【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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金剛槍破 序

昨晩のLXE本部の年長者達にお坊っちゃまとのイチャイチャにグッドサインを受けるという羞恥な出来事もありましたが、この際なので開き直りました。

 

「む~ん。久しぶりだね」

 

「……あっ、オリジナルのムーンフェイス様ですね」

 

「アナザータイプがご迷惑を掛けたようで謝罪をしたいけれど。今の私もW(ダブル)武装錬金したアナザータイプだったりして」

 

「ジョークも過ぎますよ、全く」

 

なぜか日本庭園に似つかわしくないハンモックに寝転んでいるムーンフェイス様の半信半疑なジョークを聞き流して、月齢の全てという本を読む彼を置き、新しく購入してきた布団や衣類を物干し竿に引っ掛けていく。

 

やはりお掃除は楽しいです。

 

戦うことも好きではありますが、こうして穏やかな日々を過ごせるのはとても楽しく素敵な事です。まあ、部屋の中にサンドバッグやダンベルなど暑苦しく思える物を詰め込んでいる金城様には苦笑いですけど。

 

アレです、彼氏にして欲しくない部屋です。

 

実に暑苦しく汗臭い部屋でした。

 

「Lady、少し良いかな」

 

「はい。マスター様」

 

「どうやら日本に潜んでいるホムンクルスも妖怪同様に奈落の襲撃を受け、肉体を作り替える素材として連れ去られているらしい。元・離反組の何名かも襲撃を受けて完全に取り込まれている」

 

「私が殲滅に向かいますか?」

 

「いや、既に錬金戦団のエキスパート達を送り込んでいると大戦士長直々に連絡を受けているが、やはり奈落の脅威を甘く見ている者も一部にはいるそうだ」

 

「バカですね。自覚する強さと無自覚な弱さを把握していない者を送り込めば核鉄を捨てている様なものです。やはり、私も同行致します」

 

人間は直ぐに死んでしまいますから。

 

余り大変な物事を抱えて生きるのは辛いことです。斯く言う私もお坊っちゃまがいなければ何も言わず、何も語らず、黙々と強さを得るために蛮竜を振るう当主になっていたと思います。

 

「おじいちゃん、賛は療養中だ」

 

「なに?怪我をしているのか」

 

「いえ、怪我はしていませんが…」

 

お坊っちゃま、一体何を?

 

「これから会えなかった分の栄養を俺が取るために地下室へ向かう。防音性能の高い部屋だ、どれだけ泣いても助けは来ないだろう」

 

「なっ、え、ばっ」

 

「あの部屋はそのためだったのか。カラオケをするのかとオッペケペーを久しぶりに歌えるように調整していたのだが」

 

「では、失礼する」

 

そう言うと私を抱き上げたお坊っちゃまを見上げ、マスター・バタフライ様とムーンフェイス様に助けを求めるも親指を突き立てて、ピコピコと動かしている。

 

なんですか、それ?!

 

 

 

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