「そうか。早坂姉弟は錬金の戦士に捕まったのだな。金城は引き続き、離反組の殲滅および核鉄回収を。パピヨン、錬金術師 糸色には彼の目覚めを守る役目を請け負って貰う。ムーンフェイス、離反組に潜り込ませたもう一人の君の様子はどうかね?」
「了解だぜ、マスター!核鉄は向こうのヤツが使っていたヤツを貰ったから俺も遅れを取ることはねえし。陣内を操った武装錬金のヤツも調べが付いた」
カチャリとティーカップを置き、ラウンドテーブルの空席の玉座の左側に腰掛け、そう次々と質問を投げ掛けてきたマスター・バタフライ様に椅子の上で胡座を掻いていた金城さんが最初に答える。
「OK。折角のパーティーだ、好きにするさ」
「畏まりました。バタフライ様」
「む~ん。それが、どうやら向こうで武装錬金を使っているみたいでね、私の分身というには完全に独立して向こう側に付いているんだよね」
私達はマスター・バタフライ様の質問に答えつつ、テーブルに並んだ食事を丁寧に食べる。
本来であれば私はお坊っちゃまの後ろに控えるべきなのですが、マスター・バタフライ様の言いつけで同じ時間、同じテーブル、お坊っちゃまと一緒に食事を食べるように心掛けています。
金城さんは意外にも洋食を好むらしく、テーブルマナーも完璧です。おそらく先程話していた陣内という方に教えて頂いたのでしょうね。
「Lady糸色、君にも核鉄を渡しておこう」
「ご厚意感謝致します。しかし、私には高祖父より授かった蛮竜と二重の極みがございますので、マスター・バタフライ様が予備としてお持ち下さいませ」
「その提案はNOだ。如何に強くとも君はまだまだ年端もいかないLadyなのだ。それにパピヨンも愛する君に傷が残っては嫌だろう?」
「ば、バタフライ様…!」
ポッと頬が熱くなる気持ちになりながらお坊っちゃまを見上げると「フン。確かにお前を傷付けていいのは俺だけだからな。ひいひいじいちゃんの折角の厚意だ、賛も回復目的で持っておけ」と言われてしまいます。
「そうですね、私はお坊っちゃまのものですから」
「そうだとも」
「前にも増してストロベリィじゃねえか!やっぱりホテぶおっ!?」
「金城、それははしたないよ。む~ん!」
ムーンフェイス様の言葉に首を傾げつつ、お坊っちゃまはニヤニヤと笑って私の事を見つめています。やはり、あのホテルに宿泊した際、私は何かをお坊っちゃまとしていたのでしょうか?
「お坊っちゃま、ソースが口許に」
「ん。すまないな」
「フフ、そこは『すまないな』じゃなくて『ありがとう』で良いのですよ」
そんなやり取りを続けながら食事会は静かに進んでいく。決戦は明朝、武藤カズキはお坊っちゃまが、津村斗貴子は私が、ムーンフェイス様とマスター・バタフライ様はキャプテン・ブラボーがお相手する事でしょうが、離反組にいるというムーンフェイス様も気掛かりです。