銀成高校の寄宿舎、その広間の座布団に正座する私の太股に頭を乗せて、不遜な態度で武藤カズキと津村斗貴子と向かい合うお坊っちゃまの頭を優しく撫でてあげる。
津村斗貴子は顔を赤く染めて怒っているようにも照れているようにも見えます。私は津村斗貴子のそういうところも可愛いと思いますよ。
「斗貴子さん、オレもしてほしい」
「ばっ、バカを言うな!?こんな人目のつくところで、あんなこと出来るかぁ!」
「ホウ。人目が無ければ出来るのか」
「お坊っちゃま、ダメですよ」
ペチンとお坊っちゃまの頬っぺたに手のひらを当てつつ、余り宜しくないことを呟くお坊っちゃまの事を叱りながら強引に膝枕に移行した武藤カズキを見つめる。
グッ!と親指を突き立ててきた。
ピコピコと動かさないだけ、まともですね。あそこからピコピコと親指を動かしたら、とても悪いイメージというか恥ずかしい気持ちになりますし。
「コホン、話を戻すぞ。糸色も私達と同じく奈落に関わる者に襲われた、そういうことだな」
「はい。おそらくニュートンアップル女学院に帰った奇のところにも向かっている可能性もありますが、あの子の傍には火渡戦士長も着いています」
「……やはり、糸色の血筋を狙っているのか」
「その答えはNOだと思います。奈落の目的は蛮竜を使える強さと蛮竜の認める遣い手だけ。そうでなければ他の親戚のところにも向かっている筈です」
津村斗貴子の仮説を肯定してしまうとまひろさんも奈落の標的になるということです。それだけは絶対にあってはいけないこと。
あの子は武藤カズキにとって平和の象徴であり、もしも傷付いてしまえばお坊っちゃま達の完成させた白い核鉄で中和している黒い核鉄が今度こそ完全に目覚めてしまうことになる。
それだけは絶対に阻止しなければいけません。
「……お坊っちゃま、太股を撫でないで下さい」
「カズキも対抗して撫でるなっ!」
「「魅力的な脚が悪い」」
やはりお坊っちゃま達は破廉恥です。
「全く、お前も苦労しているな」
「津村さんも大変でございますね」
「まるで俺達が悪いみたいな言い草だな。蝶・ショックだからこのままふて寝としよう!」
「オレも寝る!何を隠そう、オレは早寝の達人だ!」
素早くアイマスクにチェンジしたお坊っちゃまに毛布を掛け、津村斗貴子にも毛布を差し出すと「お前もそっち側に行ったらツッコミが追い付かないだろう!?」と文句を言われてしまいました。
まあ、お眠りなら起きるまで待てば良いのです。