飛行を可能とする能力を使える錬金の戦士は少なく四乃森の武装錬金で飛行したとして、大人数を搭乗させる事は出来ないため、必然的に通常のヘリコプターや飛行機を利用しなければいけない。
「
「「「了解」」」
「お坊っちゃまと一緒なら何処までも」
「城攻めは二度目だな。今回は一緒に飛ぶか」
私達の事を指揮する立場に着いて頂いたキャプテン・ブラボーの言葉を肯定し、蛮竜の鞘袋を外して、いつでも使えるように構える。
左右非対称のアンバランスな見た目に変化した恐ろしい邪気と瘴気を纏う巨大な城を見据える。「彼」の思い出と能力を奪い取った奈落の狡猾さは実に不愉快です。
「ブラボー、結界を張ってるみたいだけど」
「出たな。謎の結界ワード!」
「カズキの目には何が見えているのか。私達には見えないから剛太は何かを見えるか?」
「いえ、オレには何も見えないです」
「最低限の霊力の素養が無ければ結界を見ることは出来ませんからね。問題はあの規模の結界を破るためには金剛槍破を使わなければいけないということです」
「奈落を倒す切り札を切ることになるか」
そう言って私を見下ろすキャプテン・ブラボーの言葉に頷き、金剛石の刀身に変わり始める蛮竜を下段に構えて、一日に三度使える金剛槍破の一回目を結界を破るために蛮竜を振りかぶる。
「金剛ぉ……槍破っ!!」
金剛石の槍が結界に穴を穿ち、瘴気の渦を蹴散らしていく中に私達は飛び込む。私達に続くようにお母様とお父様も妖怪城に飛び下ている。
お婆様は……あれはバイク?
あれも妖怪を退治するために作ったものなのでしょうか?と思いながら蛮竜の刀身を踏みつけ、熱風を巻き起こして衝撃を緩和し、ゆっくりと着地する。
金剛槍破を使えるのは、あと二回だけ。
必ず奈落に当てなければいけない。
「パピヨン、戦士・賛、俺達は此方だ」
「蝶野、賛さんを頼むぞ」
「愚問だな。誰にもコイツはやらん」
二人のやり取りに小首を傾げてしまう。少なくとも私はまだお坊っちゃまより強いのですが、おそらく奈落に対する警戒を強めているのでしょう。
キャプテン・ブラボーも同様に頷いています。
「行こう、斗貴子さん、剛太」
「お気を付けて、皆様」
金剛石の蛮竜を元の姿に戻して私はお坊っちゃまとキャプテン・ブラボーの事を追いかけて駆け出す。人を見下す奈落は最上階に待ち構えている筈です。