銀成高校の近所で銭湯の近くに建つ喫茶店にやって来た私達はお坊っちゃまを間に挟んで座っています。真向かいの席に座っている武藤カズキと津村斗貴子とまひろさんも交えた三人もいます。
「まひろも呼んだけど。何かあるの?」
「いえ、少し本家の騒動を伝えておこうと」
「奈落という大敵を倒した事を考慮し、私を当主を継いで貰おうとしている人も居るらしく、この際だから男の人で当主候補の第二位にランクインしている武藤君にお譲りしましょうかと思いまして」
「はいはい!私が呼ばれた理由は?」
「まひろさんを呼んだ理由も同様です。他の当主候補の方々も強くて実力は申し分ないのですが、蛮竜に認められていないのです」
「当主候補の十位に入っているまひろさんも面倒事に巻き込まれるかも知れませんから、事前に教えておくことにしました。私は辞退済みです」
そう言って同時にコーヒーを飲み、コトリとテーブルにコーヒーカップを置き、いずれ武藤君はご両親の相楽不動産を継ぐわけですし、そういうものも受け入れて貰えると助かるのです。
私達はお坊っちゃまのために生きていますので。
「私って強かったんだぁー」
「まひろちゃんが十位に?」
「真面目に教えて貰ってたもんなー」
ぽやぽやした二人の言葉に困惑する津村斗貴子。その気持ちは分かりますけど。武藤カズキとまひろさんはかなり強いんですよ。
「当主候補の一位って誰なの?」
「「一位は私です。三位は本条家のご子息ですが、彼はSP派遣業務のエースなので当主候補は始まる前に辞退しています」」
「あれ?あの人って女の人じゃなかったっけ?」
「カズキ君、本条家は神秘の塊なのです」
「彼の性別は本条なのでございます」
「そっか。じゃあ、仕方ないね」
和風男溺泉の管理業も営んでいます。
倫さんのためにお坊っちゃまを突き落とす覚悟はございますので問題はありません。きっと未来の私もそうしていたことでしょう。
二人に分かれていない私に何となく倫さんも戸惑っているようでしたので、未来の世界でも私達は私達のまま過ごしているこでしょうね。
「私が呼ばれた理由はなんだ」
「?武藤君のお嫁さんだからです」
「他意はありませんよ?ただ、糸色家の男児は十八歳の誕生日にお見合いを行い、目を合わせた相手と結婚する仕来たりもあるので、それをお伝えしたくて」
「カズキ、どういうことだ!?」
「それなら大丈夫だよ、オレは斗貴子さん以外の女の子に恋をすることは絶対にない。武藤カズキの生涯で愛するのは津村斗貴子だけだ」
うわあ、言い切りましたよ。
すごいですね、お坊っちゃまは「それでこそ俺のライバルだ。お前ならばそういうと思っていたぞ!」ととても嬉しそうに喜んでいます。