お坊っちゃま、蝶野攻爵さん。
私と生きるためにホムンクルス───蝶人パピヨンへと生まれ変わった蝶・素敵でカッコいい私のお仕えするべき御方であり、とても大好きな恋人でもあります。
あの人のためならば何でも出来てしまう、そう思えるほどに私はお坊っちゃまを愛している。
ただ、少々変態さんです。
カッコいいのに変態さんです。マスクや衣服は素敵なのにエッチな事や破廉恥な事を平然として私の恥ずかしがる姿を楽しんだりすることもある。
「(どうすればお坊っちゃまの破廉恥な事をしたがる欲求を抑えることが出来るのでしょう。もうすぐ成人を迎えるのに少しばかり不安です)」
「何か悩み事か?」
「金城様、その…お坊っちゃまのことなのですが」
「俺の事ならば俺に言えば良いだろう」
「────だそうだ。オレとしちゃ相談に乗ってやりてえが人間としての仕事を終わらせなきゃいけねえんだ。とりあえず蝶本人に文句は言っとけ」
「その通りだ。蝶・ナイスだ、金城」
ズンズンと私の目の前までやって来たお坊っちゃまの普段よりも澱んだ瞳に映る私は不安げにお坊っちゃまの事を見上げていた。
「その…お坊っちゃまにお願いがあるんです」
「なに?何だ、言ってみろ」
「お坊っちゃまにお仕置きをします」
「ムッ。されたいじゃなくか?」
「先ずはお掃除です!」
「……お仕置きなのか、それは?」
いつも掃除する身として、お坊っちゃまの研究ラボの汚さは本当にダメです。今日という今日は徹底的にお仕置きとしてお坊っちゃまにもお掃除してもらいます!
地下室ということもあって薄暗く埃や湿気もある研究ラボの自動ドアを潜り抜け、積み重なった本の山、私に隠れて間食していたインスタントラーメンの山も指差すとお坊っちゃまは顔を逸らした。
「私にラーメンが食べたいと言ってくださればお作りするのに、どうしてお坊っちゃまはインスタントラーメンをこっそりと隠れてお食べになるんですか?」
「賛、お前の麺から作るラーメンは美味い。だが、カップ麺にはカップ麺の良さがあるんだ。俺の言いたいことは分かるだろう?」
「でも添加物まみれですよ?」
「それが良いんじゃないか」
そう言って話を逸らそうとするお坊っちゃまにゴム手袋を差し出し、私と一緒に蓋、ラベル、容器など個別に分けてゴミ袋に入れるようにお伝えする。
「ちなみに半分は金城だ」
「金城様ぁ!!」
「俺じゃねえよ!ムーンフェイスだ!!」
「む~ん。私は出前派だよ」
「私は自家製だね」
私達のやり取りを盗み見ていたLXE幹部の方々にもゴム手袋を差し出そうとしたものの、一斉に逃げ出してしまった。普段や戦うときはカッコいいのに、どうして男の人はたまに子供のようになるのでしょう?