奈落の襲撃と気配を感じることなく3日ほど経過し、お坊っちゃまの作っていく白い核鉄の予備を磨き、しっかりとシリアルナンバー順に保管する。
やはり、こういう細かい作業は楽しいです。
しかも汚れを拭いたらコーティング材を使って、また新しく綺麗に整えるという循環を繰り返し、私はとても楽しく掃除を続けることが出来る。
もっともお坊っちゃまが作れば作るほどに作業する時間や範囲も広がり、私の仕事は増えてしまうのですが、それはそれでお坊っちゃまに物のように扱われているみたいでドキドキしてしまいます。
「賛、何か変な事を考えなかったか?」
「いいえ。私は掃除しているだけですよ?」
「ムッ。そうか、すまない」
「お坊っちゃまも徹夜作業お疲れ様でっ!?」
仄かに香る湯上がりの匂いに後ろに振り返るとバスタオルを首に掛けたまま裸で廊下を歩いていくお坊っちゃまを目撃してしまった。
何故、桶を股間部位に装着して、いや、それよりも湯上がりに肌を晒すなんてホムンクルスになっても吐血し、激痛を伴っているというのに、何故!?
…………一旦、落ち着きましょう。
よくあることです。
「お坊っちゃま、下着は着てくださいね」
「少し湯冷めを楽しむ」
「さ、左様ですか」
お坊っちゃまのことは大好きですし、愛していますけど。まさか裸で家の中を徘徊するようになるなんて想像もしていませんでした。
武藤カズキも対抗して裸ということはないですね。あちらは寄宿舎ですから、それに津村斗貴子はあの様な行為を許すとは思えません。
「(私って変態さんが好きなのかな……)」
ちょっと自分の殿方を見定める観察眼に不安を抱きつつ、どうしようかと白い核鉄を磨く手を止め、ぼんやりと考え込んでしまう。
ここは、やはり注意するべき……。
ハッ、まさかこれも奈落の考えた私の隙を作り出す作戦なのでは!?そうです、そうでなければお坊っちゃまがあのようなことをするわけがありませんからね。
「そうです、そうに違いありません」
そうと決まれば奈落を倒すために奈落を追わなければいけはいですね。しかし、どうやれば奈落の居場所を突き止めることが出来るのかしら?
「何処かに行くのか?」
「ちょっと奈落を滅してきます」
「……お前、なんで茹で蛸になっているんだ?」
「お坊っちゃまのせいでございます!」
「蝶・セクシャルなのは認めるが見慣れているだろう」
そういうことではないのです!
「あと見慣れていません!」
「新事実に俺はどうすればいい?」
それも知りませんよ、お坊っちゃまの破廉恥!