立派なショウグンギザミ目指します!   作:ルミナリー

61 / 61
住処を見つけよう

 

ラングロトラを食べ終えたあと、俺は火山の中を歩き回っていた。

 

「うーん……。」

 

 左右を見回しながら小さく唸る。

 

「どっか住めそうな場所、ないかねぇ。」

 

 採掘で手に入れた鉱石や護石も増えてきたし、ラングロトラの甲殻まで背負って歩くのもそろそろ面倒になってきた。

 

 せっかく火山まで来たんだ。

 しばらく腰を据えられる場所くらい欲しい。

 そんなことを考えながら歩いていると、不自然に岩壁がえぐれた場所が目に入った。

 

「……お?」

 

 思わず足を止める。

 ぽっかりと口を開けた横穴。

 入口はそれほど広くないが、俺がヤドを背負ったままでも十分通れそうだ。

 

「おー、手頃じゃん。」

 

 中を覗き込み、ゆっくり奥へ進む。

 入口こそ狭かったが、中は思った以上に広い。

 

 天井には裂け目があり、そこから差し込む光が洞窟の中をほんのり照らしている。

 

 隅には灰色っぽい草が生え、その中に少しだけ緑色の草も混じっていた。

 

「へぇ……。」

 

 思わず辺りを見回す。

 

「火山なのに、こんな場所もあるんだな。」

 

 ハサミを軽く鳴らしながら一周する。

 

「これなら大型モンスターも入ってこれないだろ。」

 

 

「よし。しばらくここを拠点にするか。」

 

 ヤドを下ろし、中から鉱石や護石、ラングロトラの甲殻を一つずつ取り出して並べていく。

 荷物を出し終える頃には、ヤドもすっかり軽くなっていた。

 

「ふぅ……。」

 

 ようやく一息つき、近くに生えていた草へ腰を下ろす。

 

 

 ──ぬちゃっ。

 

「……ん?」

 

 ふと左のハサミに、何かが触れた。

 ねっとりとした、嫌な感触。

 

「うわっ! きったな!」

 

 反射的にハサミをブンブンと振り回す。

 

「うぇぇ……なんだこれ。モンスターのフンでもあったのかぁ?」

 

 だが、なかなか落ちない。

 恐る恐る近づけて見てみる。

 緑色の、ねっとりとした粘つく物質。

 

「…………。」

 

 嫌な予感が、背筋を走る。

 

 その緑の粘つく物資の色がオレンジ色に変わる

 

「……いや。」

「待て。」

「これって……。」

 

 そう呟いただ瞬間――

 ドゴォォォンッ!!

 

「ぎゃあああぁぁぁっ!!」

 

 爆風に吹き飛ばされ、岩肌を何度も転がる。

 

「いってぇぇぇ!! なんでぇ!? なんでこんなところブラキの粘菌があんだよぉぉ!!」

 

 左のハサミを押さえ、痛みにのたうち回る。

 必死にヤドを探り、回復薬を引っ張り出して傷口へぶっかける。

 

「はぁ……はぁ……。」

 

 焼けるような痛みは少しずつ引いていったが、左のハサミには細かな亀裂が入り、その隙間には緑色の粘菌がまだねっとりと入り込んでいた。

 

「ひぇぇ……これ絶対ダメなやつじゃん……。」

 

 思わず振り払おうとして、慌てて止める。

 

「いや待て……また爆発したら笑えん……。」

 

 恐る恐る、爆発した場所へ視線を向ける。

 

「てか……なんでこんなところに粘菌が……。」

 

 そう思い粘菌のあった場所に目を向けてみると、そこには一匹の生き物が横たわっていた。

 独特の濃い青色の身体。

 俺と同じくらいの大きさ。

 片方の腕は半ば砕け、いびつに歪んでいる。

 

「…………。」

 

 思考が止まる。

 

「……は?」

 

 目を疑った。

 

「まさか……。」

 

 喉が、ごくりと鳴る。

 

「ブラキディオス……!」

 

 その小さな身体を見つめたまま、思わず呟く。

 

「……の、ベイビー?」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生ラージャンぶらり旅(作者:黒木箱 末宝)(原作:モンスターハンター)

 子供の頃に読んだ漫画の影響でサバイバル技術に興味を惹かれて三十年の少し。キャンプ中の事故によりこの世を去った俺は、気がついたらラージャンに転生していた。▼ 未知の現象によって転生し、未知だが馴染みあるモンスターハンターの世界に転生した俺は、ラージャンに転生した幸福を噛み締めながら、今日も焚き火を眺めていた。▼ これはラージャンに転生した男が、チートも無しに…


総合評価:3089/評価:8.56/連載:13話/更新日時:2026年02月28日(土) 19:11 小説情報

マガメスになった元ヒトが怨嗟を慰める話(作者:バンバ)(原作:モンスターハンター)

 怨嗟を慰める。▼ 響めく悲嘆を慰める。▼ 白き虎は、悲嘆に狂う雄を、慰める。▼ 完結に伴い、匿名を解除しました。(童貞マガド)


総合評価:9197/評価:8.98/短編:8話/更新日時:2025年04月14日(月) 23:44 小説情報

レジギガスで行くアリウス生活物語(作者:強酸性のTKG)(原作:ブルーアーカイブ)

目が覚めたらレジギガスになっていた主人公がアリウスで頑張るお話▼レジワロス要素もアリ


総合評価:1603/評価:8.13/連載:20話/更新日時:2026年07月13日(月) 02:02 小説情報

デッッッッカ……グラマトンのTS少女によるブルーアーカイブ(作者:冴月冴月)(原作:ブルーアーカイブ)

 デッッッッカ!(身長が)▼ しっっっっろ!(肌が)▼ うっっっっす!(身体が)▼ なデカグラボディに転生した奴の話。


総合評価:1334/評価:8.4/短編:5話/更新日時:2026年04月25日(土) 17:10 小説情報

ガラルの悪のジムリーダー(作者:アタランテは一臨が至高)(原作:ポケットモンスター)

異世界に急に転移して困っていた所を、ラスボスに拾われて道具になるお話。▼問屋様から素晴らしい挿絵を頂きました!▼【挿絵表示】▼


総合評価:26764/評価:8.86/完結:36話/更新日時:2022年02月13日(日) 17:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>