徒花事案報告ファイル   作:時雨オオカミ

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哀れな擬似餌・クレームの多い料理

 C-01-128 哀れな擬似餌

 

 ◯ C-01-128 哀れな擬似餌

 

 ・分類①変質

 ・分類②人型

 

 ・発生場所◇位置不特定

 ・危険度 ◇D

 

 ・詳細

 あらゆる危険な徒花事案の付近に現れることのある女性の姿をした存在。

 基本的には悲鳴、うめき声などを発しており、見たものに同情を引かせる作用がある。しかし魅了効果のようなものはなく、精神に作用するほどの同情心の増幅などは起こらない。

 学科生の制服を着用した女性であり、以前在籍していた「異界からの来訪者」に姿が酷似していることから、魂を徒花事案に摂取されたことでこの学院に完全に取り込まれ、徒花事案となったものだと思われる。

 彼女を親切心で救助しようとすると、彼女を囮にして罠を張った存在により捕食、または殺害される。

 哀れな擬似餌は単体で現れることはなく、他の徒花事案の擬似餌罠として使用される際にのみ現れると推測される。

 

 ・補遺

 恐らく異界からの来訪者の末路的存在です。

 助けを求める言葉を吐くばかりでまともな意思疎通もできなくなっていますので、彼女を救うことは不可能です。

 哀れに思っても助けようなどと考えてはいけません。これは報いなのでしょうから。

 

 

 

 

 U-07-35 クレームの多い料理

 

 ◯U-07-35 クレームの多い料理

 

 ・分類①固有

 ・分類②融合

 

 ・発生場所◇神聖魔法学科 食堂

 ・危険度 ◇D

 

 ・詳細

 食堂に突然現れることのある宮廷フルコース料理。

 誰が調理したのか不明な料理だが、「人間に美味しく食べられることを目的としている」ということのみ判明済みである。

 

 この料理の出現した席に着くと、頭の中に直接男性のような声が響きだし、席に着いた人間は料理を完食することを約束させられることとなる。

 

 男性の声はただ、「俺を正しく美味しく食え」と要求するが、食事をするものがマナー違反をするとひじょうに厳しく叱責する。全ての手順をマナー通りに行わなければ、たとえ半分ほど食べ進められていても料理が復活し、食事のやり直しを要求される。

 

 料理の食べかた、順番、味わいかたなど本来マナーに含まない部分であっても声の主の執拗なこだわりによって矯正が行われるため、ほとんどの場合食事が終わる前に意識の喪失などを起こして囚われていた人物が解放される。

 

 この影響下にある人物は、この声の叱責に対して強い罪悪感を抱き、言う通りに行動しなければならないと考えてしまうため、自ら席を立たせることは不可能。

 意識の喪失をするか、料理を全て食べきると現象は終了するが、影響下にあった人物は強いストレスによる精神負荷で汚染され、しばらく食に対する恐怖心を抱き、拒食症に陥ることが多い。

 

 料理を一日放置し、食事をしなかった場合瘴気爆発を起こして消失する。その際の瘴気汚染はすぐさま浄化したとしても、その後食堂で提供される食事の味に深刻な苦味や酸味などを加えるなどの影響を発生させる。

 

 ・補遺

 フルコース料理を見かけたら教員へ通報するか、精神汚染耐性のある意思の強い人物に対処を任せてください。

 料理は一日放置すると強い瘴気汚染を周囲に撒き散らして消失し、その日の食堂の食事の味にも深刻な悪影響を与えるため、発見された場合の対処は必須事項です。

 

 この徒花事案の抱かせる罪悪感は、精神汚染と同様のものなので耐性のある人物には効きません。また、同じくらいこだわりと意思の強い人物にはあまり影響を与えることができません。

 意思が強く、声と言い争いを行い、勝利できる人物であるならば料理ははじめからやり直しになることもありません。

 ひたすら口喧嘩をしながらフルコース料理を食べている人物がいても不審者ではないので報告不要です。

 この「声」に対して勝利することのできる人物は精神汚染耐性がSの人物ばかりですので、一般学科生は決して真似をしないでください。

 

 ※ この徒花事案はフードファイターチャレンジをしたいわけではありません。誤解をしないようにしてください。

 

 ※ この徒花事案を鍋奉行、焼肉奉行のようにフルコース奉行などと馬鹿にする行いはやめましょう。次に影響下に入った人物が延々悪口を言われたことに対する愚痴を聞かされるはめになります。

 




 おまけ(ハーメルン限定)

 Q.
 「クレームの多い料理」って実際のところ美味しいんですか?

 A.
 味はそれなりのものですわね。たくさん食べても苦痛にはならない程度の味です。
 しかし、宮廷料理などと比べると味の深みが足りておりませんので、この徒花事案の元となった人間がいらっしゃるのであれば「頂点を目指していたものの辿り着けなかった」人ではないかと感じます。
 食べる側に自分本位のマナーを求めているように、頂点へと至れなかった原因は明確でしょう。
 自身の技術的価値を高めたいのであれば他者へと責任を押し付けるようなことをするべきではありませんでした。
 他責的な性根を正さない限り、この徒花事案が消失することはありえないでしょう。あれほどまでに頑固だと無理な話ではあると思いますが、多少哀れではありますね。
 食事の付き合いくらいはたまにしてあげてもよろしくてよ。摂取したカロリーは実技授業などで思いっきり発散すれば良いことですので。
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