【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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シークレットな奴 序

海豚海岸、海水浴二日目。

 

無事に引率者のキャプテン・ブラボーも合流し、武藤カズキの「ブラボー、オレはうしおととらに会ったんだ!」という言葉に悲しみほの雄叫びを上げる。

 

「元気ですね」

 

そう私は呟きながらお坊っちゃまの選んだ比較的に布面積の多い水着を身に付け、私は砂浜で津村斗貴子の身体に日焼け止めを塗りつつ、此方を見つめる三つの視線に意識を向け、いつでも戦えるようにしています。

 

「全く、カズキの奴は何を考えているんだ」

 

「お坊っちゃまに対抗しての行為です」

 

本来、私達は敵同士なのですが。

 

こうして触れ合っている理由はお坊っちゃまが私の背中や腰、お尻から太もも、爪先まで念入りに日焼け止めを塗っていたところを武藤カズキが目撃し、お坊っちゃまに負けじと津村斗貴子に迫ったからです。

 

女の子に触れるには親密な関係で無ければいけません。いくら二人は同じ錬金の戦士であろうと津村斗貴子は女の子なんですよ?

 

漸くオイルを塗り終えた刹那、私に向かって飛んできた物体を殴り落とす。円形の武器、チャクラム……いえ、外側に付いた鋸刃状の刀身、これは丸鋸でしょうか。

 

「…アイツが来ているのか」

 

「お知り合いですか?」

 

「戦士としては同期だが、かなり癖の強い女だ」

 

嫌そうに話す津村斗貴子。

 

成る程、丸鋸の飛んできた方向と動く人々の中に紛れた彼女と年齢の近い女性。該当するのは、あそこでペットボトルを傾ける彼女だけですね。

 

「アレですか?」

 

「……たまに思うが、お前やカズキの血筋は妖怪か何かと混ざっていたりするのか?」

 

「ただの人間です。ちょっと世界を救ったり、また世界を救ったり、妖怪大戦に混ざったり、サーカスに紛れたり、何故か神様と戦った事以外は、何処にでもいる平凡で普通の人間です」

 

「「それはもう普通じゃない!!……あっ」」

 

私の言葉に耐えられずにやって来た津村斗貴子の同期の突っ込みを聞きつつ、彼女の事を見つめる。おそらく高祖母が書き記した書物に載っている「特異点」とは単語は、彼女の事でしょうね。

 

「……はあ、久しぶりね。斗貴子」

 

「久し振りだが、その格好は何だ?」

 

「何って、シークレットな忍者じゃんね!……で、貴女は此方側っぽくないし。多分、子孫か何かね。私は今をときめく錬金忍者、ちなみに名前は非公開よ!」

 

…………成る程、確かに癖が強い人ですね。

 

そもそも「子孫か何かね」とは、どういう意味なのかも分かりませんね。やはり、高祖母に関わる血筋の方が、錬金の戦士になったのでしょうか?

 

 

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