~前書き~
■スピンオフ第1弾:ハンジゾエ 連載スタート!
・話数としては10話ほどを予定しております。
・今回はプロローグのため、かなり短めです。
※ご注意:文章構成の形式は関連作品【進撃の巨人~もう一人の選択~】と異なります。
↓それでは、本編へどうぞ↓
私は捨て子だった。
どこで生まれたのかはもう覚えていない。
…イヤ、忘れたかったのだろう。
本当の家族すらも__
=====
ガサゴソ……ガサゴソ…
「…こ、これで良いかしら?」
「あぁ、これだけ
「だと…いいけれど…」
母親の心配を他所に、籠の中の子どもは瞳を輝かせている。
「おかーさま、おとーさま、今度は何して遊ぶの?」
「そう…ね、隠れんぼでもしましょうか。私たちが隠れるから『もういいよ』と言うまで数を数えるの……できるかしら?」
「うん、できる!」
「それじゃあ、
「わかった!…いーーちっ……にーーいっ……さーーんっ……よーーんっ…」
父親の言うことを素直に聞いた子どもは、楽しそうに数を数え始める。
「ひゃくじゅーきゅっ……ひゃーくにじゅうっ!……もういいかーい?」
「……」
少し待ってみるも、返事はない。
「まだかな?……もういっかい数えるよー!はい、いーーちっ……にーーいっ…」
子どもはまたしばらく数え続ける。
「…ごひゃくにじゅう…ご……ごひゃくにじゅう…ろく…」
気が遠くなりそうだ__それでも、子どもは数え続ける。
「…きゅうひゃく…きゅうじゅう……きゅう……えっと、次は…」
意識が朦朧としかけた__その時。
「…次は『千』じゃ」
「だ、誰っ!?」
目を開けると、そこには白髪の老人が立っていた。
「主こそどこぞの者よ。そこで何をしておる」
「…えっとね? おかーさまに、
「わしはこの村の者じゃ。ここで生物やらの研究をしておる」
「研究!? おじいさんは博士なの?」
「いや、そういった“博”は持っておらん。独自研究じゃ」
「すごいや……ねぇ、どんなものか見せて!」
「…よかろう」
子どもと老人はしばらく見つめ合った。
「…あの……できれば、降ろしてもらえないかな?」
「なんじゃ、自分で降りられんのか。まったく…どう隠れ鬼をするつもりだったのやら」
「隠れ鬼?……隠れんぼじゃなくて?」
「色んな言い方がある。じゃが……此度のはその
「ふーん、よくわかんないや…」
老人は籠が掛けられている枝に手を伸ばしながら、子どもの顔を覗き込む。
「主の“呼び名”を考えたぞ」
「え!なになに!?」
「…『ハンジ』じゃ」
「ハン…ジ?…うーん、変な名前だね」
「そうか? 今の主には
「そうなの?」
「そうじゃ」
「ふーん、ならいいや!」
籠から下ろされた子どもは、トテトテと老人の後を追う。
「そういえば、おじいさんの名前を聞いてないよ?」
「…わしは、シュタインズ・ゾエじゃ。村の者共には『ゾエ爺』と呼ばれておる」
「ゾエ爺!いい呼び名だね……名前はちょっと変だけど」
「ふっ…散々言われてきたわい」
「…それで、ここはどこなの?」
「ここか?……ここはな…」
=====
そう、これが『ゾエ爺』と『私』の出会いだった。
〜後書き〜
まずは本作品に目を通していただき、誠にありがとうございます!
原作では、その奇想天外な発想力や素早い頭の回転を武器に、調査兵団のブレーン(頭脳)として活躍したハンジ・ゾエ。
彼女の天才的な思考回路の原点に、博士のような人物に育て上げられたというエピソードがあったら面白いなと思ったのが、本作品のきっかけとなります。
著者の別作品【進撃の巨人〜もう一人の選択〜】にも関連する内容ですが、あくまで原作の『ハンジ・ゾエ』というキャラクターと向き合った上で、その“生い立ち”を想像し得る範囲内で描いております。
架空の登場人物が大半を占めますが、なるべく世界観は守るよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いします(´-ω-`)
◼︎次回予告:『#02 変人の巣窟』
◼︎おまけ
◎シュタインズ・ゾエ
・通称『ゾエ爺』
・ハンジの名付け親
・クロッツ村の長であり、研究者
◎ハンジ(Hange)の由来
ドイツ語で「吊り下げる」などの意である【Hängen】が由来という“設定”です。
※参考にした情報が古いものでして、現在進撃の公式サイトではハンジの綴りは『Hans』となっていますが、本作品では独自解釈として『Hange』のままとさせていただきます。