【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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お見合い騒動 序

古来より糸色家の男児は交際相手の有無も関係なく親族や親戚の選んだ相手とお見合いをする面倒臭い仕来たりがあり、今回は武藤カズキになります。

 

再従兄弟の関係上───言わずもがな、私は糸色賛ではなく正式に秋葉賛という立場のまま武藤カズキのお見合い大会を見届けることになりました。

 

そして必然的に当主候補の序列は繰り上げで武藤カズキを第一位に添えてしまったため、武藤カズキと結婚するイコール糸色本家の莫大な資金と世界各地に点在する大企業の総帥夫人という構図は完成した。

 

「「「待って、未来の旦那様ぁ~~~っ!!!」」」

 

「すみませえぇぇん!!!オレには津村斗貴子さんという素敵な恋人がいるから君達とは結婚もお付き合いも出来ないんだあぁぁぁぁっ!!!」

 

そう言ってドタドタと目隠しを身につけて銀成高校の校庭を全力疾走で駆け回っている武藤カズキ、その彼を追うのは糸色家の資産に魅了された女子生徒達、流石にまひろさんの友人はいませんね。

 

「賛姉さん、賛お姉ちゃん、お兄ちゃんは無事に一日を乗り越えることは出来るのかな?」

 

「カズキ君なら大丈夫ですよ。まあ、まひろさんと三位を除いた6名は早々に捕まってしまい、下克上や野心を抱いていた人は終わりましたね」

 

そう、糸色本家の当主候補は軒並み愛とお金に狂った乙女や男に捕まり、見事に人生のゴールへと強制連行され、まひろさんと本条君を除けば全員既婚者です。

 

良かったですね、また家系図が枝分かれします。

 

「貴様等、私の男に何をしているッ!!」

 

「斗貴子さぁん!」

 

「斗貴子お義姉ちゃんも参戦だー!」

 

「まひろさん、ガッツポーズははしたないですよ」

 

選りすぐりのバトル美少女を蹴散らし、武藤カズキのもとへと急ぐ津村斗貴子の事を密かに応援しながら、両目を閉じて手で覆い隠す武藤カズキの手を離そうとするお見合い相手の姿はエサに群がるピラニアのごとく、騒然として戦慄的な光景ですね。

 

「武藤のヤツはまだ耐えているのか?」

 

「お坊っちゃま、立って食べるのはお行儀が悪いですよ。私も見ているのなら、少しはお坊っちゃまに注意してあげてください」

 

「いつも素敵な攻爵さんのどこを責めろと?」

 

「……千理ありますね」

 

「そんなにないよ!?賛お姉ちゃん!」

 

しかし、私と私の最優先事項はお坊っちゃまと幸せに暮らすこと。そして、新たに分かったことですが、ホムンクルスも泉の呪いには掛かるそうです。

 

つまり、お坊っちゃまを男溺泉に投げ込めば私達は倫さんという素敵な子供に出会えるわけです。

 

 

 

 

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