囚人たちのズボラ飯!   作:時計台のカワウソ丸

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果たしてこれはずぼら飯なのかと思っている今日この頃です。どちらかと言うと夜食じゃないかな?

えっ? こんなもん書いているならユーリちゃんのほう書け? それはそうなんだけどもちょっと展開に納得がいかなくてぇ、

あとpixivにも移植しようと思ってるけどどうすれば良いんやろ?


二話 卵かけご飯

良秀のママムーブ、箸

今僕の目の前にあるのは生卵とお米と右手に握られた箸、そして

 

「違うシン。箸はこう使うんだ」

 

良秀さんがいる。 

……どうしてこうなった。

 

この前 ファウストさんが僕たちに出されたあのブロックが10日ぶりに配られた。水はコップ二杯配られたがそれでもムルソーさん以外の皆がうげぇとなっている。

その中ロージャさんがファウストさんに、文句をつける。

 

「ねぇ〜、ちょっとファウ〜! またこれぇ?」

「ロージャさん、またと言われましてもまだ二回目で10日ぶりですが」

「そういう話はしてないの! こんな物を何度も食べたら病気になっちゃう」

 

ファウストさんはむっとした顔つきで

 

「……栄養価は完璧ですが」

「そういう話じゃないの! 気が滅入っちゃうって言ってるの。もっとこう……味とか、満腹感とか、なんか、もうちょっと何とかならないの? ファウストぉ〜〜」

「携帯性、保存性などを考えるとこれが最適です」

 

皆が渋々と言った様子で食べ始める、イシュメールさんとかは「これなら人魚の鰭のジャーキーの方がマシですね」とか言っている。こんな物、カロンとか「もうこれ食べたくない」とか文句言ってヴェルギリウスさんがコレをもう出さないようにとかならないだろうか、

そう思いカロンの方をチラッと見る。

 

「カロン、よく噛むんだぞ」

 

ヴェルギリウスさんに見守られながらハムハムパンパンのハムもチーズもレタスもぎっしり詰まったサンドイッチを、カロンは小さな口でモッモッと食べていた。

 

理不尽である。

 

そして、今日も寝れなかった。

時計の針は深夜二時を示していた。身体に悪いのは分かっているけど、眠れないのは眠れないのだ。そう自分に言い訳をし、寝巻きで給湯室に向かうと

 

「あれ? 電気ついてる」

 

珍しい。誰がいるのだろうか? それか誰かの電気消し忘れだろうか、僕がそっと覗こうとすると、

 

「おい、シン。壁越しでウジウジするな、入るならさっさと入れ」

「えっ、わ、わかりました」

 

中から良秀さんの声が聞こえてきた。

この人、足音で人を判別したのか、それも壁越しで、

とりあえず僕は給湯室に入った。

 

中に入ると机に醤油と生卵それとお米が盛られた茶碗があった。

良秀さんは左手に卵を持っていて、

いつも持っている大太刀は机に立てかけられている。

……この人もここ使うんだ。

 

「シン、寝ないと身長伸びないぞ?」

「ば、バカにしないでくださいよ……」

 

良秀さんの格好は浴衣というのだろうか?

黒色の無地の薄い布を火のように赤い細い帯で乱雑にまとめられていた。乱雑にまとめてるせいか少し浴衣がはだけでいる

 

お米の香りに体が反応したんだろうか、腹の虫が鳴いた。

 

「あっ」

「フッ」

 

そう笑った良秀さんは椅子から立ち上がって、

 

「そこに座って少し待ってろ」

「えっはい」

 

僕は良秀さんに言われたとうりに椅子に座る。

良秀さんは棚を漁って右手にはカンナ、左手には

木の塊を持っている。

良秀さんはカンナで木の塊を薄く削り始めた。

 

「えっと良秀さん、なにをやっているんですか?」

「見、わ」

「見てわかんないから言っているんです……」

 

不思議と、良秀さんが木の塊を削るごとにいい匂いがした。部屋にはカンナの音と香りだけが充満する。

良秀さんは、削った木をご飯にかけ、そこに卵を落とし黒い液体、香り的におそらく醤油をかけた。

 

「ほら、食え」

「えっこれ食べれるんですか? この木と卵が?」

「ぷっシン、お前これか木だと思っていたのか? これは鰹節だ。食えるぞ」

 

今僕の目の前にあるのはご飯に木を削ったもの、良秀さん曰く鰹節と呼ばれるのも、それと生卵、

本当にこの鰹節が食べられるのかは不安だけどそれより生卵が不味い、サルモネラ菌がうようよしていて、生で食べたらお腹を壊し、明日僕は確実にトイレの住人になってしまう。

 

「えっと、良秀さん、せめて卵に火を入れたほうが、」

「いいから食え、大丈夫だ、腹など壊さん」

「わ、わかりましたから」

 

今、僕の目の前にあるのは二本の棒。確か箸と呼ばれるものだ。僕のいたところではこれを使う習慣がない。というか、身の回りで使える人なんてイサンさん、ホンルさん、そして目の前の良秀さんぐらいしかいないのではないだろうか.

……いやファウストさんはなんか使えそうだな。

とにかくスプーンでも貰えないだろうか。

 

「あのスプーンはないですか?」

「フッなんだお前、箸が使えないのか? いい機会だ俺が教えてやろう」

「えっいや、ですけど……」

「ほら、いいから持ってみろ」

「えっと、はい」

 

僕はとりあえず良秀さんとかの持ち方を思い出して持ってみた。

ここで冒頭に戻る。

 

「違うシン。箸はこう使うんだ」

 

そう言って良秀さんは、俺の手元に視線を落とした。

 

「親指と、人差し指と、中指でだ」

「は、はい」

 

俺は言われたとおりに箸を持ってみるけど、なぜか交差したり、ふらついたりしてうまく動かない。

 

「違う、いっかい手を出せ」

 

良秀さんが俺の右手を取った。指先が包み込まれる。

なんだか、少し緊張する。

 

「下の箸は薬指と親指で固定しろ。動かすのは上だけだ。そうだ。そこが支点になる」

「えっとこんな感じ……ですか?」

 

そう言って僕は箸を動かしてみるが、どうしても、上下の箸がうごいてしまう。僕がうまく動かせないのを見て、良秀さんはもう一度僕の右手を取った。

 

「違う、よく聞けもう一度言うぞ、下の箸は薬指と親指で固定。これは動かすな、動かすのが親指だ、いいな」

「えっとこうですか?」

「力みすぎだ、もっと力を抜け」

「は、はい」

「そうだそれでいい、だいぶ様になってきたな」

 

良秀さんの教え方はやけに手慣れていた。 前に誰かに推してたことがあったのだろうか?

 

「あっ、良秀さんできました!」

 

良秀さんのおかげで僕は不恰好ながら箸を使えるようになっていた。

 

「なかなか筋が良いじゃないか、初めてでそこまでできたら上出来だ」

 

そう言いながら、机に乗り出し子供を褒めるように僕の頭を撫でる。

 

「わっ、ちょ、ちょっと良秀さん、子供じゃないんですよ」

「ククク、さぁ次はそれで目の前の飯を食うことだな」

 

あっそうだった。僕が箸の使え方を教わったのは目の前のご飯を食べるためだった。

 

目の前のご飯に視線を落とす。

白米の上に、とろりとした黄身が光っている。そこに削りたての――鰹節

 

醤油の香りと鰹節の香ばしさが合わさって、鼻の奥をくすぐる。

こんなの絶対に変だ。生卵だし、木の削りかすみたいなやつだし、あんまり言いたく無いけど、この前の料理が「鳥達の終末がテーマか?」って言われてたし、

けど、それでも

なぜか箸を入れる指先が、勝手に動いた。

 

ぐるっとご飯と卵を混ぜる。

熱々の米に卵がとろけ、鰹節がしんなりと沈んでいく。

その見た目はどこか、ぐちゃっとしているのに、香りだけはひどく上品で、

 

理性がやめとけと言うけれど、それを無視して、一口

 

「美味しい」

 

自然とそう呟いていた。

 

鰹節の香りがまず鼻を駆け抜け、醤油の塩気と卵のまろやかさが舌に残る。

米の一粒一粒がそれらをしっかり抱えて、噛むたびに甘みが広がった。

 

気づいたら、無言で二口目を運んでいた。

良秀さんが、頬杖をし黙ってそれを見ていた。

 

「どうだ?」

「すごく、美味しいです」

「フッ、そうか」

 

どこか満足そうに笑うその顔は、夜の薄明かりの中、

いつもからは想像できないほど穏やかで、

まるで、母親みたいだった。

 

「さぁ、それ食ったらさっさと寝ろ、風邪をひかないようにな」

 

良秀さんは椅子を引き、冷蔵庫から日本酒と取り出しさっさと給湯室から出て行ってしまった。

 

僕から発する音がせず、香りしか無い部屋は少し寂しかった。

最後の一口を食べ終わった時、

 

一人手を合わせ、発する。

 

「ごちそうさまでした」




今回の食レポあるじゃないですか、あれ私の友人に書いてもらいました。お前私よりも上手いやん。悔しいわ。

評価と感想もらえると舞い上がって明日(正確には今日)の剣道中の声がデカくなるかもしれません。なります。

次は誰が来るだろう

  • 少し決まったイサン!
  • マジで決まってないファウスト!
  • 想像もつかないドンキ!
  • 見せていく圧倒的ママムーブ良秀!
  • 君どう書けば良いの? ムルソー!
  • 君はうん、ホンル!
  • 襲撃のヒースクリフ!
  • まともなイシュ!
  • 背徳感の化け物ロージャ!!
  • シンクレア単体再び!!
  • 一様ママムーブウーティス!
  • 一番の推し、だけど出ない、グレゴール!
  • カロン襲来
  • アヤ&ユーリちゃん!!!
  • 他の人!
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