「ママ、今こそ使うときよ!」
「ここは地下ですよ?」
「デカさで潰せるわ!!」
私達も一緒に潰れているのでは?と思いながらも未来の娘の真摯なお願い事を無下にし続けるのは流石に可哀想なのでマスター・バタフライ様に頂いた核鉄を取り出し、ゆっくりと右手を突き出して構える。
「武装錬金、でしたよね?」
そう言った瞬間、核鉄は形状を作り替え始める。
本当に衛星みたいに大きなものが出来上がり、どうしたものかと考えるよりも使い方が頭の中にダイレクトに流れ込んできた。
成る程、武装錬金とはこういうものなのですね。
「……掃射せよ!!」
私の叫び声と同時に武藤カズキとソウヤ君の武装錬金の発するエネルギー光を花びらの如く展開したパネルが受け止め、砲身に絶大なエネルギーを集束していき、カオンッ…!と全身にビリビリと響く砲撃音に言い知れないほの暗い高揚感が募ります。
しかし、これは焼き溶かしていますね。
「お坊っちゃま、生きてますか?」
「今のは蝶・サイコーだったぞ!しかし、合言葉か専用の合図を用意していないと俺まで巻き込んでしまう可能性もあるな」
「倫のバカ!バカ!バカ!」
「ひぃんっ!叩かないでぇ!」
巧さんに頭をベチベチと叩かれている倫さんを助けに行こうかと思いつつ、津村斗貴子を見ると武藤カズキ、ソウヤ君、防人仁成の三人が下半身だけ残して地面に突き刺さっていました。
いぬ、いぬ、なんでしたっけ?
ウンウンと唸るように腕を組んで小首を傾げつつ、地面から飛び出してきたムーンフェイスの頭を踏みつけると同時に二重の極みを撃って頭部を砕き、無事に生き残った現状を良かったと考えるべきですね。
「賛、武装錬金は仕舞っておけ」
「畏まりました」
衛星型エネルギー砲のサテライトキャノンを核鉄に戻す。ほの暗い高揚感は、あの一度きりで構いません。やはり私には蛮竜と二重の極みがあればいいです。
「しかし、武藤達は衝撃で気絶しているのか」
「あの衝撃に耐える事こそ異常ですけどね」
「お前も耐えているのに、それを言うのか」
そうは言われましても「私は他の人達と鍛え方が違いますし、何より血筋的に考えるとかなり特殊な方なのではないでしょうか?」とお坊っちゃまに聞き返すと「お前は自分の祖先を何だと思っているんだ?」と言われてしまった。
改めて問われますと謎ですね。
「まあ、いずれ俺も加わるわけだが」
「そうですね」
未だに巧さんに怒られている倫さんを眺めながら私とお坊っちゃまは笑ってしまいます。未来のためにも、ムーンフェイスと奈落だけは絶対に私達の時代で倒さなくてはいけません。