みなさん、おはようございます。ガミザミです
あのあといろいろありすぎて疲れ、寝てしまった俺ですが、朝起きてみると、身体が妙に重いのです。
昨日の疲れが残っているのかと思ったが、それにしてもおかしい。背中に何か乗っているような、妙な圧迫感がある。
「……ん?」
身体を起こそうとする。
動かない。
「……」
もう一度、力を込める。
やっぱり動かない。
なんだこれ。
寝ぼけた頭を何とか働かせながら、視線を下へ向ける。
「…………」
昨日助けたブラキベイビーがいた。
しかも俺の背中に覆い被さるようにして、両腕でぎゅっと抱きついている。
まるでお気に入りのぬいぐるみでも抱えているような格好だ。
「……あのぉ」
声をかけてみる。
反応はない。
それどころか――
ぺろ。
「…………」
俺のヤドを舐めていた。
「……なんで?」
ぺろぺろ。
「いや、なんで俺を舐めてんの?」
ぺろ。
「やめろ」
ぺろぺろ。
「やめろって」
ぺろぺろぺろ。
「おい……!」
ぺろぺろぺろ。
「やめろぉ!」
足をバタバタさせながら、必死に身体を揺する。
しばらく格闘した末、ようやくベイビーの身体がずるりと背中から落ちた。
「ふぅ……」
やっと解放された。
そう思ったところで、身体に妙な感触が残っていることに気づく。
「……ん?」
身体を見渡してみると。
「…………」
甲殻に、緑色の粘菌がべったりと付着していた。
「うわぁ……」
どうやら抱きつかれている間に付いたらしい。
「お前……」
昨日の爆発が脳裏に蘇る。
あの痛み。
吹っ飛ばされた感覚。
「てか、待てよ」
嫌な記憶がもう一つ浮かんできた。
「お前の唾液って、粘菌を活性化させるんじゃなかったっけ!?」
ベイビーがこちらを見る。
そして、また近づいてくる。
「おい、ちょっと待――」
ぺろ。
「舐めるのやめろぉぉぉ!!」
慌ててハサミで押し返す。
ベイビーはきょとんとした顔で俺を見る。
「……ったく」
なんとか距離を取ったところで、改めてその姿を眺める。
「それにしても……」
昨日はあれほど弱っていたのに、今では普通に動き回っている。
砕けていた腕もまだ痛々しいものの、ちゃんと動かせているようだった。
「一晩でここまで回復したのかよ」
思わず感心する。
「流石モンハンの世界だな……」
ゲームでも、少し眠るだけでも体力が回復していたよな。
昨日は回復薬もかなり使ったし、その効果もあったのだろう。
「……まあ、元気になったならいいか」
そう呟いた瞬間。
とことことベイビーが近づいてくる。
「ん?」
そのまま俺の身体へ頭を寄せて――
すり。
「……おい」
すりすり。
「ちょっと待て。」
ぬちゃっ。
「粘菌ついたぁ!」
慌ててハサミで顔を押し返す。
「お前! それこっちに擦りつけるのやめてくれぇ!」
ぐいっ。
押し戻す。
だが、ベイビーは止まらない。
また近づいてくる。
すりすり。
「だからやめろって!」
ぐいっ。
すりすり。
「…………」
ぐいっ。
すりすりすり。
「あぁ………もういいよ……」
何度押し戻しても、懲りずに擦り寄ってくる。
どうやら完全に懐かれてしまったらしい。
「襲ってくるよりはマシだけどさぁ……」
諦めてハサミを下ろす。
ベイビーは嬉しそうに俺へ身体を擦りつけ続けている。
ぬちゃ。
「…………。」
また粘菌が付いた。
「……頼むから爆発だけはするなよ?」
俺は身体中を粘菌まみれにされながら、しばらくその場でじっと耐えることになった。