核鉄を没収した彼女を連れて津村斗貴子の腰掛けるビーチパラソルに戻り、津村斗貴子に核鉄を差し出す。私は勝負は致しますが、略奪は致しません。
「なんだ、負けたのか?」
「負けたよ、負けたよぁーっ!!私の方が歳上なのにメイドちゃんに負けるとか忍者にあるまじき失態だわ、もうマスクを外すしかないわね!」
「「マスク?」」
思わず、言葉が重なる。
ビリビリと泣き顔も見せていた可愛らしかった顔を引き裂き、そこに現れたのは妙齢のレディでした。流石は忍者、ウソのウソ、更にウソを重ねていた彼女は年齢や経歴さえもウソの様ですね。
「改めて名乗るわ。私はロクロウ、気軽にロクロウお姉さんって呼んで良いわよん♪︎」
そう言って笑う錬金忍者───ではなく、ロクロウの正体に津村斗貴子は唖然とした表情を浮かべています。やはり同期と思っていた津村斗貴子にも正体を隠していたのですね。
「賛、何をしているんだ?」
「お坊っちゃま、今は少し驚きの事実に驚愕する津村さんを眺めているところです。見てください、あの心底信じられないものを見てしまった顔を」
「ふむ、蝶・バイオレンスな物を見てしまった顔をしているが何を見たんだ?」
「それは、彼方の……おや?」
ロクロウを紹介しようとしていたのに気が付けば彼女は忽然と影も形も完全に消えて無くなり、津村斗貴子に手渡していた核鉄も無くなっていた。
流石は忍者、逃げるのも速いですね。
「まあいい。賛、少し浜辺を歩くぞ」
「畏まりました」
「腕に抱きつくか?」
「……エッチなのはいけません」
そう言って私は口許まで両手を近づけ、人差し指を交差させてペケ印を作ってお坊っちゃまに伝える。こんな人の多い昼間に、殿方の腕に抱きつくなんて、はしたなくて出来るわけありません。
「あれ?蝶野達は何処か行くのか?」
「少し大人なデートにな。嗚呼、それと武藤、お前に相手して貰えなくて津村斗貴子は拗ねていたぞ。さっさと慰めてやれ」
「斗貴子さんが?よし、分かった!!」
お坊っちゃまの言葉を疑いもせずに走っていく武藤カズキの背中に視線を移す。強ち間違っている訳ではありませるから、問題はないのですが、あそこにはまだロクロウがいる可能性もあります。
「賛、お前を確保するために錬金の戦士が海岸に集結しつつあるそうだ。このまま出迎えるのも良いが、水着ではお前も満足に戦えないだろう?」
「はい、その通りでございます。───ですが、お坊っちゃまとなら如何なる場所や姿であろうと私は負けることは絶対にありません」
【概要用語解説】
本作の単語や転生者、その親族を解説します。
【
本名「秋葉賛」。繋ぎ読み「
年齢は19歳。身長154cm。
「さよなら絶望先生」および「るろうに剣心」および「うしおととら」に登場する御三家のハイブリットな血筋を受け継ぎ、生誕した現地人。幼少の頃に親戚の集会に参加した折、「蝶野攻爵」と出会う。その際に蝶のブローチと蝶のキーホルダーを交換したものの、彼女はその事を忘れている。
小学高学年の時にメイドとして蝶野家のメイドとして働き始め、現在の銀成高校3年生(二回留年)まで「蝶野攻爵」のお付きメイドを務める。信愛や友愛を越えた愛情その物を彼に捧げ、ホムンクルスと化した彼に仕える日々を過ごす。
便宜上「糸色賛」と名乗る理由は糸色家当主候補者であり、蛮竜を操る強さを兼ね備えた存在のため、祖父母や両親、高祖父母を尊敬している。
御三家「糸色家」「相楽家」「秋葉家」。