さて、バサルモスとの戦闘が始まったわけだが……その前に、少しだけ俺の爆破と毒について話しておこう。
誰に話しているのかは知らん。まぁ、気にしたら負けだ。
まずは爆破について。
俺の爆破は、相棒であるベイビーことブラキディオスほど万能ではない。
ブラキディオスは拳で殴りつけることで、相手の身体に粘菌を付着させ、そのまま爆破させることができる。あの戦い方は実に合理的だ。殴るという動作そのものが、粘菌を付着させる攻撃になっているのだから。
だが、俺にはそれができない。できないというよりやりづらい。
何せ俺の武器は鋏だ。拳のように相手を殴りつけ、粘菌を付着という使い方には向いていない。これは今後、成長して鎌になったとしても同じだろう。
もちろん、相手に鋏を突き刺し、肉体の内部に粘菌を付着させて爆破することはできる。うまく決まれば強力な攻撃になるし、硬い相手に対しても有効だ。
しかし、問題はそこに至るまでだ。
そもそも鋏が刺さらなければ、粘菌を内部に仕込むことすらできない。
爆破の強みは、相手の肉質が硬かろうと関係なくダメージを与えられることだ。だが、刺さらなければその強みを活かす機会そのものが失われてしまう。
せっかくの爆破なのに、使い方が限定されすぎている。
そう考えた俺は、あれこれと試行錯誤を繰り返した。
そして、ある使い方にたどり着いたのだ。
爆破を、攻撃そのものではなく――加速に利用する。
やり方は単純だ。
まず、鋏を地面や壁、鋏同士に叩きつけ、粘菌を活性化させる。あとは爆発するまでの時間を見極め、タイミングを合わせて鋏を振るう。
つまりは爆発の瞬間を、攻撃動作に重ねるのだ。
これなら、相手に粘菌を付着させることができなくても、爆発の勢いを攻撃に乗せられる。今はまだ鋏を突き刺す動きに利用するのが精一杯だが、いずれは鎌を振り抜く力そのものを増幅させたい。
巨大な鎌を振りかざし、爆発の勢いまで乗せて一刀両断する。
うまく行けば鎧裂のあの抜刀よりも凄まじい一閃になるに違いない。
……うん、想像するだけでも強そうだ。
まぁ、実際にそこまでできるかは、これからの練習次第なんだけどな。
ちなみに、最初からこんな使い方ができたわけではない。
爆発が早すぎて攻撃を外したり、逆に遅れて自分だけ吹っ飛ばされたりと、なかなか散々だった。おかげで、爆発に巻き込まれる痛みにも少しばかり慣れてしまった。
慣れたくて慣れたわけじゃないんだが。
ともあれ、今では爆発するタイミングがなんとなくわかるようになってきた。まだ完璧とは言えないものの、少なくとも以前よりは扱えるようになっている。
この能力も、使い方次第だ。
せっかく手に入れたのだから、存分に活用させてもらおうじゃないか。
……さて、爆破についてはこんなところか。
次は毒だが――。
幾度となく鋏に毒を付与し続けていたら、いつの間にか、じっとりと毒を纏った状態を維持できるようになっていたのだ。
つまり、毒手である。
いや、俺の場合は毒鋏か。まぁ、どっちでもいいや。
要するに、いちいち毒を吐いて鋏に付着させなくても、ある程度は常に毒を纏った状態で攻撃できるようになったというわけだ。
もちろん、無限に毒が出てくるわけではない。使い続けていれば、鋏に付着している毒の量も徐々に減っていく。そうなったら、また口から毒を吐いて補充してやらなければならない。
それでも、攻撃のたびに毒を付与する手間が減ったのは大きい。戦闘中にそんなことをしていたら、相手に隙を晒すことにもなるからな。
このまま毒を纏わせることを続けていけば、もっと長く維持できるようになるかもしれない。日課の毒テングダケや、毒関係も食べてるので後々は猛毒になるやもしれない。
ベイビーも俺が食ってるのをみて真似して食べてるが、まぁ不味そうに食ってる。嫌なら食わなければいいのに……。まぁいい。
そうなれば、ショウグン様に成長したときには、立派な猛毒鎌が完成しているはずだ。
想像してみろ。
鋭い鎌を振るうだけで傷口に毒が入り込み、相手を蝕んでいく。しかも、俺は爆破まで扱えるのだ。
まぁ、まだまだ先の話だけどな。
焦らず、少しずつ鍛えていくとしよう。
さて、俺の武器についてはこんなところだ。
それじゃあ――改めて今話した力を試すべく、バサルモスの相手をするとしますかね。