「ヴィクター化に似た現象か?!」
「いや、アレは蛮竜の起こす変化だそうだ」
私の身体の変化について話すお坊っちゃまと津村斗貴子の二人の言葉を聞き流して、ゆっくりと目の前に立つ巨大な男に向かって駆け出す。
お婆様の金剛槍破よりも範囲や規模は大きく金剛石の大きさも違う技を蛮竜で薙ぎ払い、弾き飛ばし、私の後ろに立つ三人を金剛石の槍から守りつつ間合いを詰め、彼が二度目の金剛槍破を放つ前に蛮竜を振り抜き、力任せに彼の右腕に叩き付ける。
「ホウ。魍魎丸の金剛槍破を防ぐか」
真っ白な少年が男の肩に立つ。
もうりょうまる。おそらく魑魅魍魎の「魍魎」の部分を名前として使っているのでしょうが、何とも古風で恐ろしい名前ですね。
「……貴方も戦いに加わるのですか?」
「いや、わしは加わらん。薙刀も無いからな、魍魎丸。お前の全ての技を女に見せてやれ」
そう言うと真っ白な少年は名乗ることもせず、木々の間に飛び移り、太い枝に腰かけて私と魍魎丸の戦いを観戦する様に見下ろしてくる。
「(二人で襲えば勝機は増すのに、なぜ?)」
そう考える間もなく触手と金剛槍破を織り混ぜた攻撃を多段的に放ってきた魍魎丸の両腕を蛮竜を切り裂き、石突の月牙を喉に突き立てて青白い雷撃を放つ。
焼き焦げる肉の臭いが漂うよりも直ぐに彼の身体は再生し、私の身体を貫くために金剛槍破ではなく。シンプルな金剛石の腕を振るってパンチを打って、鎌や釣り針のように曲がった触手が私の背後に飛ぶ。
「お坊っちゃまっ!」
「大丈夫!オレも行ける!」
そちらに行きます。
私がそう叫ぶ前に
しかし、高熱を帯びた赤銅色の肌ではなく人間の健康的な肌色のまま、武藤カズキの、彼の髪の毛だけが蛍火色に発光している。
「カズキ、それは…!?」
「よくわかんないけど。なんか出来た!」
「無鉄砲さは本当にそっくりだな」
「お坊っちゃま、酷いです。───ですが、これならば手数も十分に確保できます。武藤君、一緒にあの大男を倒しますよ!」
「OK!一緒に倒そう、賛さん!」
サンライトハートの内蔵エネルギーを放出させ、私の隣に並び立つ武藤カズキのエネルギードレインが私の力を吸い、白髪と黒髪が混同する髪色に変化し、身体を支配していた昂りが静まり、少しずつ冷静さを取り戻すことが出来るようになりました。
やはり、彼の黒い核鉄にも意味はあった。