『生命反応も多数ありました』
なのはは薄暗いヘリの中でイスに座りさっきシャーリーの報告を受けた時の事を思い出していた。
シャーリーの報告を受けた3人は暫らく硬直していたが、リインの奮闘により再起動。
そして、はやてはすぐにパイロットのヴァイスにヘリの準備をするように伝える。また、二人に救助に行くことを命令する。
なのはとフェイトは真剣な顔で頷き部屋から出る。
なのはとフェイトはシグナムとヴィータ、ティアナ達に午後の訓練は中止で自主練習しているように伝え、理由も伝える。
そして、屋上に着くとヘリのメインローターがゆっくりと回り始めていた。
二人は気を引き締めて機内に乗り込んだ。
しかしここで問題が起きる。
さっき自主練習をするように伝えたはずのティアナ達がヘリのイスに座っているのだ。
反対側に座っていたヴィータが入ってきたなのは達に気付くと、安堵のため息を吐いた。
『あと25分で目標空域に到着!』
操縦席にいるヴァイスの通信になのはは「了解」と返信をすると、反対側のイスに座っている4人を見つめる。
本来なら副隊長であるシグナムとヴィータが行かせないはずだが、ティアナが「見ることも練習だと思います」と意見を出したのだ。そしてヴィータがため息混じりに「ダメだ」と言おうとしたら、シグナムが「そういうことは隊長達に聞け」と言ってどこかに行ってしまった。
そんでもってティアナ達は屋上に向けて駆け足発進。そして着いたら二人はまだ来てないので先にヘリに載って待っていたのだ。
ちなみにその間ヴィータは付きっきりで見ていた。
それでどうしようかと思っていたらヴァイスが、早く行った方がいいんじゃないですかい。もしもの事があれば俺が連れて帰りますよ、と言ったためなのはは少し考えて許可したのだ。
フェイトとはやては驚き,フェイトはなのはを見るがなのはは、顔の前で手を合わせて謝る。
理由を聞いたフェイトは肩をすくめ、条件付きで許したのだ。
その条件は、一、極力戦闘は避ける。二、ヘリから遠くに行かない。三、ヴィータを言う事を聞くこと。
この条件に四人は即答で了承した。
二人の様子を画面越しに見ていたはやても正式に許可を出したのだ。
「なのはさん、どうかしましたか?」
なのはから見て左から2番目に座っているスバルが心配そうな目で見ている。
気がつけばティアナとキャロ、エリオとそして、なのはの右に座っているフェイトも見ていた。
なのははあわてて笑顔を作り笑ってごまかす。
スバル達は納得しきらない様子だがとりあえず了解したようだ。
そんな時にシャーリーから連絡が来る。
『現地の事で分かった事の報告よろしいですか?』
なのはとフェイトは真剣な表情に変わり、ティアナ達の表情も変わった。
「うん、お願い」
『分かりました。まずガジェットのことですが、タイプはⅠ型。数は20体ほど反応がありいくつかのグループに分かれて動いていますが、特に何かを探している様子ではありませんね』
「どうして?」
スバルが間の抜けた質問をしてティアナに頬を抓られ怒られてる。
そんなスバルとティアナを見てなのはも同じ疑問を抱く。
「でも、どうしてわかったの?」となのはが聞くと、
『最初はわからなかったのですが、よく見るとそれぞれのグループが違うところでぐるぐる回っているだけでしたので、何かを探しているとは思わなかっただけです』
「なるほどね。じゃ漂流者の情報はあるかな?」
なのははこの出動の理由にもある多数の生命反応について聞いてみた。
『はい。そちらは数でいえば70前後の反応を確認しました』
「「「「「「「60!!?」」」」」」」
かなりの大人数に驚く一同だがシャーリーの報告はまだあるようだ。
『後問題があります』
かなりの人数におどろいた一同だがあと二つもあるらしく、困惑するティアナたちに対してなのはとフェイトは最初は驚いたもののすぐに切り替えて問題を聞くとすぐに答えた。
『ガジェットとの接触の可能性が高くなりました』
「それじゃ、初めは可能性が低かったのかな?」
聞いたのはなのはだ。
『そうですね。反応があった場所0%では無かったと思いますが限りなく低いと判断しました』
「理由はなんですか?」
今度聞いたのは、なんとか戻ってきたティアナだ。
『理由は、漂流者の反応が一か所に集まっていて、一番近いグループとは直線距離で約20㎞ほどありましたので、接触の可能性は低いと判断しました』
「ならどうして高くなったの?」
次に聞いたのはフェイトだ。
『それについてはこれを見てください』
そう言うとシャーリーが映っていたディスプレイの横にもう一つディスプレイが現れる。
「ヘリコプターみたいですね」
エリオがディスプレイに写っている2つの機体に思ったこと言う。
『エリオ君、正解だよ。 この2つを調べてみたらどちらも第97管理外世界の航空機と判明しました。分かりやすく言えばなのはさん達がいた世界のヘリコプターに良く似ていることがわかったの。機体名は、卵みたいな形をしたのがリトルバード。もう一方がブラックホークと呼ばれている機体です』
「わたしたちの?」
「はい」
「この2つと接触の可能性がどうかしたのですか?」
スバルが聞く。
『合計で七機のヘリが最初の点から放射状に広がっているのです』
シャーリーの言葉に理解したのはなのはとフェイトそしてティアナの三人で残りのスバルとエリオ、キャロは首をかしげて頭の上に?を浮かべている。
そんな3人を見てなのはとフェイトは苦笑いを浮かべ、ティアナはため息をつきながらも説明する。
「今から分かりやすく説明するから良く聞きなさいよ」
そして、3人は顔をティアナの方に向ける。
「分かりやすく言うと、ガジェットがヘリに気づいて攻撃する可能性が高い、ということよ」
「そして、漂流者のところに行く可能性もある」
ティアナの説明に続いてフェイトも付け加える。
するとキャロが控えめに手を上げて質問する。
「要するに、怪我する人がたくさん出ることですか?」
「多分、そうなるだろうね」
フェイトが答えるとスバルがいきなり立ち上がる。
「なら急がないと!」
なのはは「うん」と答えてヴァイスに急ぐように連絡する。
「これに目を通しておいてくれ」
久しぶりに会ったかつての上官はBH《ブラックホーク》の中に入ってすぐに出てきて一枚の紙を渡して来た。
プライスが「これは?」と聞くと、マクミランは「ここにある戦力の一覧だ」と答える。
そこには、武器と車両、航空機が書かれていた。
一通り目を通したプライスは紙を返す。
「さっき飛んで行ったBHとLB《リトルバード》はどこに行ったんだ?」
プライスはさっき飛んで行ったヘリについて聞いてみる。
「周辺の偵察と我々の他に誰かいないか捜索に出した」
「なるほど。それで、そいつとあれは?」
プライスはマクミランの後ろにあるBHと2機のオスプレイについて聞く。
「あれは出す必要性が無いと判断したまでだ。それとそいつは、EUH-60Lて言うタイプのBHでな、指揮と統制システムを搭載した機体だからな動かさないだけだ」
「動かせないのか?」
「いや、動かせるが必要性が無いのと、ここにいる方がこっちの指揮がしやすいからな」
「なるほど」
マクミランの説明が終わったところでプライスは周りを見渡す。
周りでは兵士たちが装備と車両の点検と整備をしている。特に異常なく作業をこなしている。
いまが当たり前であるように。
「・・・少し聞きたいことがあるんだが聞いてもいいか?」
マクミランは疑問に思いながらも「かまわない」と返事をする。
「・・・ここにいる皆はなぜここにいるか分かっているのか?」
マクミランはプライスの見つめる先を見て、なるほど、と言って納得するかのように頷き答える。
「皆、同じ夢を見たんだ」
「夢? どんな夢を?」
プライスは顔をマクミランに向けて聞き返す。
「お前が白い老人と話してる夢をな」
「・・・・・・なるほど。ちなみにいつから見ていたんだ?」
「いつからは覚えて無い。強いて言えば、レストラン辺りからだな」
そんなところからか、と軽く驚くプライスにマクミランは、はは、と軽く笑って返す。
「ということは、全員参加でいいんだな?」
「だろうな。 第一、参加したくないと言っても無駄だろ。 ここにいる時点で」
「たしかにそれもそうだ」
プライスは苦笑いを浮かべながら、さっき目を通した紙の内容を思い出す。
「優秀な指揮官殿に屈強な兵士達。 これだけでも心強いのに、ヘリと車に武器がたくさんあるからな、どんな奴に協力するか分からんが、負ける気はしないな」
「・・・そうだな」
少し遠回しにマクミランを称賛したプライスだが、当の本人は浮かない顔を浮かべている。それに気づいたプライスだが、特に触れないようにした。
「だが、弾薬と燃料の補給が無いのはきついな」
「弾薬については大丈夫だ。ついて来い」
そう言って連れてこられたところには深緑色の箱がいくつかあり、箱にはAMMOと書かれていた。
「・・・確かに弾薬はあるが、これだけではすぐに尽きてしまうぞ」
AMMOと書かれた箱に触れながらプライスは苦言を漏らす。
「まぁ、待て。こいつは説明するより見せる方が早いからな」
そう言うとマクミランはホルスターからマグナムを取り出し弾を全部取ってプライスに渡す。
「こいつの大体半径2mぐらいの範囲に入って《リロード》て言うと弾が自動で補給ができるんだ」
「おい、大丈夫なのか?」
少し警戒するプライスにお手上げのようなポーズをして、今のところはな、と返す。詳しいことは分からないみたいだ。
さらに警戒感が強くなったプライスを他所に箱に近づき小さい声で、リロード、と呟く。
すると、マクミランの持っているマグナムが白く淡く光り始めた。
プライスはマグナムが光った事に驚いてすぐ物陰に身を隠すが少し待っても何も起きない。顔を出して見ようとしたら目の前に誰かがが立っていて反射的に身構えてしまうが、よく見るとマクミランであることを確認して力を抜く。
そんなプライスにマクミランは気にした様子もなく持っていたマグナムを渡す。
渡されたマグナムのシリンダーを見てプライスは驚愕する。
取り去ったはずの.44マグナム弾が全部装填されていたからだ。
左手にはさっき渡された弾が全部あるの確認してマクミランを見る。
「理由は聞くなよ?」
「なぜだ?」
「調べようにもそんな設備が無いし、それに・・・」
「それに?」
「この世界魔法というファンタジーな力がある。これも魔法の力の一つだと俺は個人的に思うがな」
「・・・・・・」
マクミランの言った言葉に少し固まったがすぐに治りため息をつく。
「どうした?ため息ついて」
「・・・いや、ほんとにファンタジーだなと」
マクミランは「あぁ、そうだな」と相槌をうつ。
しばらく二人は雑談をしていたが視界の端に走ってくる姿を見つけたので話をやめる。
「司令官!」
それは二人のよく知るソープだったが走ってくる辺り何か問題が起きたのかもしれない。そう判断したマクミランは表情を変える。
「どうした、マクダビッシュ大尉?」
二人の前に着くとすぐさま敬礼の姿勢をとり報告をする。
「偵察に出たナイト隊全機が正体不明の物体を発見。観察行動に移したところ攻撃されました」
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