ひいひいおばあちゃんの謎の説得力を持つ言葉を貰ってから、ひいひいおじいちゃんに鍛えられてから、少しずつだけど、確実にオレの身体は蛮竜の拒絶に耐えられるようになってきた気がする。
ただ、問題は武装錬金と同時に使えない事だ。
サンライトハートの推進力と突進力を使わないと奈落を、あの黒い核鉄を倒すことは難しい。
道場の真ん中に正座して蛮竜を見つめる。賛さんは「鼓動が聴こえる」と良く言っていたけど。オレには
「(蛮竜、お前はオレの何を試しているんだ)」
そう静かに心の中で問う。
オレの心臓代わりの核鉄を拒んでいるのかと思ったりしたけど、それだけじゃオレの事をここまで拒み続ける理由にはならないはずだ。
「(ひいひいおじいちゃんと賛さんには共通点がある。それさえ分かれば……いや、違う。もっとオレにも分かるぐらい簡単な答えがあるんだ)」
ふと蛮竜の刀身に意識が向く。
そういえば賛さんもひいひいおじいちゃんも蛮竜を使うときに刀身に触れて、何かを受け止めるように構えを取っていた。
恐る恐る、ゆっくりと手を刀身に伸ばした瞬間、青白い雷撃がオレの身体を突き抜ける。───でも、全身に感じる筈の痛みは無かった。
むしろ何かが流れ込んでくる?
「おっ。ようやく一歩目だな」
「おじいちゃん、これって?」
「ソイツは戦国と中国で暴れまわった妖刀だからな。並大抵の強さじゃ扱いきれねえ上に下手すりゃあ呑み込まれる可能性もある。柄は使い手に全力で力を与えるために一気に力を放出しやがる。だから刀身に触れて、ソイツの強さを直に教えてやるのさ」
「おじいちゃんもそうだったの?」
そうひいひいおじいちゃんに聞いてみると。
「いや?オレは力尽くで捩じ伏せた」
わー、シンプルに強者のスタンスだった。
いや、それぐらい強くないといけないんだ。青白い雷撃は拒絶じゃなくてオレに蛮竜本来のエネルギーを流し込んで強くしようとしてくれていただけ────。
蛮竜にビビっていたのはオレの方だ。
「よし!蛮竜、お前の全力受け止めてやる!」
そう言って蛮竜の柄を握った次の瞬間、オレは全身を駆け抜けていく青白い雷撃に包まれ、ドシンと道場の床に倒れ込んだ。ま、まだ、蛮竜の全力を受け止めるのに身体が追い付いてなかった。
「……カズキ、無茶と無謀はやめとけ?」
「………うっす…」
オレの上に乗っていた蛮竜を持ち上げ、苦笑いを浮かべるひいひいおじいちゃんの言葉にオレは小さく頷くことしか出来なかった。