「賛さんはアイツのアレ使えないか!」
「今の私には無理です!お婆様は結晶を操る妖怪に認められて金剛槍破を授かっただけで、私は蛮竜を使えても妖怪の方には認められていません!」
結界破りの赤い蛮竜を盾のように構えて金剛槍破を弾き、受け止め、青白い雷撃を放って魍魎丸の撃つ金剛槍破を空中で相殺する。
しかし、私の雷撃では金剛槍破を相殺するには破壊力も足りておらず、火渡戦士長の繰り出す業火によって焼き溶かす以外に金剛石の槍を完全に防御する方法はないのが今の現状です。
「ブレイズ オブ グローリーッ!!」
「周囲の事を考えなさい!義弟!」
「グッ、俺はお前が義姉とは信じねえ!」
蛮竜の熱風を利用して空気の流れを変えて振り撒かれる業火を掻き消し、魍魎丸のみに火炎を集め、触手の腕を切り裂き、武藤カズキのサンライトハートが彼の頭部を破壊するも瞬時に回復してしまう。
このまま戦い続けると先にスタミナが尽きて負けるのは私達になる。どうにか魍魎丸と白童子の二人のどちらかを倒す方法を考えなければいけない。
「斗貴子先輩ッ!武藤!此方を使え!!」
そう思っていた刹那、何度か話したことのある中村剛太がヘリコプターに搭乗したまま大量の槍や刀剣を放り投げてきた。
不味いッ、あの中には薙刀もある!?
津村斗貴子と武藤カズキ、お坊っちゃま、そして白童子までもが飛び上がって武器を奪い合う最中、白童子が一振りの薙刀を掴んだ。
「ホウ。業物が混ざっているな…」
「それはお母様の薙刀です、返しなさい!」
「いいや、わしが触れたものはわしのものだ!」
と、とんでもないジャイアニズムを宣いますね。
「女、この薙刀の銘を言え」
「……その薙刀は含牙戴角、私のお母様が振るっていた物です。生半可な妖怪では近付くだけで、その刃の放つ妖気に消し炭になるはずなのですが……」
「わしは半身なれど大妖怪だからな」
どうして、中村剛太がお母様の薙刀を持っているのかは後で問い詰めるとしてヘリコプターを操縦しているのは四乃森ですね。
一度、ここは退くべきでしょうか。
「お嬢様、お乗り下さい!」
「業物をくれた礼だ。見逃してやろう」
「……ッ、お坊っちゃま達はお先に搭乗して下さい。武藤君、貴方もです。少なくとも今の私達では彼らを倒す程の力はありません」
「チッ。ガキ共に付き合うつもりはねえぞ」
「貴方は奇を悲しませるつもりですか」
そう言うと火渡戦士長も毒島さんを抱き抱えて渋々と四乃森の操縦するヘリコプターに飛び乗り、私を残して全ての人間がこの場所を離れる。
「一人で私達を相手するつもりか?」
「いいえ、私は奈落の目的を知りたいだけです」
おそらく、この二人は奈落と敵対している。