ヴィクトリア・パワードの発動してい
「百年後、遂に揃った様だね」
「マスター・バタフライ!?」
「私は彼の父たるドクトル・バタフライだ。しかし、やはり君達は彼女達に似ている。秋葉賛は糸色景、武藤カズキは相楽左之助、二人の面影を色濃く受け継ぎ、彼女達と再会した気さえしてしまう」
その言葉に津村斗貴子と中村剛太の目付きが変わり、未だに現状に追い付いていない奇はヴィクトリア・パワードに状況を聞いている。
「どういう意味だ。貴様はこうなることが最初から分かっていたのか!?」
「津村さん、落ち着いて下さい」
「斗貴子さん、先ずは落ち着こう!」
私と武藤カズキの言葉に怒りを露にする彼女の動きは止まるものの未だにドクトル・バタフライを睨み付けている状況は変わらない。
そもそも私達も詳しい事情を知らないのです。
「かつて日本には糸色景という少女がいた、彼女は世界の全てを見通す神通力……今で言う超能力の様な能力に加えて、天才的な頭脳を持っていた」
その語り口に私と奇に視線が集まる。
私は持っていませんよ。
「しかし、その能力を存分に振るえる程に強い身体を糸色景は持ち合わせていなかった」
「ホムンクルスにでもなったか?」
「……いや、彼女は人として生きた。私やヴィクターの様に人を止めることになった者にも優しく、いつも相楽左之助という太陽の傍にいた。だが、彼女の知恵を狙うものは余りにも多かったのだ」
「まさか狙うものって…」
「その質問はYesだ。君達、錬金戦団も彼女を狙う組織の一つであり、今は火渡という男が持つ核鉄は百年前は彼女の生命を繋いでいた物だ」
「「「(あの火力は生命を繋ぐ名残り?!)」」」
ティーカップに注がれた紅茶を飲み、喉を潤したドクトル・バタフライは静かに「本当に君達は良く似ている。その意志の強さ、愛する者の為なら魂の向くままに突き進む姿は瓜二つだ」と呟いた。
「おじいちゃん、結局何が言いたい」
「昔語りは聞きたくないか。それも仕方ない、私の目的は親友の身体を人間に戻すことであり、武藤カズキの身体を人間に戻す事だ」
「治す手段は?」
「既に確保している。ただし、その前に我々は倒さねばならない敵もいる。そのためには、どうしても二人のヴィクターが必要になる」
「オレとヴィクターが?」
「敵って何者だよ」
「LXE離反組のリーダー、そして邪なる意志を持ってしまった第二の黒い核鉄だ」
「第二の、黒い核鉄…!?」
そういえば武藤カズキはヴィクターIIIと呼ばれていましたね。そうなれば必然的に二つ目の黒い核鉄は存在するということになります。
「待て、核鉄に意志だと?」
「ホムンクルス以外に妖怪もいた時代だ。強力な物体に宿ろうとする者は多く存在し、昭和の時代に起こった人類の存亡を懸けた大戦の際に、ヤツは忽然と黒い核鉄ごと消えてしまったのだよ」
つまり、三人目のヴィクターがいる?