まさかわたくしの元に孤独な遊園地のチケットが来ているだなんて、まったく思っていませんでした。
どこにあったのかしら……?
先生方も掲示板で見られたと思いますが、わたくし、マルガレーテは無事に生還いたしました。
出会ったのはかつての寮長。ミラーナ様でした。しかし、あの遊園地で出会うのは自分の心に整理をつけるための所詮幻影です。本人ではありません。本人であっていいわけがございません。
だってあのかたはまだ、わたくしの知らないどこかで、わたくしたちのことなど忘れ、幸せに暮らしているはずなのですから。
わたくし、本当はすごく寂しかったのかしら。
観覧車の下でお会いした際、ひどく取り乱してしまったことをお詫びいたします。
あのあと、ちゃんとデュークさんのおかげで立て直しましたの。
生還して保健室で念のため検査を受けているときに、あのかたが走って向かって来られて、飛びつくように抱きしめられてしまって……とても驚きました。寮長同士くらいの接点しかないと思っておりましたが……あのかた、あんなに心配なさるほどわたくしのことを思ってくださっていたのですね。
とてもはしたないのですけれど、不覚にもきゅんとしてしまいました。
衆人環境で泣かれておられたのは、その、貴族としてどうかと思うのですけれど。
ですけれど、とても心があたたかくなりました。
あのあと、わたくし彼に青い薔薇を渡されました。
元からわたくしは候補者の一人だったとはいえ、あまりお淑やかとは言えないので選ばれることはないと思っておりましたが……求婚をお受けしようと思います。
晴れてわたくしたちは婚約者となりました。
皆さんにも祝福していただいて、命の危機だと思ったらすぐにこんなに幸せな状況になってしまうだなんて、温度差がすごすぎて薔薇が萎れてしまいそうで心配ですわ。
これからも両寮長ともにこの神聖魔法学科で修練を積み、聖女と聖騎士となれるよう励んでいきます。
先生がたにはどうかお見守りいただきたく存じます。
頑張りますわ!
……
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捨てられたメモ書き
朝起きたらわたくしの日記帳が置いてあった場所に別のノートが置かれていましたの。
また悪さをするオオカミの仕業かしらと思って、ノートに名前が書いておられないようだったので少しだけ中身を拝見してしまったんです。
あの子の、アリスさんのノートでした。
しかも、先生がたに提出しない予定の秘密のノート。
ノートは悪さをするオオカミとの交換日記のようになっておりました。
はじめは返事がつくことに面白がっていた様子ですけれど、あの様子では完全に彼のことを友達だと思っているようです。
先生、わたくしは悩んでおります。
せっかく生還した命です。ダイナとともに、無事にこの学院を卒業してほしい。けれど、あの子が何度もあのオオカミに助けられているのは事実です。
信用なさってしまうのも無理はないでしょう。
友達だと思っているかたを悪く言われるのもいい気分ではないでしょう。
彼女に注意をするのは簡単ですが、そうすればますます隠すようになるでしょう。そうなれば危険があっても、そのサインが分からなくなってしまいます。記者でしたけれど、あのウサギのように可愛い子もそうでした。秘密にしていて、亡くなりました。
わたくしは言うべきなのでしょうか。
静観するべきなのでしょうか。
分かりませんの。
(メモ書きはくしゃくしゃになっている)
これの次の次の話を投稿する際ミスって予約し忘れたので一瞬最新話が表示された可能性があります。申し訳ありません。