お坊っちゃまセレクションのセクシャルバイオレットな衣服を身に付けた武藤カズキとホワイトを基調とした日曜日の朝の戦うヒロインなコスチュームのまひろさんを私達は眺めています。
見た目的にアウトなのは武藤カズキですけど。
「まひろ、その格好は一体……」
「此方の台詞だよ、お兄ちゃん!?」
「(まあ、そうなるわね)」
津村斗貴子の仕方ないと言った感じの頷きに二人の友人も賛同するように首を縦に振り、私は椅子に腰掛けているお坊っちゃまに珈琲をお出しして、そのお側に控えるように立って傍観します。
武藤カズキとまひろさんの相手の身に付けている服装を指摘し合う話を聞きつつ、手首の時計を見ながらマスター・バタフライ様達の蝶野家の地下工事は終わった頃でしょうかと考える。
「先ずはオレの格好についてだけど。これはカッコいいから蝶野に貸して貰っているんだ。ほら、この胸元の筋肉を見せるセクシーさとか」
「お兄ちゃんはお洒落を間違えてるよ!?仮に着けるならあのマスクか前に賛おねえちゃんが着けてた蝶々の絵が描かれた真っ白なマスクにしてよ!」
「賛、言われているぞ」
「欲しければあげますよ?」
スッと幾つか候補を取り出してみせると武藤カズキは興味を示すものの、津村斗貴子の余計なモノを与えるんじゃないという視線に気付き、しょんぼりとしながらまひろさんに向き直った。
流石はお兄ちゃんですね。
今頃、私の大事な妹の奇も恋してしまった火渡様に熱烈なアプローチをしていることでしょう。
私もあの悪人面なのに何処か放っておけない雰囲気に一瞬だけ惑わされましたが、私が心の底から愛しているのはお坊っちゃまだけです。
「大体、まひろの格好はどうなんだ」
「可愛くない?」
「可愛いに決まっているだろ?!」
「えへへ」
武藤カズキはシスコンの様ですね。
「お前と同じだな」
「妹を可愛く思わない姉は居ませんよ」
「そうか。俺の一番はお前だがな」
「知っています。私の一番もお坊っちゃまです」
そう言って微笑めば私達のやり取りに「ストロベリやがって、ちくしょおおぉおっ!!」と悔しそうにリーゼントの男の子が男泣きしてしまった。
「ウチの岡倉がすまないな」
「いえいえ、大丈夫でございます」
「それにしても本物のメイドさんかあ」
メガネの男の子と大きな体躯の男の子の視線に、ゆっくりとメイド服の裾を摘まんで一礼すると小さな拍手を貰えます。
「でも魔法少女って年じゃッ……!?」
「お兄ちゃん、私は3月まで中学生だったよね?」
「う、うん、そうだね」
女の子に対しての失言ですね。
次郎くんも良く私にしていました。今考えるとアレは男の子の思春期に有りがちな身近な女性に対する年頃の反応だったのでしょうか?