徒花事案報告ファイル   作:時雨オオカミ

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T-06-14 水槽の黒い影

 ◯T-06-14 水槽の黒い影

 

 ・分類①恐怖

 ・分類②未知

 

 ・発生場所◇青薔薇棟玄関ホール

 ・危険度 ◇D

 

 ・詳細

 青薔薇棟の大水槽にときおり現れる黒い影の集合体。全長10センチ程度の複数の魚影で構成されており、全体像は100センチ程度のサメ類の形態をとる。頭部には人間の目玉に酷似したものが複眼のように埋め込まれているようだ。

 

 大水槽内には本来イワシしか存在していないため、この影がどこから発生するかは不明である。

 

 魚影の発生地点は水槽内でランダムであるが、消失地点はホール側右端の岩場で固定されている。

 

 この現象は誰かが青薔薇以外の花束(十輪以上)を水槽内に落とすまで消失しない。

 

 花束を落としたものには深刻な精神汚染が発生するが、迅速に消失させなければならないため、発見次第即時花束を捧げる生徒、または教師を決定し、花束を与えた後に適切な精神ケア、汚染除去を行うことが推奨されている。

 出現時間が長くなることにより、魚影の腹部が最初の観測以来肥大し続けていることが判明している。

 

 しかし、与える花束の種類によって精神汚染の度合いが変化することが分かっているため、現状最低限の精神汚染で影響が済むアカタムケバナの花束を与えることが決められている。

 

 ・補遺

 サメの頭部らしき部分に視線を向けると、複数の視線を向けられていると感じることが分かっています。魚影の観察をしていて錯乱した生徒の話によると、サメの頭部に何十もの目玉が虫の複眼のようにひしめき合っていたとのことでした。

 この魚影には精神汚染を引き起こすため、あまり観察し続けてはいけません。

 

 特定の女性は同情的な感情を抱きやすいため、タムケバナは基本的に男性が与えることになっています。

 

 水槽内に花以外のものを投げ込んではいけません。

 魚影が発生している際に清掃に入ってはいけません。特に女性は厳禁です。魚影とともに女性も消失する可能性があります。

(普段泳ぎ慣れている男性も溺れかける事案が発生しています。魚影の発生中は影響を受けないよう、水槽内に入るのは危険です)

 

 生まれてこようとしているものを決して歓迎してはいけません。

 花束を落とす際には哀悼の意を示してください。

 

 ・補遺2

 当徒花事案の発生要因と思われる創立12年度の事件は学院事件アーカイブに保管されています。

 

 ※概要

 妊娠している女生徒が大水槽内岩場の影から溺死体となって発見された事件です。ショッキングな内容なので閲覧の際には十分に注意してください。

 

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