「武藤君、あの白い子は攻撃を反射します。マスクの男性は爪と突進攻撃は速いですが見えないわけではありません。お互いに気を付けて倒しましょう」
「二人じゃない、オレ達
「その通りだ、武藤!」
「下がれ、糸色!」
そう言って笑う彼の槍は燦々と照りつける
「ね?これで4対4でしょ、賛さん」
「……フフ、流石ですね。武藤君」
私は鏡を構えた女の子と向き合い、武藤カズキは神楽さんと戦うためにサンライトハートを構える。私と彼女の相性は頗る悪いですが、彼女の反射に対応できるのは蛮竜を持つ私だけです。
チラリと奈落を見るも逃げる素振りも私達の戦いに割り込み、不意打ちを仕掛ける気配はない。私達を見下しているのか、彼女達の実力を信頼しているのか。
ふと剣士の方を思い出す。
そうだ、彼がいない。
「お坊っちゃま、爆破して下さいッ!!!」
「「は?」」
「ニアデスアピネス!!!」
武藤カズキと津村斗貴子の身体を抱き上げながらお坊っちゃまに叫んだ瞬間、私達の立っていた場所に三日月状に空間が裂け、奈落達を残して天守閣の壁や柱、天井が一瞬で吸い込まれる。
「馬鹿な、ブラックホールだと!?」
「お坊っちゃま、足場をお願いします」
「賛以外は乗せたくないが緊急事態か」
私達を天守閣に乗り込ませたのは、あの一撃で葬り去るためだったのでしょう。一瞬、ほんの僅かに行動が遅れていれば私達はブラックホールに呑まれていた。
「あら、逃げられた。悪いね、奈落」
「構わん。今ので奴らの手の内は見えてきた、あの大鉾は完全に使いこなせていない。あの女が蛮竜を真に使いこなせるのなら、冥道を切り裂く筈だ」
めいどうを切り裂く?
訳の分からない事を言う奈落を見下ろしながら刀身の赤く染まった蛮竜を横薙ぎに振るい、熱風を撃って奈落の纏うバリアを切り裂き、砕く。
「……赤い刀身か、鉄砕牙の成り損ないめ」
ドグンッ……!!!
奈落の蔑んだ声を理解しているのか。
赤く朱く紅く染まっていく蛮竜を真上に振りかざし、真っ直ぐ縦に振り落として無防備に佇んでいた奈落の身体を真っ二つに切り裂いた。
切り裂いた筈なのに、奈落は倒れない。
「無駄だ、お主に儂を殺すことは出来ん」
「また何かしら策を弄するのですね。腰抜けが」
そう言って私は逃げるように転移した奈落の気配を探るも完全に臭いも気配も消失し、