「行け、黒死の蝶よ!」
お坊っちゃまの意のままに形状を作り替えて、圧倒的な破壊力を有する
「無駄無駄。私の武装錬金『サテライト
その言葉の通りに後方に控えていたムーンフェイス様は30人に増殖する。
そして、またしても29人が私達に向かって攻撃を仕掛けようとしたその時、天井を突き破って
「見つけたぞ、糸色賛!」
「蝶野、どういう状況だ!」
「見れば分かるだろ。離反組の襲撃だ!」
「ならば厄介なヤツは俺が受け持つ!」
キャプテン・ブラボーの言葉を皮切りに津村斗貴子は私に、武藤カズキは何処か辛そうに顔を歪めながらもお坊っちゃまに攻撃を行い、三竦みの三つ巴の戦いを始めようとする。
「ストップです。私達と戦うよりも早く銀成高校へ行って下さい。今まさに離反組とLXE総戦力が彼処を舞台に戦争を始めている筈です」
「なッ!?」
「チッ!此方は囮か、戦士・斗貴子!戦士・カズキ!ここは俺に任せて、お前達が学校に向かえ!!」
なんだか感動的なセリフを叫ぶキャプテン・ブラボーに武藤カズキは涙を拭って津村斗貴子と共に飛び下りてきた天井を突き破っていく。
「ム~ン。三対一、いや、三十三対一かな!」
「勝手に俺と賛を巻き込むな。此処は貴様に譲ってやる、俺は武藤との決着をつけるために銀成高校に行く。賛、お前も津村斗貴子と雌雄を決する時だ!」
「畏まりました。キャプテンさん、そちらのムーンフェイス様は離反組の心身を操る武装錬金を受けた分裂体です。お好きにして頂いてかまいません」
蛮竜を担いだ私はお坊っちゃまにお姫様抱っこされながら飛翔し、武藤カズキと津村斗貴子の二人を追ってLXE本部の館を飛び出す。
しかし、あの空飛ぶ人形は可愛かったですね。
「銀成高校を包んでいるあの濃霧はひいひいじいちゃんの武装錬金か?あの時に邪魔していたのは離反組ではなく、ひいひいじいちゃんだったとはな」
「お坊っちゃま、急ぎましょう。武藤君は突撃槍の勢いを利用して加速した筈です。おそらく体力の消耗は激しいかと…」
「ならば、此方も加速するまでだ!」
私の言葉にお坊っちゃまは応えるように火薬の炸裂を強め、飛行するスピードを速め、私達は銀成高校を包み込んでいた濃霧の中に突入していく。