もしもDCユニバースにヒュージが存在していたら   作:グレイソン

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アクアマンはモモアマンです
バットマンはバットフレックです


もしも一柳結璃がゴッサム沖にまで吹き飛ばされていたら

 その日、洋上の片隅に稲妻が走るが如く、ワームホール――通称、ケイブが開いた。

 中から弾き出されるように現れたのは、小さな、本当に小さな人影だった。

 

『この付近のはずだ。隈無く探せ、アクアマン』遥か頭上を飛ぶ戦闘機に乗るバットマンが言った。『ブームチューブともゼータ光線とも違い、ヒュージ粒子の反応があった。確認して早急に対処しなければ』

「そう急かすなよ、コウモリ野郎」アクアマンは通信機に向けて答え、長い髪をなびかせながら合衆国北東部沖の大海を切り裂くように進んだ。

 海は彼の庭だ。その庭でヒュージに好き勝手されるのはいい気がしない。もしまたあの白銀の怪物達が跋扈しているのだとしたら、決して許す事は出来ない。たとえスキラー数値がマディックよりも少しマシなだけでリリィの遥かに下を記録していたとしても、海を守り、ひいては世界を守る為に、アクアマンは全力で戦う覚悟をしていた。

『この辺りのはずだが……レーダーに反応は無い。ヒュージ粒子のセンサーにも何も引っ掛からない。既にステルス飛行に移っているのか、あるいは……』バットマンは独り言めいた確認を呟いている。いつもの事だ。アクアマンはやれやれと思いながらも耳を傾け、その最中も周囲の警戒は解かないでいた。

「あるいは、なんだよ?」

『全く別の何かが転移してきたか、だ』

「そんな事があるってのか?」

『ケイブは次元に穴を開けてどこかへと繋げる空間だと思われる。ブームチューブの例がある以上、無いとも言い切れん』

「だとしたら、どうやって何を見つけろと……」そうまで言って、水面を斬り裂いていた時、アクアマンはふと違和感を抱いた。僅かに何か違う流れを感じる。水面から顔を出せば、遠くのほうに黒い影が浮いているのが見えた。恐らく何かの漂流物だろうが、普通の海域でならいざ知らず、次元の穴が出来た付近で感じたのなら、それは確認したほうが良さそうだ。

「こっちだ、バットマン」そうだけ言って、アクアマンは波を斬り裂いて進んだ。

『なんだと? おい、アーサー?』バットマンが問い返してくる。『何か見付けたのか?』

 答える事も出来たが、アクアマンはそう細かい説明をする程丁寧な性格をしていなかった。ただ行動で示せば楽だろうと思って憚らない男なのだ。

 数分程泳いで、アクアマンは水面に立った。視界の果てに浮かぶものがある。それは流木と、しがみつく者の姿だった。

 派手な波しぶきを上げて近付けば転覆させてしまうかも知れない。アクアマンは慎重に接近する。そうする事で、その何者かの正体が僅かにでも分かった。

「バットマン、すぐにバットロープを下ろしてくれ! 子供だ、幼い少女がいる!」

 アクアマンはホバリングするバットウィングから投下されたロープを掴むと、すぐさま少女の下へと向かった。

 

 一柳結璃が目を覚ますと、そこはいくつもの眩い光を放つ何かに囲まれるような空間だった。

 なんなのだろうと辺りを見回す。すると、片隅に大きな影が立っているのに気付いた。

 大柄な、異形だ。おおよそ人間のそれではない。のそりと動く頭らしき部分には角のような物を生やし、目と思われる白い光が二つ並んでいる。まるで怪物、そう……

「ヒュージ!?」結璃はCHARMを手繰り寄せようとした。だが、どこにも無い。手に当たるものと言えば、自らが横たわっていたベッドだけだ。そう言えば戦っていた時、最後には手から抜け落ちてしまったかも知れない。

 影は音もなく迫ってくる。流石にマズいと結璃は恐怖した。戦う術が無いなんて、こんなのグレーターラージ級の攻撃を掻い潜っていた時より遥かにマズい。

「あぁ、ゴメンよ驚かせて。怖かったよね?」と、男の声が掛けられて、異形の隣にもう一つの影が現れた。それは異形とは打って変わって、明確に人の形をしていた。「彼の特技の一つなんだよ」

 そう言うと、人影は異形を押し退けて、周囲の照明を弱める。青い鳥のエンブレムとラインが目立つアーマースーツを着た男が、コウモリの姿を模したスーツを着る男と並んで立っていた。

「やぁ、おはようお嬢さん。どこか痛い所はある?」青い鳥の男が尋ねる。

「あ、あなたは?」結璃は思わず問い掛けた。

「あれ? 百合ヶ丘のリリィなら知ってると思ったけど……」青いエンブレムの男は首を傾げて、それから続けた。「僕はナイトウィング。そして彼が……」

「I am BATMAN.(私は、バットマンだ)」コウモリの男が闇夜のように低く重い声で答えた。

 

 一柳結璃の騒動はナイトウィングも知っていた。ウェインテックも長年CHARM開発に携わっているのだ、その関連で情報が入ってくる。ヒュージから造られた人工リリィと言う、クローンや改造人間よりも遥かに倫理に反する生体兵器の噂くらい、耳にしていた。

「しかし、本当に情報通り人間だな」ナイトウィングはバットコンピュータの画面の一つで、診察の際のデータを見ながら言った。百合ヶ丘女学院工廠科所属のアーセナル・真島百由の調査報告曰く、ヒュージの因子は残っておらず、人間としての要素しか無いとの事で、バットコンピュータによる解析も同じ内容を示していた。「これならリリィと判断出来るって、百合ヶ丘の高松理事長代理の判断は正しかったと分かるね」

「遺伝子的にヒトであると認められた者は、由来の如何を問わずヒトと見なす。そうしなければ、倫理を無視した行いが横行してしまう。この世界は今、地球を挙げての戦争状態だ。大義の為なら、人はどこまでも残酷になれる」バットマンは横に二つ並んだ別の画面に目を向けたまま言った。そこには、日本政府が公開している百合ヶ丘女学院所属のリリィ達のデータ――一柳隊と一柳梨璃と言う名のリリィの情報が表示されている。

「一柳梨璃……」バットマンが呟いた。「一柳結璃はある意味では彼女のクローンとでも言うべき存在だが、関係性を考えるなら恐らくスーパーマンとコナー・ケントのスーパーボーイのような義兄弟――この場合は姉妹か――とも言えるのだろう」

「なら、早い所この娘に会わせて上げないとな。きっと不安がってるはずだよ」ナイトウィングはバットマンの傍らから画面を見つめて言う。「以前の、ギガント級だかグレーターラージ級だかとの戦いの後にMIA(MISSING IN ACTION、戦闘時消息不明)となり、その後にはKIA(KILLED IN ACTION、戦闘時死亡)と判断されたとある。あの戦いにはスーパーマンやワンダーウーマンも参加していた。半神(デミゴッド)とすら呼ばれる二人でも死を覚悟する程の激戦だったらしいし、そう扱われていても仕方無いよね」

「わたし、帰れるの?」結璃が二人の後ろから尋ねた。振り向くと、彼女はバットコンピュータを覗き込もうとしているが、小さな背丈では彼らの体が邪魔でどうにも届いていないようだった。

「あぁ」とナイトウィングは画面の前から退きながら答えた。結璃が「あ、梨璃だ」と呟くのを聞いて微笑みをこぼしながら、続ける。「なるべく早く帰して上げられるように努力するよ」

「やった。早く梨璃に会いたいな。夢結とか、みんなにも」

 喜ぶ結璃を見て、ナイトウィングは頷いた。きっとこの事を知れば、彼女の仲間達も同じように喜ぶだろう。彼女の為にも、再会の時を早められるようにしなければ。

「だが、そうすぐにとは行かないだろう」バットマンが低い声で告げた。「関係各所への連絡と法的手続き……それと、この機に拉致を狙う連中への対応が必要になる」

「拉致?」

「GEHENAを始めとして、君をまだ実験体として見ている連中は多いんだよ」ナイトウィングはやるせなく答える。「それこそ場末の研究者でもね。でも心配しなくていい。全部僕達で対応するよ」

「君は長期休みとでも思って、今しばらくは待機していてくれればいい」バットマンも続けて言う。

「分かった。ありがとう、バットマン、ナイトウィング」結璃は笑顔で頷いて、それから尋ねた。「それで、どこにいればいい?」

 結璃は先程まで横たわっていた診察用ベッドに腰掛けて、その感触を確かめた。

「ここで寝るのは辛いかも」

「……ふむ」バットマンは呟いて、上を見上げた。

「いや、そこは駄目だろ」ナイトウィングは呆れながら彼に告げる。それは正体が露見しかねない。「タイタンズタワーにでも頼むか」

「それも正体に繋がりかねん。私がホテルを手配する。しばらくはそこに滞在してもらおう」バットマンは見上げた視線を下ろして答えた。

「ゴッサムに一人でか? 気が進まないな」ナイトウィングはまたもやるせなく言った。

 その傍らで、結璃はよく分からないと言うように首を傾げていた。

 

「おおー」と結璃は感嘆の声を漏らした。ベランダの外には明暗の差がはげしい夜景が広がっている。綺羅びやかな光景に目を奪われがちだが、闇の深い部分には気味の悪さが渦巻いているようだ。

「これがゴッサムシティだ」バットマンが片隅の影の中から言った。アルフレッドと言う老年の紳士――この街一番の富豪ブルース・ウェインの執事をしていると言う――に連れられて、結璃はこのホテルにやって来ていた。この街一番の大企業ウェインエンタープライズが経営する一流ホテル、その最高ランクの一室だと言う。バットマンはブルース・ウェインやウェインエンタープライズとの協力関係にあるらしく、その伝手で宿泊の手続きを行えたと言う事だった。

 だが、結璃は室内の豪華さや調度品の高価さにはまるで興味を持たず、窓の外に広がる光景ばかりを見つめていた。

「明るい所は綺麗だけど、暗い所はなんだか寂しいし悲しい感じもするね」長い事眺めた後、結璃はようやく視線をバットマンに移して言った。それから、彼に近付いて息を吸い、続ける。「強いのに寂しいとか悲しいとかの感じがする。この街と似てるかも」

「ゴッサムが私を作り上げた。だから、この街と私は似ている……いや、この街は私なのかも知れない」バットマンが感情を捉えにくい低い声で答えた。

「なんでこんなに寂しい感じがするの?」

「犯罪と腐敗、貧困と堕落に満ちているからだろう。まともな市民は日々悲壮感と孤独に苛まれている」

「バットマンも?」

「……かも知れないな」バットマンは結璃から視線を逸らして、街を見下ろした。

 結璃にはよく分からなかったが、前に郭神琳が言っていた事を思い出していた。誰にも抱えているものがある。それはきっと彼にも言える事なのだろう。踏み込むべきかどうか、生まれてそう日の経っていない彼女にはまだ分からなかった。

 結璃は巨大なコウモリの男から離れて、もう一度街を見た。今度は綺羅びやかな部分よりも、影の濃い暗闇の部分のほうが目立って見える気がした。

 

 それから何日かが過ぎた。最初こそ街の風景や高級な料理を楽しんでいた結璃だったが、しばらくもするとホテル生活に飽きてしまい、アルフレッドに頼んでは街の散策に出掛けたりもしていた。アルフレッドは彼女を綺麗な街並みにしか近寄らせないようにしてくれていたが、それでも時折、物乞いをするくたびれたホームレスや、麻薬か銃の売人らしき人々が片隅で非合法な商売に手を染めているのが見えたりと、決して暗部や汚点は切っても切り離せないのだと実感させられた。百合ヶ丘の世界くらいしか知らない結璃には衝撃的だった。あの学院の生徒達とはまるで違って、人間はどこまでも落ちて行けるのだと、初めて気付かされたのだ。それは、曲がりなりにもヒュージから世界を救おうとするGEHENAの中にある汚い考えともまた違っていた。

 それでも、街を護り、助け、より良き方向へと導こうとしている者はいる。バットファミリーがそうだし、汚職まみれのゴッサム市警でも一部の志高い警官達はそれに当てはまると、アルフレッドは教えてくれた。結璃はその時まで、人類の為に戦う意義を失いかけていたが、彼の言葉を受けて良き人々の為に戦うと言う想いを僅かにでも取り戻せた気がしていた。

 その日、結璃はウェインエンタープライズの筆頭株主兼社長のブルース・ウェインからの援助で、性能面を含めて修復し仕立て直された百合ヶ丘の制服をアルフレッドから受け取って、それに袖を通している所だった。この制服を着ると、自身が百合ヶ丘のリリィである事を思い起こさせ、より一層その使命を全うしようと思える。同時に、遠くの土地に離れてしまった姉妹のような存在である梨璃や、夢結達仲間との絆やその命を感じる気がした。いつになるかは分からないが、必ずみんなの元に戻って、百合ヶ丘のリリィとして共に戦い、護るのだ。その時まで健やかにいなければ。

 鏡の前に立って自分の姿を眺めていると、突然警報が鳴った。一瞬、火事か何かだと思った。だが続くアナウンスがこの世界の常識を表していた。

『現在、ゴッサムハーバー付近にてヒュージの出現が確認されました。お客様におかれましては、速やかに避難所へと向かって頂きたく思います』

「ヒュージが!?」結璃は思わず叫んで窓の外を見た。ゴッサムハーバーがどこかはよく分からなかったが、この高層階からなら見えないかと思ったのだ。

 眼下を市警のパトカーが走り抜け、サイレンが微かに聞こえる中、空の彼方をバットウィングが翔けていくのが見えた。バットファミリーが出動したのだ。やがてバットウィングはピタリと止まってホバリングし、地上目掛けて機銃にて攻撃を始めた。

 あの程度で止められる相手なのだろうか。結璃は百合ヶ丘で教わったヒュージの情報を思い返した。ミドル級までなら通常兵器でも通用すると。しかしそれ以上になれば、リリィの力がなければ難しくなる。バットマン達のスキラー数値がいくつかは分からないが、CHARMを扱って戦えるのだろうか。

「結璃様、避難しましょう」アルフレッドが予備のカードキーを片手に部屋に駆け込んできて言った。「さぁ、こちらに」

「ねぇ、アルフレッド。バットマンが言ってたよね。ウェイン社はCHARMも作ってるって。なら、使えるCHARMもあるよね」

「さようでございますが、なぜ突然そのような事を?」アルフレッドは怪訝な顔をした後、ハタと気付いたように表情を変えた。「もしや結璃さ様……」

「わたしも戦うよ! ウェイン社に連れてって! CHARMを借りるから!」

「結璃様……」アルフレッドは躊躇うように言う。

「バットマン達だけじゃ無理だよ、リリィじゃないとヒュージは倒せないんだから。だからわたしが戦う」

 アルフレッドはしばし躊躇うように黙った。

「アルフレッド!」結璃は急かす。

「……分かりました、私についてきて下さい」アルフレッドは手で示して結璃を呼び寄せた。「きっとあの方もこうするはずです」

「アルフレッド……ありがとう」結璃は笑顔で答え、その後を追った。

 

「まだ試作段階ですが、使用可能なCHARMはここに」ルーシャス・フォックスが応用科学部門の奥にあるCHARM開発部門の扉を開けて答えた。「本来はバットファミリー向けに調整して、スキラー数値の低い者でも戦えるようにするはずだったんですがね。リリィに使ってもらえるならこれも開発者も本望でしょう」

「黒いし、バットマンのマークがある。あっちはナイトウィングだし、ロビンのもある。バットガールとレッドロビンと、レッドフード? って人のもあるんだね」

「バットファミリー用って言ったでしょ?」ルーシャスは笑みを浮かべて言った。「バットマンのは爆発性のバッタランを射出するランチャーと大斧の二形態。ナイトウィング用のは合体してダーツランチャーに変形する二振りの剣。ロビンのは鍔からバッタランを射出出来る刀で、後の三つはまだ調整が済んでないので稼働は無理です」

「マギクリスタルと指輪を」アルフレッドが小箱を持ってきて言った。「契約を行いましょう」

「分かった」結璃は言い、指輪を着けると、バットマンのマークが描かれたCHARMにクリスタルコアを嵌め込んでから自身の掌を切った。血が流れ、コアに浸透していく。略式とされるが、これが本来の契約の方法だった。後は起動の時まで待たねばならない。「待ってて、バットマン。すぐに行くから。一緒にゴッサムの街を守ろう」

 

『バットマン、周辺地域の避難は済んだ! もう派手にやっても大丈夫だ!』

「了解した、ゴードン。では遠慮なく総火力を集中させる」バットマンは通信機に向けて言い、チャンネルを切り替えた。「ナイトウィング、ロビン。総力戦だ。全力でヒュージを撃退する」

『こちらナイトウィング、了解した』

『ロビン了解。やってやろうぜ親父』

 二人分の声を聞くと、バットマンはバットウィングを前進させて爆雷を投下した。この機の兵装は全て、彼の中にある僅かなマギを込められるように改造されており、ヒュージにも最低限ではあるが、有効な打撃を与えられるようになっている。閃光と共にミドル級とラージ級のヒュージの群れが炎に包まれた。その中に目掛けて、ロビンの操るバットモービルとナイトウィングの駆るバットサイクルが次々とミサイルと榴弾砲を撃ち込んだ。両機ともバットウィングと同じくマギ戦仕様にカスタムされている。容赦の無い攻撃が爆風を巻き起こし、辺りに煙が立ち込めた。だがすぐに、ヒュージの軍勢の作り出す影が揺らめき迫るのが見える。

「やはりまだか」バットマンは低く言った。予想通りだが、残酷過ぎる事実だと思った。リリィならいざ知らず、いくらマギ戦仕様とは言え通常兵器しか持たぬ彼らが立ち向かうには、攻勢を緩めずに畳み掛けねばならなかった。

 頼みの綱はやはりリリィの存在だ。だが、この犯罪と腐敗の渦巻く影の街には、リリィどころかマディックすらもいない。ガーデンのある光の街メトロポリスから駆け付けるにしても、それなりに時間が掛かる。スーパーマンならひとっ飛びなのに。バットマンは歯がゆい思いにマスクの下で眉をひそめた。

「もう一度だ、火力を出し切れ」

『いいだろう、全弾ぶち込むさ』ナイトウィングが答える。

 再び三機が砲火を浴びせる。爆炎の中で、ミドル級と思われるいくつかの小さな影が沈んでいるのが見えた。だがまだ、ラージ級の大きな影が残っている。

「残弾数は?」バットマンはコンソールを弄りながら問い掛けた。ミサイルと爆雷、榴弾砲を使い尽くしたバットウィングに残るは、もうミニガンのみだ。ライフリングに術式を刻み込んであるとは言え、巨体に対する火力としてはいささか心もとない。

『全弾って言ったろう? こっちはもう弾切れだ』ナイトウィングが答えた。バットサイクルには元々榴弾砲程度しか装備されていない。他よりも息が切れるのも早いのだ。

『オレもミサイルとキャノンは切れた。後は機銃だけだ』ロビンが続く。バットモービルも同じ状況のようだ。

「やむを得ん……近接戦闘に入るぞ」バットマンはバットウィングを前進させながら言った。「叩き伏せてやれ」

『了解、バットマン』二人分の返答が聞こえた。

 バットウィングはミニガンの掃射を続けながら、翼の先を高周波で振動するブレードに変形させて、すれ違いざまにヒュージの体を斬りつけた。硬い表皮に軽く傷がつく程度だったが、マギを通しているお陰でどうにか効いたようだ。

 同じく機銃を乱射するバットモービルが進み、ドリフトしてヒュージの脚の内の数本を次々と薙ぎ払って走り去る。ラージ級の巨体がバランスを崩して倒れ込んだ。

 続いて別方向からバットサイクルに乗ったナイトウィングが接近し、ウィリーの前輪で蹴りつけると、駆け上りながら取り出した衝撃集中爆弾を設置し、飛び越えた。少しの間をおいて爆発が起き、辺りに黒煙が舞う。

 しかし、そのとばりを引き裂いて、ヒュージの脚が伸びてきた。鋭い爪状のそれで辺りを削るように突き刺し、同時に立ち上がる。そこからは敵の反撃だった。触腕を伸ばして撃墜を狙い、多脚で地面を凪いで近寄せまいとする。

『クソが、こうなったら殴り倒してやる! バットモービルをエグゾスケルトンモードに変形させるぞ!』ロビンが苛立ちを滲ませた声で言った。『本当の近接戦闘を見せてやる!』

「よせ、ロビン。今の奴に近寄るのは無謀だ。私が奴の注意を引いている間に、お前達はウェインテックに向かって弾薬を補充しろ」ビルの間を曲芸飛行じみた操縦で躱しながら、バットマンは答えた。敵の攻撃を避け続けているだけで足を止められるのなら容易いものだ。その間に態勢を立て直し、再び攻撃と行けばいい。

『けどよ、親父!』

『落ち着け、ダミアン。……分かったよ、ブルース。その代わりに墜ちるなよ?』ナイトウィングが軽口を叩くように答えた。『また葬式と後継者騒ぎなんて御免だからな』

「まだ先さ」

『よし。行くぞ、ロビン』ナイトウィングが言い、二機の反応が遠退く。

 それを見やると、バットマンは再びブレードを展開して接近した。狙うは本体ではなく、伸ばしてくる触腕だ。掴まれる所をヒラリと躱して斬りつける。切断とまではいかないまでも、ザックリと跡を刻み付けられたのが分かった。よし、もう一度だ。バットマンは機首を向ける。反対側の触腕が迫ってくる。返す刀で再び攻撃が成功した。

「私を甘く見るなよ」バットマンはコークスクリュー飛行で触腕を掻い潜りながら呟いた。「例えマディック程度にしか力が無かろうと、お前達に一撃でも与えられるのなら、尽きるその時まで私は戦い続ける」

 ビルの谷間で触腕の追跡を躱し、再び相対する。残った弾丸を全て撃ち尽くすと、ビルの影に隠れるように旋回して、側面へと回り込む。意識外からの攻撃を画策しているのだ。翼のブレードを煌めかせて、バットウィングはヒュージまであと僅かと言った所に迫った。

 突然ヒュージが姿勢を低くして、バットウィングの攻撃を躱したかと思うと、通り過ぎるよりも早く立ち上がって翼を真下から突き上げた。姿勢を崩して、バットウィングは錐揉みしながらビルの横っ腹を突き破った。オフィスビルのど真ん中で機能を停止したバットウィングは、再起動にかなりの時間が必要そうだった。その間にも、ヒュージは迫ってきている。バットマンは舌打ちしながら脱出し、グラップネルガンでビルの谷間を飛び上がると、ケープを翼として広げて滑空した。入れ違うように登り詰めたヒュージがビルの中を殴り付け、バットウィングを弾き出す。地に落ちたバットウィングは無惨にひしゃげてから、火花と黒煙を吹いた。

 このまま戦うにはどうするか。バットマンは地上に降り立って思った。今の手持ちガジェットでどう引き付けるか。逃げると言う選択肢は無かった。この場を放り出せば、いずれは避難した市民の元へと辿り着いてしまうだろう。そうなれば待つのは地獄のような惨状だ。倒してしまうか、それが無理ならせめてナイトウィング達の復帰か、リリィや他のヒーローの応援が来るまで食い止めるしかない。

 バットマンはバッタランを取り出し、爆薬を込めて構えた。術式を刻んだそれも、マギを通してダメージを負わせられるようになっている。自身を探しているヒュージに向けて、バットマンはそれを投げ付けた。白銀のヒュージの体に突き刺さり、それから爆発した。ヒビを入れた部分に対する追い打ちだが、それは大した効果をもたらしてはいなかった。しかし、注意は引けた。

 ヒュージは振り返ると、少しの後に飛び掛かってきた。バットマンはスモークペレットを足元に叩き付けて煙幕を作ると、グラップネルガンを使って高く舞い上がった。地面を叩き割る音が聞こえる。間をおいて、バットマンはヒュージの背を蹴りつけるように着地した。暴れ回る巨体にしがみついて、衝撃集中爆弾と爆破ジェルをいくつもセットして飛び退く。爆発が何度か巻き起こって、ヒュージが揺らめいた。

 これで倒せたとは思わない。バットマンは駆け出して距離を取りながら思った。その通り、ヒュージは怒りに打ち震えるように更に暴れ回っていた。巻き上げた瓦礫や車両が辺りに降り注ぎ、バットマンの間近にも迫った。バットマンはフリーズブラストを取り出しながら回避して、その後にそれを投げ付けた。狙うは、ヒュージの脚や触腕の付け根だ。青白い光を放って、一瞬で関節の周りに氷がへばりついた。一瞬だが動きが鈍る。それは苛立ちを募らせるには充分だった。

 脚や触腕を振り回して氷を払い、ヒュージは怒りを表すかのようにその巨体を激しく動かして暴れ回った。バットマンは振り回される鋭い爪や、巻き上がる瓦礫を躱しながら、都市の中央部から距離を取るように走った。ゴッサムハーバーの付近にまで誘い込めれば、より一層の火力の投入も可能なはずだ。時折振り返ってはバッタランを投げ付け、注意を引き付ける。それを何度か繰り返した。

 バッタランの数がもう後少しで底を突くと言った時に、バットマンは激しく吹き飛ばされた。蹴り上げられた車が落着すると同時に爆発したからだった。バットマンは受け身すらままならずに転がった。

 呻きながら立ち上がる。早くしなければ踏み潰されてしまうだろう。ふらつく足取りで走る。余裕はなくなりつつあった。

『バットマン、聞こえるか?』ナイトウィングの声がした。無線通信で呼び掛けてきたのだ。『こちらの補給は完了した。既にそちらに向かっている。すぐに到着するよ』

「援軍は大歓迎だ」バットマンは低い声で答えた。「強力な奴を頼むぞ」

『あぁ、とっておきを引っ提げて向かってる。期待しててくれ』ナイトウィングは笑い、それから続けた。『三、二、一……今だ、行け!』

 誰に向かって言っているのだろうか。バットマンにはよく分からなかった。だが悪い予感は何もしなかった。

 やがて、一基のミサイルが飛来するのが見えた。ただのミサイルでも特別性の何かなのだろうか。バットマンは瓦礫を避けてそう思う。その予想は外れた。着弾の後には衝撃こそ受けれども、なんのダメージも無かったかのようにヒュージは動き続けていたからだ。これがとっておきと言うのか?

「こっちだよ!」直後に、声が響いた。少女の声だ。空高くから舞い降りて、ヒュージの体に大斧を叩き付ける。「バットマン、お待たせ!」

「あれは結璃か!?」バットマンはマスクの下で目を見開いた。ヒュージの巨体を揺るがせ、その触腕を切り払うのは、紛れもなくリリィの少女、一柳結璃だったからだ。通信機に問い掛ける。「戦えるのか!?」

「戦うよ! わたしもリリィだもん!」答えたのはナイトウィングではなく、結璃自身だった。叫ぶ声と通信の声が重なる。

「……いいだろう、分かった。そのバットアックスはもう君の物だ! 存分に使ってくれ!」バットマンは笑顔を漏らして頷いた。

「分かったよ!」

 返答を聞き、それから走った。その先には、煙を吹くバットウィングがある。彼もまだ戦いから離れる気は無かった。結璃が斬り結ぶ中、バットマンはバットウィングから予備のガジェット類を取り出して装備に補充した。スモーク、フリーズブラスト、衝撃集中爆弾、バッタラン……装備し終えると、バットマンも再び戦場に向かった。その頃になるとバットモービルとバットサイクルも現場に姿を現していた。

「バットマン、どう攻める?」駆け寄るバットマンにロビンが尋ねてきた。

「ヒュージを撹乱して、狙いを結璃から逸らすんだ。そうすれば彼女が攻め入りやすくなる」

「連携していこう。結璃、君もだ」ナイトウィングが通信機にも向けながら言った。

『うん! みんなでやろう!』激しく火花を散らす音と共に、結璃の声が通信機から聞こえた。

「よし、撹乱作戦を始めるぞ」バットマンは指差しながら言った。「ナイトウィング、ロビン。合図したら足元を狙え。結璃、君は高く跳ぶんだ」

 言ってから、バットマンはグラップネルガンでビルを駆け上がる。全員が返答するよりも早く、彼は合図を出した。

「今だ!」

 結璃が跳び上がり、二機のバットマシンから砲撃が始まる。ヒュージが苛つくように足元に視線を落とすのが見えた。

「結璃、叩き割れ!」

「やあぁぁぁぁッ!」雄叫びと共に、結璃が落下しながらバットアックスを振りかざした。黒塗りの刃が白銀の体にめり込む。そして巨体を地面に沈めた。ズン、と地響きがなり、ヒュージが僅かに動きを止める。

「斬りつけろ! 攻められるだけ攻め入れ!」バットマンはグライドしながら言った。

「くらえぇぇぇッ!」結璃が一気呵成に叩き込む。近寄る触腕を払い除けながら、大斧を何度も振るう。

「いいぞ、やってやれ!」バットマンもボマバッタランを投げ付けて触腕を弾きながら、ヒュージの体表に着地した。それから素早く衝撃集中爆弾をいくつか設置する。「よし、離れるぞ!」

「うん!」結璃が頷き、二人は同時に跳躍した。ほぼ直後に触腕が二人のいた場所を薙ぎ払った。

 バットマンは壁に掴まりながら、ガントレットの起爆装置を作動させた。最大レベルに設定した衝撃集中爆弾から激しい爆発が巻き起こり、ヒュージが怒りのような声を漏らす。

「撃て、ロビン!」地上のナイトウィングが足元を駆け抜けて反対側に滑り込み、ヒュージにキャノンを向けて言った。相対するような形で二機が火線を集中する。

「これも!」結璃が落下しながら、バットアックスを変形させたランチャーを構えて言った。反動で僅かに浮きながら発射する。ボムバッタランが着弾しては表皮をガリガリと削る。ヒュージはどこに注意を向ければいいのかが分からない様子だった。狙いの定まらない触腕が宙を切る。再びボディががら空きになった。

「全力だッ、くらえぇぇぇッ!」結璃が体を逸らして大斧を構え、そして思い切り叩き付けた。巨体に食い込み、かち割りながら、結璃は地上にまで落下し、降り立つ。飛び退くと、真っ二つになったヒュージは力をなくして崩れ落ちて、徐々に崩壊を始めていった。

「……終わったな」バットマンは荒い息を漏らしながら言う。「みんなよくやった」

「梨璃、みんな……やっぱりわたし、出来たよ」結璃が小さく呟くのが聞こえた。

 

「結璃ちゃんから連絡が来たってホントですか!?」一柳梨璃は一柳隊に割り振られた部屋に駆け込みながら言った。信じられなかった。死んだと思っていたあの子が、まさか……。

「梨璃、落ち着きなさい。まずは座りなさい」疑似姉妹・シュッツエンゲルの白井夢結が諌めるように言い、二人掛けのソファの傍らを示す。梨璃が腰掛けると、結夢は周囲に立つメンバーの内、二川二水に向けて言った。「二水さん、端末を」

「はいっ! 再生しますね!」タブレット端末を操作し、そこからホログラムモニターを表示させながら、二水は興奮するように言う。

 やがて、モニターに人影が映った。しかしそれは結璃のものではなく、コウモリを纏った大男のものだった。

「え、この人って……」

『百合ヶ丘女学院所属の一柳梨璃とその仲間達へ、このメッセージを送る。私は、バットマンだ』

「やっぱりバットマンだよね?」梨璃は思わず複雑な感情を表情に浮かべて言った。結璃からだと聞いていたはずなのに……。そう思っていると、動画の中のバットマンは続きを言い始めた。

『我々は先日、君達の仲間を一人保護した。一柳結璃……一柳梨璃の妹とでも言うべき少女だ』

「……え?」

『彼女は恐らくケイブを通じて、日本からゴッサム沖の海上にまで飛ばされて来たのだと思われる。診断の結果は至って健康で、つい先日には我々バットファミリーと共に、ゴッサムに上陸したヒュージとの戦闘を行った程だ。勿論彼女は無事だ。……彼女のお陰で、ゴッサムの街は救われたよ。本当に感謝している』

「結璃ちゃんが……!」

『このメッセージは彼女が健在な事を諸君に伝える為のものだ。なので、ここからは……結璃、君に任せようと思う』

 バットマンが立ち上がり、席を譲って闇の中に消えると、続いて明るい髪を二つ結びで下げた少女が代わりに席についた。百合ヶ丘の制服を纏う彼女は、正しく、一柳結璃の姿だった。

『梨璃、みんな、見てるー? 結璃だよー、わたし元気だよー!』手を振りながら、結璃は笑顔で言う。

 全員が息を呑む。

「お、お姉様……結璃ちゃんが……結璃ちゃんがホントに……!」梨璃は思わず込み上げてきた涙を堪えて、結夢の手を握り締めた。

「えぇ、分かっているわ」

「嘘じゃないですよね……!?」

「えぇ、バットマンもこんな悪質ないたずらなんてしないわ。これは現実よ」夢結も梨璃の手を優しく握り返しながら答えた。

『わたしね、バットマンに助けてもらったんだ。それでね、この前ヒュージとも戦ってね、みんなと一緒に勝ったんだよ! やっぱりわたし、出来たんだよ!』結璃は身振り手振りを交えながら言う。『みんなのように、わたしも百合ヶ丘のリリィとして戦えたんだよ! すごいでしょ!』

「うん……すごいよ、立派だよ結璃ちゃん……!」梨璃は食い入るように動画を見詰めながら言う。

『あ、バットマンがね、もう少ししたらわたしの事帰してくれるって言うの』

「結璃ちゃん、帰ってこられるんですか!?」驚きのままに叫ぶ。

『けど、ゴッサムの街にはリリィがいないんだって。隣のメトロポリス? にはいるらしいんだけど、こっちに来るまでには時間も掛かるし』結璃は少し躊躇うような顔をする。まさか、と梨璃は思った。

『……だから、それでね? わたし思ったんだ。この街にもう少し残ってみようかなって。私がこの街のリリィになろうって思うんだ』

「や、やっぱり!? 危ないよ結璃ちゃん!」

「梨璃、落ち着きなさい。これは動画メッセージよ、通信ではないわ」夢結が諭すように言う。「それに、彼女には彼女の意思があるのよ。あの時のように」

『百合ヶ丘には必ず帰るけど、今はまだしばらくゴッサムにいる事にするよ! わたしもちゃんと守れるって思うから。だから、また会うのはもう少し先で、ね?』結璃は迷いの無い顔で言う。『あ、梨璃の事だから心配してると思うけど、大丈夫だから! それにまた連絡するし、たまになら通話も出来るから。そこでいっぱい話そ!』

 結由はにっこり笑うと、両手を振った。

『じゃあ、またねー!』

「全く、結璃ちゃんってば……あの時とおんなじくらい無茶な事ばっかり……」梨璃は次第に涙声になりながら言った。そして最後には大粒の涙を流して夢結の胸に顔を埋めていた。「良かった……良かったよ、結璃ちゃん……!」

「えぇ、本当にね」梨璃は気付かなかったが、夢結も、他のメンバー達もまた、目に涙を浮かべていた。

『……ねぇー、バットマン? これどうやって終わらせるのー?』間の抜けた声が続き、一同はハッとして画面を見やった。手を振り終えた結璃が背後を見やっている。

『私がやろう、代わってくれ。……あー、一柳隊の諸君、そう言う訳だ。結璃の事は、しばらく私達が預かる。そしていつか必ず、君達の元に帰すと約束しよう。それでは』バットマンが居心地悪そうにそう言って、動画は終了した。

 全員が吹き出すようにクスクスと笑う。

「……そうね、ここは涙で終わらせるべきではないのかも知れないわ。笑顔こそが似合う、そんな場面ね」夢結が言い、全員が喜びの笑顔をたたえた。

 

「本当にいいのか、結璃?」バットマンは傍らの少女に向けて言う。「帰るべきだろうに」

「いいんだよ、ブルース。わたしがそう決めたんだもん」結璃は笑って言い、それからドミノマスクを装着した。「わたしがこの街のリリィになるんだから」

「了解したよ、結璃……いや、『リリィ』」コードネームとしてその名を呼びながら、バットマンはバットモービルに乗り込んだ。結璃、いや、リリィもその後に続く。「さぁ、出動だ。ヒュージに正義のハンマーを下してやろう」

「おーッ! GOGOリリィ!」

 二人を乗せたマシンは、暗い洞窟を抜けて滝の土手っ腹をぶち抜き、ゴッサムの街へと飛び出して行った。




いつもナイトウィングばかりで、バットマンとロビンを書いたのは初めてでした
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