小型化と軽量化した突撃槍を振るう武藤カズキはキャプテン・ブラボーと激突し、荒々しい攻防を繰り広げる最中、バルーンを飛ばすお姉さんに向かう津村斗貴子とエンゼル御前様、戦部と素手で渡り合う般若、忍者の方と斬り結ぶ四乃森、四匹の機械犬を操る錬金の戦士と「ごうた」と呼ばれた津村斗貴子の後輩の激闘を私とお坊っちゃまは傍観する。
「お坊っちゃま、戦わないのですか?」
「やるにしても相手がいない」
「確かに見事に別れましたね」
私も戦いたいですが、あまり派手に動くとハンカチで隠していた襟元が見えてしまいうので今はお坊っちゃまの隣で皆の戦いを眺めています。
大型の突撃槍を使っていたときより動きや戦略の幅は増えて強くなっていますが、やはり破壊力と突撃力は以前の方が強かったように感じる。
「カズキ坊っちゃん!」
「オレは大丈夫だってば!」
般若の蹴りがキャプテン・ブラボーのシルバースキンに直撃し、武藤カズキの袈裟斬りに振るう突撃槍が忍者の方と鍔迫り合い、直ぐにまた戦う相手が元に戻り、般若のパンチが日本刀を殴り飛ばす。
津村斗貴子の方は勝負ありましたね。
服を探す彼女に近付き、こんなこともあろうかと用意していたメイド服を差し出す。しっかりと下着も用意しているので問題はありません。
「なんだか不服そうですね」
「……当たり前だ。何故、私のサイズを知っている」
「裁縫する際に図りましたので元のサイズは推測して用意していたものです。メイド服は折角なので私の物をお貸しします」
「津村、ついでだ。あそこで銀コートのヤツと戦っている武藤に『頑張って下さいませ、ご主人様♥』ぐらい言ってやったらどうだ?」
「大声で頼むよ、斗貴子さん!!!!」
「出来るかァ!?!?」
「お坊っちゃま、私は出来ます」
クイクイとお坊っちゃまの服の袖を摘まんで、そう訴えると四乃森の大きな舌打ちが聴こえてきた。身の丈を越えるプロペラの羽を振るい、なにやら怒っている彼にお坊っちゃまはニヤニヤと笑みを向ける。
「賛、お手本を見せてやれ」
「がんばって、右近兄さん…!」
ここが空想の世界でしたら、きっと「きゅるるんっ」という効果音や擬音の出るように甘えた声を作って四乃森を応援した瞬間、彼の動きが加速度的にキレを増す。
「フッ、『推しのためなら頑張る』というアイツの家訓も中々に面白いものだ」
「四乃森は重圧もあるので仕方ありませんよ。さあ、津村さんも私のように応援してみましょう」
「いい加減にしないと臓物を抉るぞ貴様ら!」
武藤カズキは期待しているのに残念です。