薄暗く月明かりが無ければ見えない河川敷に向かい合う蛙井と
このバス停は雨避けの小屋状になっているおかげで向こう側に見えないのは蛙井の行動を調査しているときに調べているので何一つ問題はない。
「武装錬金ッ!!」
一瞬の輝きと共に形状を作り替える核鉄。刀身は実在する
「見え見えなんだよ…なんでッ!?」
「オォオオォオッ!!!」
コモリガエルの姿に変身した蛙井は私を攻撃した時と同様にカエルの子機による不意打ちを目論んでいた様ですが、さっき私の二重の極みを背中に受けた事を完全に失念していましたね。
武藤カズキの突撃槍の強烈な突進を受け、右肩を激しく損傷し、仰向けに倒れながら背中に搭載していた子機のポッドを触った事で漸く不意打ちや多数による攻撃を行えないと理解したらしく、ガムシャラにパンチを繰り出して相手を倒そうと躍起になっている。
「まだ、だァ!!」
「倒れろよおぉぉっ!!!」
所詮は道具に頼りきった蛙井では真夜中に寄宿舎を抜け出してトレーニングしている武藤カズキの地力の差と覚悟の重さに気迫で負け、次第に戦うことに尻込みして逃げることを考え始めている。
対して、武藤カズキの動きは勝つという意思に呼応して燦々と
強い、とても強い心の意志です。
「貫けえぇぇーーーッ!!!」
「死ぬのはイヤだあぁぁっ!!」
ホムンクルスの人間を超越した存在の打撃を何度も受けて尚も立ち上がって、遂には蛙井を倒してしまった武藤カズキの姿を眺める事を止め、私は静かに誰にも聞こえないようにサーモグラフィを外す。
ゆっくりと携帯電話のボタンを押す。
1コール、2コール、通話が始まる。
『随分と始末に時間を掛けたな。そこまでアイツを嫌っていたのか?』
「申し訳ございません、お坊っちゃま。───ですが、蛙井は突撃槍の錬金の戦士が打破しました。処刑鎌の武装錬金を振るう女子生徒は依然として不明ですが、突撃槍の少年の名前と学年は判明しました」
『お前が仕事を任せるのは珍しいな。何か思うところでもあったのか?』
「…………お坊っちゃま。私、蛙は苦手なんです」
そう素直に答えるとお坊っちゃまの笑い声と吐血する音が携帯電話越しに聴こえて、スカートの裾を摘まんで最短距離を移動するために家屋の屋根を飛び移って、私はお坊っちゃまの待つ寄宿舎へと向かう。