「そもそもソウヤ達は何でムーンフェイスを倒そうとしてるんだ?」
「……アンタに話す必要はない」
ふいっと視線を逸らすソウヤ君。
なにやら名前を呼ばれる度に照れ臭そうにしているけど。まさか未来では疎遠になっているのかしら?と小首を傾げつつ、お坊っちゃまに視線を向ける。
ムーンフェイス謹製のホムンクルスもいないかと周囲を警戒していると「俺も詳しくは聞いていない。賛、立っていないで俺の隣に座って大人しくしていろ」と話すお坊っちゃまに言われ、お坊っちゃまの隣にスカートを押さえて座り、お坊っちゃまの肩に寄り添う。
「倫、自然とやったわね」
「えぇ、自然としていたわ」
倫さんと巧さんもソウヤ君の左右に座っているのに、なにやら真剣な表情で私とお坊っちゃまの事を見つめている。何か話したいことがあるのでしょうか。
「蝶野、未来からなんだよな?」
「嗚呼、ソイツらが話した通りだ。ちなみにソウヤの右腕に抱き付いているのは俺と賛の娘だが、トレーニングを怠っているのか。武装錬金ありきの戦い方だ」
「パパも武装錬金頼りじゃない!」
「倫さん、帰る前にお坊っちゃまの戦闘を纏めた資料を読んでみるのも良いですよ。きっと、未来のお坊っちゃまも楽しく語ってくれます」
「あと私の目的は二人と違うわよ。私はママに武装錬金を使って貰うようにお願いしに来たの」
「糸色が、武装錬金だと?」
そう言って私を見つめる倫さんに釣られて私に視線を移す津村斗貴子に目線を送る。私は蛮竜と二重の極みのみで構わないのですけどね。
「ちなみに賛さんの武装錬金ってなに?」
「「「衛星型エネルギー砲」」」
「だから使いたくないんです」
私は白兵戦を好んでいるのに、どうして宇宙圏内まで飛び上がる兵器を使用しないといけないんです。いや、そもそもサテライトキャノンなんていう武装錬金を使いたくないだけですけれど。
「お前、地球が嫌いなのか?」
「いえ、どちからと言えば好きでございます。まあ、使うときは奈落の殲滅するときでしょうが、その時は蛮竜で倒します」
私の言葉に文句を言おうとする倫さんの口にサンドイッチを差し込み、余り文句を言うと未来まで記憶に留めておくことになります。
「糸色、お前が何を使おうと勝つのは私だ」
「ご冗談を。勝つのは私ですよ、津村さん」
偉そうに啖呵を切る津村斗貴子ににっこりと微笑んであげるとお坊っちゃまを残して、五人が後ずさって私達の事を怯えたように見つめます。
……失礼な人達ですね。