【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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魍魎丸、鎧甲の城 破

「白黒の羽なのに灰色にはならないのですか?」

 

「個別の武装錬金だ。だが、火薬を混ぜて攻撃するというアイデアは蝶・サイコーだ。賛のリクエストに答えて、この城を大爆発させてやろう!!」

 

「武藤君と津村さんが怪我するのでダメです」

 

お母様とお父様、お婆様にお爺様は普通に生き残っていそうなので問題ありませんけど。他の方々に迷惑を掛ける可能性もあるため、そういうのはダメです。

 

お坊っちゃまを諭しながら含牙戴角で迫り来る妖怪を切り裂いた瞬間、瘴気を纏った金剛槍破の攻撃を受け、後方に弾き飛ばされる。

 

「ゲホッ、魍魎丸ですね」

 

一瞬の隙を狙われた。

 

キャプテン・ブラボーにお借りしていたシルバースキンがなければ私の身体は瘴気を纏った金剛槍破によって串刺しになっていました。

 

「大丈夫か!?」

 

「大丈夫です。しかし、先程の金剛槍破は拡散して放っていました。おそらくこの先でお婆様か武藤君達は魍魎丸と戦っている可能性があります。(含牙戴角、結界を張ってくれましたね。ありがとうございます)」

 

お母様の薙刀に感謝の言葉を送りつつ、海賊服の利点を活かして少々はしたないですが、大きく足を伸びして駆け出す。執事服も検討するべきですね。

 

「俺はメイド服で良いぞ」

 

「以心伝心でございますね」

 

クスリと笑ってお坊っちゃまの手を握り締めて、倒壊した廊下を飛び越えて、先に進んでいたその時、魍魎丸の頭部が襖を突き破って現れ、彼の右肩を覆っていた鎧甲に蛮竜が突き刺さっている。

 

「逃げるだけで勝つ気はないのかい?」

 

「この死に損ないの婆がッ、儂の取り込んだ冥王獣の鎧甲を砕くなど犬夜叉でさえ不可能だったというのに人のお前に何故そんなことが出来る!」

 

「お婆ちゃんが言っていたよ。本物を知るものは偽物には騙されない。幾ら他人の物を取り込んで強くなった気でも本物の強さには敵いはしないのさ」

 

ゆっくりと人差し指を天に掲げて、こうも高祖母様のお言葉を美しく鮮やかに言い放つとは流石です、お婆様!と拍手を送ってしまう。

 

「賛、金剛槍破は返して貰ったんだね。漸く蛮竜の使い手に相応しくなってきたか」

 

「はい。ですが、冥道残月破をお返し頂くことはお母様にお許しして貰えませんでした。一体、どうすればお母様に認めて貰えますか?」

 

「儂を無視するな、貴様等ッ!!!」

 

「「うるさい、黙ってなさい」」

 

金剛槍破を放ってきた魍魎丸の攻撃を風の傷で相殺し、お婆様は引き戻した蛮竜を軽く振るい、蛮竜閃を繰り出して魍魎丸の身体を斬り砕き、一部を破壊した。

 

ぼんやりと結界に包まれた何かが見える。

 

あれは、赤ちゃん?

 

 

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