「ホムンクルスは全てッ……殺す!!」
「その鎖がお前を操っているのか」
荒々しく屋上の床や手摺を切り裂く剣撃を真っ向で受け止めるキャプテン・ブラボー。あの奇抜なコートとハットが彼の武装錬金であり、おそらく特性は金属硬化の一種と見るべきですね。
しかし、如何に攻撃を重ねようと西洋大剣では、あの重厚な装甲を砕く事は不可能でしょう。
尤も私の二重の極みと彼のコートは相性は良く、二度の衝撃を撃つ、この左右の拳であれば確実に彼の絶対防御を打ち砕ける。───ですが、あの鍛え上げた肉体の強さ、打ち砕いたとして勝てるかは五分か、あるいは此方が不利ではありますね
「殺す!殺ォすッ!!」
「……章印、やはりホムンクルスにされてしまったか。ならば戦友として、誰かを傷付ける前にお前を倒す。さらばだ、戦士・真希士!」
その言葉と共に繰り出された右の正拳突きが左胸の上に浮かんでいた章印を撃ち抜き、彼を押さえ付けるように縛り付けていた鎖状の何かは消滅し、武装錬金の解除された大柄の男性が現れる。
「……ゴブッ、ご迷惑を゛ッ………お掛けしました。……ですが戦士長のおかげで人を襲い、喰らう前に人として死ぬことが出来ます」
「嗚呼、お前の命と意志は俺が連れて行こう。今は安らかに眠れ、戦友よ」
ゆっくりと塵となって消える男性の灰を握り締め、静かに空を見上げるキャプテンブラボーに何か言葉を掛けるべきなのかと戸惑い、お坊っちゃまに視線を向ける。
お坊っちゃまも何か思うところがあるのか。
静かに塵となって消えた彼の事を見上げ、ゆっくりとキャプテンブラボーの隣まで歩き出していき、そのまま磨りガラスの出入り口まで向かい、動きを止める。
「蝶野、お前との決着は必ずつける!」
「少し元気な声になったな。まあ、俺もお前との決着をつける事には賛成だ。俺はお前を倒さねば俺の心は空高く羽撃けない」
「津村さん、寄宿舎での一件。────あの時は貴女が本調子ではありませんでしたから、次こそ決着をつけましょうね」
「お前に心配されたところで嬉しくもない。だが、言われるまでもなくホムンクルスは全て殺す。パピヨンに与するお前も例外無く殺してやる」
そう言って私達は屋上のドアを閉め、ゆっくりと階段を降りる。私の最優先はお坊っちゃま、他の物事などどうでもいい。
「あの
「いいえ。これはお坊っちゃまを危険に晒してしまった私が着けるべき事です。なにより、津村さんはお坊っちゃまに害を成す危険性は高いと判断しました」
「フン。まだ俺を守っているつもりか?」
「私はお坊っちゃまのメイドです。貴方様の事を第一に考えるのは当然の権利です」
そう主張する私を笑うお坊っちゃまに首を傾げつつ、キャプテンブラボーの戦友を手に掛けた悲しみと戦友を失った辛さも分かる。あの日、あの夜、私もお坊っちゃまを失い掛けましたから。