ムーンフェイスの使用している研究所を進んでいると怪しげな機械類を見つけ、お坊っちゃまと津村斗貴子が調べに向かった瞬間、二人と私達を隔てるようにエネルギー状のバリアが展開されました。
『ム~ン!その先に進むことは許さないよ、パピヨンと錬金の戦士が一人ずつなら来ても良いけど。それ以外のパワータイプは帰ってくれ』
「チッ。分断するための作戦か、カズキとソウヤ達は別ルートを探して合流してくれ、私とパピヨンは向こう側を調べて情報を出来るだけ引き出す」
「俺を使うつもりか。良いだろう、賛と武藤達は無駄な事は考えずにムーンフェイスを目指して走っていけばいい、時期に追い付く」
「分かった。行こう、みんな!」
「畏まりました。お気を付けて下さいませ」
武藤カズキと倫さん達の後ろを追うように走り出す瞬間、僅かにお坊っちゃまの悪どくて悪いことを思い付いた笑顔に苦笑してしまいます。
今すぐ蛮竜を呼び寄せようかと考え、直ぐに思考を切り替えた刹那、人工ホムンクルスが現れ、四肢と横隔膜を利用した五撃同時の二重の極みを撃つ。
「ママ、二重の極みって口でも撃てるの?」
「横隔膜を鍛えていれば可能です。こうやって舌を動かしてキスと同時に使えますけど、痛いのでオススメはしませんよ」
「斗貴子さんに試そうかと思ってたのに!?」
「武藤君、恋人は大事にするべきです」
「宇宙一大事だよ!」
その言葉にソウヤ君はむず痒そうに頬を染める。
過去とはいえど両親の惚気を聴くのは彼には難易度の高い行為のようですね。まあ、その両親と再従姉妹の私とお坊っちゃまは本来なら敵対関係という事実を伝えたいというダメな気持ちはありますけど。
そう思った私を狙って人工ホムンクルスが地面や壁を破壊して訪れ、両手に力を込めて武藤カズキのサンライトハートのエネルギー光の横に並ぶ。
「賛さん、突っ切るぞ!」
「承知致しました!」
「私達も行くわよ!」
私達の突撃に倫さん達も合わせて飛び上がり、ソウヤ君は槍を突き出して、巧さんは未だに武装錬金を起動することなく人工ホムンクルスを蹴り砕く。
お互いの死角をカバーし合えるコンビネーションの強さと結束力の高さに感心する武藤カズキの両肩に手を付いて、倒立するように飛び上がり、高祖母様の書き残し、近年で有名になった圓明流の「斧鉞」を擬似的に再現してホムンクルスの頭部を蹴り落とし、そのまま両膝を揃えてホムンクルスの背中に着地する。
「……やはり私には合いませんね」
「まあ、一族相伝みたいな流派だもんね!」
私の呟きに武藤カズキが答える。
そういうものなのでしょうか?