◯U-02-21
・分類①固有
・分類②植物
・発生場所◇神聖魔法学科内の森
・危険度 ◇C
・詳細
樹高約30メートル。幹周約5.5メートルの常緑大樹。神聖魔法学科内の森林に霧とともに発生し、日没の頃に消失する。
葉には瀕死の重傷をも癒す回復効果が存在し、幹や枝には催淫作用のある樹液が分泌されている。枝先に
通常の樹木との違いは、決して他の植物がこの樹木に取りつくことがないことである。古い大樹であるにもかかわらずツタ植物が覆っておらず、鳥類や爬虫類などの小動物も近寄らない。
通常状態では葉が生い茂っているが、花や実はつけていない。
この大樹を視認すると、存在を知らなかったものでもその葉、樹液、実などの作用をなぜか確信しており、視認した人物はこれらの素材を取得することについての欲望に駆られる。
この欲望は一人では争い難いものであり、近づくことを回避するのは困難である。
これを回避するには、そもそも霧の発生した森林内に立ち入らないことだ。
樹木に近づいたものはまるで恋をしたようにうっとりと樹木を見つめ、5メートル以内まで近づくとその場で服を全て脱ぎ去ってその巨大な幹に腕を広げて抱きつく。すると、枝が抱きついた人間の足を固定し、透明な触手のような枝を頭蓋を貫通させる。
この触手による頭蓋の貫通は、物理的な損傷や破壊は引き起こさない。
代わりに頭蓋を貫通させた透明な触手によって透明なその人物の魂が肉体から引き剥がされ、樹木の中に多数の透明な触手によって引き込まれていく。その際には魂のみの存在となった人物の表情は恍惚としており、引き摺り込まれることは本人にとって本望であるように見える。
この樹木の栄養源は魂である。
よって魂を取り込んだ樹木は成長し、五人ほど取り込むと花をつける。
花をつけた樹木は学院内のランダムな人間の夢に現れ、魅了を施して自らの元に来るように暗示をかける。
花が満開になった際になにが起こるかは不明。
通常、火炎魔法によって魅了の解除、捕獲されることなく近づくことが可能になるため、霧が発生している森林には三人一組でパトロールが行われ、消失するまで火炎魔法による攻撃が行われる。
・補遺
魂を取られて残された肉体は枝に捕獲されたまま、徐々に地面に引き摺り込まれて栄養源となります。
ただし、肉体が全て引き摺り込まれる前に発見することができれば火炎魔法で対処して回収することが可能です。
せめてお墓に骨を埋めることくらいはしてあげるため、肉体が残っていたときにはちゃんと回収してあげてください。
樹木に遺体が取り込まれる前に別の徒花事案(遺殻の竜)が遺体を盗む場合もあります。
魂を主な栄養源としているため、樹木は肉体を盗まれることに関してはかなり寛容なようです。
中略
・事案52
喜劇の夜会において満身創痍の状態で逃げ出した「異世界からの来訪者」がこれに捕獲され、異世界由来の魂が捕食されました。
肉体の回収が成功しており、内部に眠った魂が存在しているため、本来の人格を呼び覚ます試みが行われます。
※ 回収が行われる前に遺殻の竜に遺体が盗難されたため、優秀な生徒と教員十数名による遺体奪還作戦が決行されました。詳細は「遺殻の竜」の項目で確認してください。