【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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悲しきモンスターたち 破

「良い良い良いイィーーーーッ!!!最高だよ、パピヨン君ンンンッ!!もっとぉ!!もっとぉ!!んモットォオオ!!私に君を見せてくれ!君の全てをッ、全てをオォ!!私にぶつけてくれえぇ!!」

 

「ハハハハハハッ!!!蝶人の拳を受けても倒れないヤツは早々居ないぞ!!賛以上の打たれ強さだ!!正しくゴリラのようなパワフルさ!」

 

「そこで私の名前を出さないで下さい」

 

あとゴリラと言いましたね。

 

私はべつに本気の手加減抜きで撃つ二重の極みをお坊っちゃまの顔に叩き込んでも構わないんですよ。好きな人にゴリラと言われる苦しみと悲しみを乗せたパンチを打ってあげましょうか。

 

……しかし、本当に凄いタフネスですね。

 

人間を越えたパワーとスピード、タフネスを持つホムンクルスのお坊っちゃまと互角以上に殴り合っている。パンチの軌道や角度、打点の位置も人体の急所を的確に撃ち抜いて、近代ボクシングの原形───否、アレは暴力と科学の融合した戦士の理想像かも知れませんね。

 

それに男女の筋肉の差もあそこまで離れてしまうと太刀打ちする事は難しくなる。私も最短距離を撃つ二重の極みを編み出したとはいえ岩息舞治と殴り合うことは不可能としか答えられないです。

 

「賛さん、止めなくて良いの?」

 

「何故、お坊っちゃまが勝つのに止める必要が?」

 

「わあ、左之助さんに似て頑固さんですね」

 

「景、オレは頑固じゃねえだろ」

 

高祖母様と高祖父様のやり取りを見るのは新鮮ですけど。あの小柄な高祖母様に纏わりつくのが、背中に「悪一文字」の服を着た男というのは、そこはかとなく犯罪臭がして不安になりますね。

 

まあ、そういう家族なのでしょうけど。

 

「ん!ほまれちゃん、あげる!」

 

「これはお守りですか?」

 

「しとりがつくった!」

 

小さな赤い石と何か妖気のものを感じる水晶の連なった数珠を左手首に嵌めて視線を小屋の外に向けるとお坊っちゃまがセクシャルバイオレットなTバックの下着を丸出しにして岩息舞治と組み合っていた。

 

「……後学のために模写していい?」

 

「それこそやべえだろ、止めとけ」

 

「ご安心を、すでに私も準備しています」

 

「流石は景の玄孫、趣味嗜好が似てやがる」

 

私が書くのはお坊っちゃまだけです。

 

岩息舞治の肉体美は素晴らしく思えますが、高祖父様の無駄な脂肪を完全に取り除いた機能美を追求した筋肉の要塞のごとき肉体も蝶・素敵だと思います。

 

私ももっと鍛えれば高祖父様のようなムキムキになることはできるのでしょうか。

 

 

 

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