深夜0時を迎える時刻。
お坊っちゃまと共に寄宿舎の木々に紛れ、寄宿舎の管理人を勤めるキャプテンブラボー、寄宿生の武藤カズキ、津村斗貴子の三人の持つ核鉄を狙って現れる可能性の高い離反組を待機している。
「どうやら来た様だな」
「彼方ですね」
サーモグラフィを搭載した双眼鏡を使い、異様な動きで寄宿生の外で鞭を振るう白服の男性を見つめる。おそらくあの鞭こそ武装錬金なのでしょう。
ピイィィンッ……!
「あっ…くあッ!!……」
変な音が聴こえた瞬間、私の意識が捻れるような感覚に襲われ、意識が途切れる前に顔に向かって膝蹴りを叩き込み、頭の中に流れ込んでいた嫌な音を掻き消す。……鼻血が出てしまいましたね。
「全く行動力があるのは良いが顔は止めておけ。鼻血が出ているじゃないか」
「あう、もうひわけありまっ、んぶッ!?お、お坊っちゃま、鼻血を舐めるなど汚いです!ペッ、ペッしてください!」
ハンカチを使って鼻血を押さえていたその時、ベロリとお坊っちゃまのヌルリとした舌先が私の鼻の下を舐めとり、私の鼻血を舐め取ってッ!?
「こ、こんなのは宜しくないことです!」
「こんなことで一々騒ぐな。俺はホムンクルス、人を喰らう生き物になったんだ。こうしてお前の血を舐めたところで何の害も無い」
「そ、そう言われましても……」
まだキスもしていないのに。い、いえ、私はメイドなのだからお仕えするお坊っちゃまの要望には出来得る限り御応えしなければいけないのです。
「ようやく動き始めたか」
私の乱れた乙女心など気にもせず、私の困って恥ずかしがる姿に笑みを浮かべていたお坊っちゃまの視線が寄宿舎に向かい、激しい金属の衝突する音、ガラスの砕ける音が聴こえ始める。
双眼鏡を構えて寄宿舎を見る。
キャミソールとハーフパンツ姿の津村斗貴子が武装錬金を展開し、高速でホムンクルスの身体を切り裂き、寄宿舎の外に弾き出す瞬間を捉えることに成功したけれど。私を狙った時よりも彼女の動きが鈍く感じてしまう。
「武藤と接して甘さが生まれたか」
「……いいえ。お坊っちゃま、津村さんのホムンクルスに対する殺意は武藤君と接しただけで崩れてしまうほど柔なものではありません。むしろ」
そう、むしろ彼女の殺意は────。
「
「更に高まっていると思います」
四本の