これは、奇が居れば完璧な布陣ですね。
そう思いながらもお坊っちゃまの隣に立ち、正門で別れていた武藤カズキと津村斗貴子に会釈し、何かを聞きたそうにしている武藤カズキに近付く。
彼の耳元に小さな声で問いかける。
「武藤君、どうかしましたか?」
「いや、その……倫と巧って蛮竜関連?」
「二人は候補ではありませんよ」
私の言葉に半信半疑な武藤カズキに「むしろ、とても素敵なサプライズかも知れませんね」と伝えると「なら、早く教えて貰えるように頑張らないとだ」と言って笑い、津村斗貴子にも小声で耳元に囁くように話を伝えています。
防人仁成に視線を向けるとソウヤ君達に頭をワシャワシャされていた。よく見れば四人の中で背丈も小さく、おそらく年下なのだろう。
まあ、倫さんを除けばですが。
彼女の身長は私に似てしまったらしく、他の三人に比べるとかなり低く、150cmあるかどうかというサイズ感です。私とほぼ同じ背丈ですね。
「賛、ムーンフェイスのラボは此方か?」
「なんで貴様は責任者なのに知らんのだ」
「生憎と此処はおじいちゃんズの土地だ。俺の敷地とは立地も条件も違うからな、あと仏頂面も程々にしておけよ、小皺が増えるぞ」
「は?殺すぞ貴様」
バルキリースカートを展開する津村斗貴子と飄々とした態度で笑うばかりで気にも留めていないお坊っちゃまの代わりに「津村さん、この先に休憩所もありますので落ち着きましょう」と話し掛け、彼女も深呼吸して頷いてくれました。
「しかし、戦士長の息子か」
「変身してましたよ」
「……親子揃って暑苦しいわけだな」
「そうでございますね。でも、未来からの来訪者が来るというのは中々に面白く、その未来を想って駆けていけるのは良いことです」
フンスと胸を張る私に「……たまに良いことを言うよな、糸色」と呟きつつ、津村斗貴子は武藤カズキの近くに寄っていき、二人で話し始めます。
仲良しは良いことです。
まあ、倫さんが結婚したら義母同士で仲良くしていけると嬉しいですけど。やはり、その素敵な未来を迎えるためにも決着はつけておきたいです。
「賛、早くしないと置いて行くぞ」
「フフ、直ぐに参ります」
私に手を差し出すお坊っちゃまの手を取り、しっかりと彼の手を握り締めて歩く。こうしていると、昔の事を思い出します。
まだお坊っちゃまが病気を患う前、一緒にお散歩したりお坊っちゃまの蝶採集に付き添ったりしていましたね。……まあ、山の中では虫に怖がって余り役立ててはいませんでしたけど。
【概要用語解説】
本作の単語や転生者、その親族を解説します。
【秋葉倫】
本名「秋葉倫」。繋ぎ読み「
年齢は17歳。身長147cm。
「さよなら絶望先生」および「るろうに剣心」および「うしおととら」に登場する御三家のハイブリットな血筋を受け継ぎ、「糸色賛」と「パピヨン(蝶野攻爵)」の間に生誕した現地人。二重の極みと蛮竜は使えないものの、未来世界では最前線を突っ走っている。
自称・武藤ソウヤの恋人だが従姉妹の「火渡巧」も同じくソウヤに恋慕を抱いている。もしものときは重婚可能な国に移住する計画を企てている。過去にやって来た理由は「ムーンフェイス(アナザータイプ)の打倒」と「糸色賛に武装錬金を発動させること」。
前腕部、脚部、背部にスラスターを搭載した装甲を纏ってミサイルの推進エネルギーを攻撃力に加算し、爆発的に攻撃力を向上させる。奥の手あり。