしても?」
「偶にだけどドロシーって悪どい事を考えるという点と純粋な所の見え隠れがするという点から黒を選んだ。ラプンツェルはもう黒よりも白の方が何者にも優しくという事で良いかなぁ~と」
「「「……」」」
「えっと……その無言の間はちょっと」
遊星は三人が怒っていると思ったがそれは間違いだ。女性に性的に見向きもしていない人畜無害っぽい遊星がまともな理由を述べ、女性の下着の色を真剣に決めているというのが驚きなのだ。
「もしかして熱でもありますか?」
「無理しなくても構いませんよ?」
「俺そんなに変な事言った!?」
「あぁ、いえ……。男性でも女性に対して似合ってるという事を言う人が多いのですが、ここまではっきりとした理由で選んでいるとなるとしっかりと相手の事を理解しているという事ですので素晴らしいと思います!元カレもこんな風にしっかりと言ってくれた方が良かったのになぁ」
「ん?最後何か言った?」
「あぁいえいえ、私情ですのでお気になさらず」
少し困った様な表情を僅かに浮かべる店員を見たドロシーは察する。
恐らくこの状況でのやり取りを羨んでいる様子ですね。恐らく人間関係……彼氏と上手くいかなかった分を仕事で誤魔化す―――いいえ、仕事に打ち込む事で忘れようとしているのでしょう。これ以上の詮索や追及は止めておきましょう。
「さて、話を戻しましょう!探索での下着については此方をご購入との事ですが、問題は普段使いの方です。正直に言いますが、素材が良すぎる為に下着が品位を下げてしまいます!!」
「うん?どういう事?」
遊星はとても不思議そうに首を傾げていた。
「良いですかお客様!こちらの女性お二方の容姿は至高の宝石の様です!」
「えっと……はい…?」
遊星としては何を当たり前な事をと疑問に思っているのでしょうね。まぁ、本当はオーダーメイドの繋ぎとしての買い物でしたがこれ等は私が見た限りでもかなり品質が良いのが分かります。前世でのオーダーメイドより少し劣る程度ですが、市販で扱っている事からより良い物が作れる可能性があるという事です。
「本来はオーダーメイドにするべきなのです!」
「料金高くなるんじゃ?」
「…何を当たり前な事を」
「女性の下着はとても重要なのです!胸の形の維持、肩への負担の軽減、汗などの蒸れにくさ、上げればキリがありません!只でさえ探索者用のこの下着ですら満足度では十段階評価で八なのですよ!?」
「え?それって普通に良くない?」
「甘いです!甘々です!!当店では目下の目標が九~十の間なので不十分な商品という事です!!ぶっちゃけ言えばお客様にこれ等の下着をお勧めする事が私的には快く思っていません!!」
「店員としてそれはどうなの!?」
「ま、まぁ…女性としての下着の希望は永遠の課題とも言いますから」
「マジかぁ……。女性の下着について甘く考えてたわ」
……本当に難しい顔をして考え込む姿は良いのですが、此処は女性の下着コーナーですよ?何も知らない女性達からは不審者として見られる可能性があるかもしれませんね」
「グフッ!?」
「ど、ドロシーもう言葉にしてますよ!」
「あら、すみません」
「体調管理も大事だからちゃんと把握するのは大事だから……この程度の傷は甘んじて受けよう……」
かなり精神的にダメージを負った遊星は、もっと女性もとい家族の皆の健康管理も考える事にした。
「それでは日常生活用と探索者専用の下着合わせて四十点のご購入で五十万円とその他衣服を合わせますと六十万円なりますが……お金は大丈夫でしょうか?」
「ハハハ……。キャンプ用品や何やらの出費でほぼ半分が消えたぜ」
「……私達のせいで申し訳ありません」
「いや、良いんだ。これは必要不可欠な出費と思えば何ともない…。俺の衣服は格安のまとめ売りで何とかすれば一時凌ぎにはなる」
これは少々問題がありますね。何分質が良いからこそ値段も張り、報酬の多くが私達の下着となると探索には力を入れた方が良いのかもしれません。食料ダンジョンは第二層の浅い所までなら日帰りですが、それ以上となると野営となります。事前情報から第二層も四方の角に安全地帯があるとはいえ、そうなれば確実に消耗品が多くなる事が確定です。
ドロシーの懸念も最もだが、何分食料ダンジョンという点である分食料の確保には事欠かないという点が良いだろう。しかし、飲み水は別だ。第一層をくまなく探索した二人が見たのは川が無い地形―――、給水する場所が何処にも無かった。
「よし、あと数日でキャンプ用品が届くからそれまでにラプンツェルをダンジョンに慣れさせよう。後、食料確保の為もだな」
「ダンジョンは明日からで良いでしょう。二日から三日あればダンジョンでの戦闘にも慣れて私達との連携の再確認も出来ます」
「二人と一緒に戦うのはかなり久しぶりとなりますが精一杯頑張ります」
ラプンツェルはドロシーとの過去の事を掘り返すよりもこれからの行動を傍で見る事で見定める事にした。何より大事なのは、今この世界を生きる遊星が一番である。
買い物を終えた三人は何処に寄る事もなく帰宅し、少し早い夕食を食べて翌日のダンジョンに向けて準備するのであった。尚、翌日にラプンツェルはまたしても遊星の腹部に涎の大陸を造ったのは笑い話となる。
ラプンツェルの色々は某負け組さんの影響がかなりあります。
まぁ、それでもかなり?個性的なキャラなのでかなり難しくもあり書く際に一番難しかったです。
次回はダンジョン行きますよー!