時止めのキャロル〜かつての邪神はいま、少女となって魔をふるう〜   作:陸そうと

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19.部外者と道化

「噂は聞いてるよ〜。短期間で五等星から一等星に上がった魔術師の女の子がいるって。ここまで若いとは思わなかったけど」

 

 人畜無害————初見、穏やかな物言いからそのような印象を受けるニャンタレスだったが、キャロルには彼女のその態度がどこか引っかかった。

 まるで「自分は人畜無害である」とアピールしているかのような……とまで言うほど露骨でもないが、少なくとも本心とは別の思惑があるのではないかと想像してしまうような認識の相違がキャロルのなかで芽生えていた。

 

「聖騎士のサバト=ネフシアスだ」

「ふんふん」

 

 とりあえずサバトが口にした名乗りを聞いているのかいないのか、ニャンタレスは身を乗り出しては黙っているキャロルへと鼻先を近づける。

 

「いいねぇ、いいねぇ、かわいいねぇ。脚も、おなかも、胸も、腕も、耳も、ほっぺたもやわらかそうだねぇ、かわいいねぇ。髪も、瞳も、綺麗だねぇ。かわいいねぇ、食べちゃいたいくらい。ね、食べていい?」

()

「舐めるのは?」

「まあ……それくらいなら」

「やりぃ〜」

「よくねえわ!」

 

 弾かれるように席を立ったサバトが叫ぶ。

 キャロルへさらに顔を寄せたニャンタレスの前に慌てて割って入った彼は、困惑まみれの顔をそれぞれの少女に向けながら言った。

 

「今のなんなんだ? 怖いんだが。お前の要求もわけわかんねえけど、キャロルもなんで許しちゃったわけ?」

「減るもんじゃないかなって。舐めてもおいしくないと思うけど」

「空気読めよな〜聖騎士クン」

「えっ……俺がおかしいのか、これ……?」

 

 興醒めしたとでも言うように大きなため息をついたニャンタレスが肘をついた手の甲に頬を乗せる。

 やっぱり魔術師はわからん……と心のなかでぼやきながら、サバトは雑にカウンターへ金を置いて先ほど注文したふたり分の会計を済ませた。

 

 

「一体どうなってるんだ、この街は」

 

 店を出たあと、キャロルにまとわりつきながら前を歩くニャンタレスに疑念のこもった声でサバトが尋ねた。

 

「ラブーマンってのはこんな異界じみた文明を数年ぽっちで築けるのか? ここにいる人間はいつから住んでる? お前はいつからこの街にいるんだ?」

「ねぇねぇ、お名前なんて〜の?」

「……教えたら離れてくれる?」

「もちもち〜! ほら、お姉さんに言うてみ?」

「キャロル」

「キャロル〜! 舐めるのはいいんだっけ?」

「やっぱりなんか嫌……」

「え〜?」

「オイ‼︎」

 

 早足で前へ躍り出たサバトがニャンタレスの前に立ちはだかる。

 

「幻夢街の手がかりを見つけたってコンタクトをとってきたのはお前のほうだろ、ニャンタレス=オブリガート。こっちは遊んでる暇はないんだ。協力しないなら然るべき対処をとる」

「然るべき対処って〜?」

「聖騎士職務妨害とみなして取り締まる。具体的に言うと魔術師ライセンスの停止、三年以下の禁錮、五十万ルミナ以下の罰金などが科されることがある」

「うわっ、マジに返してきたよ」

「遊んでる暇はないと言った」

 

 やれやれと肩をすくめたニャンタレスがようやくキャロルから体を離し、再び先頭を歩き始めた。

 

「ボクだって詳しいことはわからないよ? たまたまこの街に迷い込んだだけだし」

「騎士団にお前の封書が届いたのが事の始まりだった。外部への伝達機能はどうなっている?」

「ま〜た質問増えたし。ていうか、知ってたとしても話せる内容にも限度があるんだからね? ボクだって表立ってラブーマンと敵対したいとは思わないし」

「……ここのヒトたちは、みんな外から来たの?」

 

 サバトの口から出る情報を繋げていくと、騎士団カルロッソへニャンタレスからの手紙が届き、そこに幻夢街に関する情報が記されていたことから失踪事件との関連性を見出した騎士団はサバトを派遣したという流れになる。

 そして非常時のラブーマンへの対抗手段としてキャロルを選んだのは騎士団ではなくあくまでサバトによる提案……ということだったはず。

 

 キャロルがぽつりとこぼしたのを聞いて、ニャンタレスが嬉しそうに足を止めた。

 

「なぁにキャロルちゃん、気になる? 気になっちゃう?」

「きになる」

「そっかぁ〜。キャロルちゃんが言うなら教えちゃおっかな〜」

 

 眉をひそめるサバトの存在など意に介していないかのように、ニャンタレスは右の人差し指を立てながら語り始めた。

 

「まずキミたちにとって残念なお知らせからしなきゃいけないけど、関係あるよ、ラブーマン。キミたちが追ってる失踪事件に」

「……!」

 

 心の隅で恐れていたことが事実だと断定され、焦燥にサバトの目が見開かれる。

 ニャンタレスの発言はつまり、事件の解決を目指すうえでラブーマンとの敵対は避けられないことを意味していた。

 

「ここの人間、なんか変でしょ? 馴染んでいるように見えて、よく観察してみると生きている姿がまるで板についてない。なんとなく察しはついてると思うけどさ、たぶん彼らはラブーマンが外から引きずり込んだ存在なんだよ。この街を運営するための駒としてね。……いや、お人形と言ったほうがいいのかな」

「……彼らは催眠状態にあるのか? ラブーマンに魔術をかけられて……無理やりここに連れてこられた?」

「まぁ〜そんなとこなんじゃないかな。なんでかは、ボクも知らないけどね」

 

 お気楽な調子で話すニャンタレスとは逆に、サバトは眉間にしわを寄せながら思考する。

 

 目的はわからない。だがラブーマンはどこからか人々をさらうことで「住人」として取り込み、この「幻夢街」を作り上げた。

 魔術師が大量の人間を欲するとなれば、やはり何かしらの儀式に使用する生贄の類だろうか。

 となればやはり邪神教絡みの線も強まってくる。ヤツらは邪神復活のための怪しい儀式に平気で人を犠牲にする。

 

 ……一等星級魔術師ラブーマンの正体は邪神教の幹部?

 ありえない話ではないだろう。だが引っかかるところもある。生贄はともかく、それを自分で作り上げた街で生活させる意味とは?

 

 サバトが唸っている隙を見て、遠くのほうに見える背の高い建物をぼんやりと眺めていたキャロルにすり足でニャンタレスが近づいた。

 

「さて、話も終わったことだし〜……キャロルちゃあん、ボクと遊んでかない? いい場所知ってるんだ〜」

「は? 待てオイ」

「おあ」

 

 流れるように小さな肩へ手を回そうとしたニャンタレスからキャロルを奪いつつサバトが続ける。

 キャロルは相変わらずなにを考えているのかわからない顔つきで、サバトの後ろに匿われながら街のほうを眺めていた。

 

「勝手に終わらせるな。お前のことをまだ聞いてない。お前はなんで騎士団に連絡をよこした? 見たところ世のため人のために働きますってタイプじゃないだろ。言え、なにが目的だ?」

「え〜? どうでもよくない? そんなこと〜」

「よくねえわ。マジで取り締まるぞ」

「ん〜……」

 

 不意に、ニャンタレスは妙な反応を見せた。

 困ったように鳴いて体を左右に揺らしたかと思えば楽しそうに微笑み、そのあとすぐに悲しむように眉を下げる。

 見せる感情を模索するかのように。

 

「——なんか回りくどくなっちゃったな」

 

 そして最後に見せたのは、色のない無表情だった。

 意図の汲み取れない言動にサバトが首を傾ける。

 

「…………はぁ?」

「あ〜ボクちょっと用事思い出しちゃった。ま、どうせなら楽しんでいきなね〜」

「ちょっと待て、オイ! まだ話は……!」

「あ、そうだそうだ」

 

 踵を返した矢先、後ろ歩きでまたしてもキャロルへ近づいたニャンタレスは彼女の耳元へ顔を寄せながら口にした。

 

「驚いちゃうかもしれないから、先に伝えておくね。————この街ではね、よくヒトが死ぬの」

 

 それを聞いたキャロルの瞼がかすかに閉じる。

 やはりわけのわからない言葉を残して今度こそその場を去ったニャンタレスの後ろ姿は、やけに楽しげに見えた。

 

「…………魔術師なんて変なヤツばっかりだ!」

 

 確かな怒りを孕んだ叫びがサバトの口から飛び出す。

 

「わたしが隣にいるときにそういうことを言うの、デリカシーがないと思う」

「間違ってはいないだろ」

「む……」

 

 さっきまでの会話でちゃらんぽらんな印象が残ったニャンタレスと同列に扱われたのが気に食わなかったのか、キャロルはわかりやすく不満を訴える顔になった。

 アーサーならもっと気の利いた嘆き方をしてくれるだろうな、と思わぬところで兄が恋しくなる。

 

「くそっ……なんだったんだ一体」

「……わたし、なんだか疲れちゃった。続きは明日調査するとして、今日はもう宿で休まない?」

「え? ああ……どこか具合でも悪いのか?」

「ううん、ちょっと眠いだけ……」

 

 そう言いながらキャロルはすでに小さく船を漕いでいる。

 街に入ったときには気づかなかったが、眠たげな表情のせいかサバトの目には出会った当初よりもずっとしおらしく見えた。

 

「さっき魔力をたどってヒトの流れを見ていたの。たぶん、宿はあっちのほうに固まってると思う」

「ぼうっとしてたのはそれでか」

「単純に周りの魔力にあてられたのもあるかも。この街、なんだか常におかしな魔力が漂ってて……ずーっと気を張ってなきゃいけないから」

「魔力? 俺はべつになんともないけど……」

「鈍感そうだものね、サバトくん」

「どういう意味だそれは」

「そんなことより、行こ」

 

 キャロルがおもむろにサバトの服の袖をつまみ、それを引っ張りながら歩き出す。

 サバトは戸惑いつつも、なにも言わずにその隣を歩いた。

 

(————本当、よくできた街)

 

 移動しながらキャロルは思う。

 実のところ、キャロルのなかで一連の事件に関する真相の仮説は組み上がりつつあった。だが同時に、それが真実であるとは考えたくはなかった。

 もしキャロルの仮説が的中してしまった場合、それは考えうる限り最悪の結末になるだろうから。

 

 だから、考えたくはなかった。想像したくなかった。

 嫌な気分にはなりたくなかったから。

 

 

 

 

 空を貫く勢いで伸びている高層建造物のなかには宿らしき建物もあり、キャロルとサバトは適当にそのひとつを選んで入った。

 フロントで受付を済ませると三十階という聞いたこともない高さの部屋を言い渡され、首を傾げたまま王都でもあまり見ることのない上下に移動する便利な箱に乗ってそこを目指す。

 

「わあ」

 

 長い廊下を抜けて部屋へ入ると、奥の窓はガラス張りになっていて眼下には先ほどまで自分たちがいた街の風景がよく見えた。

 そのすぐ横には綺麗に整えられたツインベッドが並んでいる。

 

 ちなみに言うと一等星級魔術師であるキャロルには任務中聖騎士の監視が常に必要になるため、ふたりで同じ部屋を借りた。

 実際にキャロルが妙な行動を起こしたとして自分が敵う相手ではないため、今回の組み合わせに限っては意味のない決め事だとサバトはどこか悲観的に語ったが。

 

「ベッドが普段ふたりで使ってるものより大きくて、ふかふか。ぜんぜん軋まないし……すごい!」

「ふたりでって……ひとつのベッドを?」

「ベッドはふたつあるの。ひとつはデビルーナが使ってて……もうひとつは、クーちゃんの強い希望でわたしと兼用」

「またクーちゃんか。本当にネコの類じゃないだろうなそれ」

「かわいいという点で言えば、同じかも」

 

 ベルスーズ家にいた頃に食べたシフォンケーキを思い出す沈むような弾力を堪能して、キャロルはしばらくうつ伏せの状態で瞼を閉じていた。

 

「あのニャンタレスとかいう魔術師……まだ信用しないほうがいいな。ラブーマンの手先ってこともあるかもしれない」

「それは同感だけど……サバトくん、魔術師に対する警戒心はある割に、わたしに対してはずっと優しいね」

「だから、べつに普通だろ。最初に話した通り、魔術師のなかで言えば多少親しみやすい気がしただけだ。実際、こうして話してる分にはただの小生意気なガキって感じだしな」

「わたしもサバトくんの印象ははじめとあんまり変わってないよ。真面目だけどちょっと卑屈なところとか、ヒトらしくていいと思う」

「…………否定はしない」

 

 キャロルが発したなかのどの言葉に反応したのかわからないが、サバトは隣のベッドに腰を下ろすと自分を守るように腕を組んで小さく俯いてしまった。

 しんとした空気が流れたところで、キャロルはゆっくりと上体を起こしながら言った。

 

「……ごめん」

「あ? なにが」

「なにか、傷つくことを言った気がしたから」

「なんだ急に気持ち悪い……」

「からかうのは好きだけど、良くしてくれるヒトが本当に傷つくのは嫌だから」

「そんな突然仲間意識を持たれても困るけど……大げさだ。俺が勝手にしけてるだけだよ」

 

 これでこの話は終わりだと切り上げるように、サバトは背後のベッドへ体を放り投げてキャロルとは反対方向に寝返りを打つ。

 

「ひとつ言い訳をするなら、俺はべつに卑屈なんじゃない」

 

 キャロルに背中を向けたまま、サバトは平淡な声で言った。

 

「俺が俺を評価するとき、なにも知らない他人から見たら自分を低く見積もっているように感じるかもしれないけど……『そんなことはない』と言ってくれるかもしれないけど、それはちがうんだ。俺が出来損ないであることは火を見るより明らかで、過小評価なんかじゃ絶対にない。俺は他の聖騎士みたいに誰かを安心させるほどの力もない、弱い人間だからな」

 

 それだけ言ってサバトは黙り込んでしまった。

 その胸焼けするほどの卑屈さの源泉がいったいどこにあるのか詳しく聞きたいところではあるが、見るからに心に壁を張っている彼に追い討ちをかけるのも気が引けたので、キャロルは別の言葉を探した。

 

「そっか……サバトくんにとって大切なのは、聖騎士としての戦闘能力なんだね」

「…………」

「たしかにサバトくんが宿す魔力はもやしみたいに弱々しいし、なんでそれで聖騎士になろうと思ったのかなってくらい頼りないけど」

「お前俺を泣かせたいのか?」

「でも」

 

 半目で振り返ってきたサバトの瞳を視線で射抜きながら、キャロルは続けた。

 

「最初に事務所に来たときも、さっきの話も…………わたしのことを親しみやすいって、そんなふうに考えてくれたことが、すごく嬉しかった」

 

 思いがけない返答に目を丸くさせるサバト。

 そんな彼に構わず、キャロルはあくまで落ち着いた表情のまま続ける。

 

「こんなことを言ったら変に思われるかもしれないけど、わたし……他のヒトとは、ちょっとズレたところがあるの」

「ああ、まあ……そうだろうな」

「えっ、やっぱわかっちゃう……?」

「半裸で客人を迎え入れるヤツがまともなわけないだろ。……って、ああもうっ、いいんだよその話は……ッ!」

「サバトくんが言ったんじゃない」

 

 雑念を払うように腕で虚空をかき乱したサバトを横目に、キャロルは小さくこぼす。

 

「……わたしはヒトのことがまだよくわからないけど、もっと理解したいと思ってる。だから事務所に舞い込んでくる依頼は手の届く範囲でこなそうと決めてるし、わたしを頼ってくれるヒトがいるなら応えたいとも思う。そういう些細な繋がりから世界は広がっていくと思うから」

 

 以前巻き込まれた事件————そこで対峙したロイド=バハト=クルトルフとの戦いで掴んだヒトとしての快楽。その核心に迫るには、よりヒトとしての純度を上げる必要があるとキャロルは考えていた。

 

 自分はヒトであると自覚し、ヒトとして暮らすことに重きを置いたキャロルは、手探りながらも「人間」であろうと努めた。すべてはその先にある真の「自由」のために。

 

 だが……キャロルを同類と認め、ヒトとして認識してくれる第三者の観測を得たことは一度もなかった。

 

 クラウディアやデビルーナのような普段から近くにいる人間には務まらない。客観的に自分を捉えて評価を下してくれる存在を欲していた。

 そんなところにやって来たのがサバトだ。

 

「あなたはわたしに歩み寄り、分かろうとしてくれた。それだけでわたしは嬉しかった。あなたがわたしの心を知るはずもないけど、それでもこれまで追いかけてきた世界がようやく振り向いてくれた気がしたの」

「……依頼をあっさり引き受けたのも、それが理由か?」

「うん。あの瞬間にあなたは————()()()()()()()()()()()()()()()()

「なんだよ、それ」

 

 ぺたん、とベッドに座りながら微笑を浮かべるキャロルが、過去にサバトが遭遇した銀色の少女と重なる。

 羨ましいくらい圧倒的な魔力の層。

 自分よりもはるかに優れている少女が謝意を示すように穏やかな眼差しを向けている光景を見て、サバトは妙に浮ついた気持ちになった。

 

 熱を帯びてきた顔を隠すように、再びサバトは反対へ寝返りを打つ。

 

「……明日に障る。もう寝るぞ、俺は」

「あ……わたしシャワー浴びたい」

「出口の横にあるはずだ、好きにしろ。…………待て、ここで脱ぐなよ?」

「あ……」

「あ、じゃねえよ! どうなってんだよお前の羞恥心はよ!」

「大丈夫、まだショーツとストッキングしか脱いでないから」

「なんでよりによって————!」

 

 サバトが嘆いた刹那、わずかに鼓膜を揺らした騒音を察知したキャロルが動きを止める。

 裸足のまま弾かれるように窓際へ駆け寄ったキャロルは、眼下にある景色のなかで揺らめく炎の色を発見した。

 

「…………街で爆発が起きたみたい」

「は? ……え⁉︎」

「わたし、ちょっと様子みてくる」

「はあっ⁉︎ ちょっ、おまっ——!」

 

 慌ててベッドから飛び跳ねたサバトが手を伸ばしたのも空しく、次の瞬間にはキャロルは魔力を走らせた全身で窓ガラスをぶち破り、地上から百メルー以上は離れている上空へと飛び出していた。

 

「石化」魔術を使いながら移動しているのか、瞬く間にその姿は夜闇のなかへ点となって消えていく。

 

「————馬鹿野郎おおおおおおッ‼︎ パンツはけえええええええええええええ‼︎」

 

 乱雑に脱ぎ捨てられた布たちがベッド上にあることに気づき、サバトは喉が張り裂けんばかりの怒号を夜空に轟かせた。

 

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