投稿頻度が遅くて遅くて…。
インスピレーションも湧かないし、インプットもアップデートも…。
(知ってる英語全部並べました。)
作者の創作限界とでも言うのでしょうか?
それでは、本編どうぞ。
[いいのか?大鳳。]
無線越しに恋が、大鳳に何やら発破をかける。
「な、何がですか?」
大鳳とて、制空権の維持で手一杯。
無線でのやり取りは、些か億劫ですらある。
焦燥を唇の震えが表している。
しかし、そんなもの恋にとっては。
[
至極、関係の無い話。
提督であり、鎮守府を預かる身。
艦娘を鼓舞してこその、あるべき存在。
その恋に、八つ当たりの如く。
大鳳は艦載機を放ちながら、苦言を呈する。
「この現状を見ても…ですか?焦りくらい出ます。」
[だとしても。お前がこの場を切り抜けられねぇと、舞鶴の支援艦隊も切羽詰まった戦況で戦わなきゃいけなくなる。]
恋の、容赦など一切ない言葉。
それが大鳳の鼓膜を揺らす。
放った艦載機は、一体どれほどだろうか。
腕は疲労で、ボウガンを持つ手を追い詰められていた。
体感にして小一時間は、苦戦を強いられている。
「…無茶ばかり言いますね…!」
苛立ちを見せ、唇を噛む。
一機でも多く、撃墜せねばと焦れば焦るほど。
「くっ!」
追いかけては、撃たれを繰り返す。
数では勝っているものの、動き回る的に当てられない。
それを、恋はわかっている。
[…数で言えば、お前の勝ちだろ。何の為に、お前を連れてきたと思ってんだ?その程度なわけないだろ。支援艦隊は確かに呼んだ、
試練を与えるが如く、大鳳に問いかける。
自身の艦娘を、信頼しているが故の問いかけ。
語尾にも、穏やかさはない。
それに応えたのは、大鳳ではなく。
「わかります、仕留めればいいんですね?舞鶴の艦隊到着前に。」
如月である。
その目は、かくも恐ろしさを際立てている。
答えるや否や。
「如月、出ますね。」
一言を置き、最大戦速で駆け出したかと思えば。
主砲の狙いを定め、敵艦を蹂躙する。
「ごめんなさいね、司令官の邪魔なの。」
如月の眼力、それには重巡である足柄をも震わせる。
「…
額の汗を拭いながら、自身も主砲を構える。
照準には、どういうわけか如月が入り込む。
「如月さん!邪魔…いえ、なんでもないわ。」
文句の一つでも付けようと思うも。
有無も言わさぬ、如月の追撃。
それは、動きすら読ませない。
言葉の続き、それを足柄が口にすることは無かった。
照準を合わせながら、如月は間を埋めるように。
「いいですか?大鳳さん、私に構うこと無く艦載機を飛ばし続けてください…私が機銃に当たることは、
敵艦隊の旗艦、戦艦水鬼を狙い。
「今度こそ…!!」
距離を詰め、機銃を放ち続ける。
「機銃…?」
戦艦水鬼は回避に移りながら、眉間を顰める。
その視線を、機銃の動きから離さずに。
「機銃のほうが…当てやすいんですよ。」
駆逐艦の軽快さを活かし。
連射という、機銃を使う。
それらを駆使した、飽くなき戦術。
如月を止めようなど、誰も思わない。
「…如月さん、
「如月を舐めないでください。」
意を決し、大鳳は艦載機を射出する。
それも尋常な数ではない。
「小破でもこれくらいは…出来るんです…!」
軋む身体、艤装、震える腕。
必死に抑えつけた結果である。
大鳳の気合いと気概、それを恋は目にするなり。
「大鳳、お前はそれでいい。」
満足そうに頷く。
それと同時、激しい爆撃音が響く。
「こっちにまで来やがった…!!」
恋は小型船を急旋回させる。
被弾こそ無いが、夾叉による至近弾で大きく揺れる。
「ちきしょうが!!」
「
不敵に笑う深海棲艦の顔は、恋には見えない。
しかし、見ていた艦娘は居る。
「司令官への侮辱と見倣します。」
如月は勢いを付けて、駆け出す。
「如月さん!」
足柄が叫ぶように呼ぶが、当の本人は。
「なんですか?」
恋の船にしか、視線が向いていない。
周りなど、その目には。
「オバカサン。」
映っていなかった。
深海棲艦の言葉の意味、それは如月を狙ったものだったが。
「だから何ですか?」
「何デ…?」
如月はそれを意図から外れ、砲撃を見ていたかのように避ける。
一直線に恋の船に向かいながら、である。
敵の砲撃を回避しながら、最大戦速で縫うように。
眼前の光景に、深海棲艦は目を疑う。
「司令官、如月が居ます。」
そう呟きながら、如月は目付きを鋭くさせる。
「如月!!」
恋は自身の窮地に向かってくる如月に。
嬉しさが込み上げるが、如月への心配もある。
――如月は居なくなりませんから。
恋の脳裏にリフレインする、過去の言葉。
それ故に、心配すら見せる。
だが、それは杞憂であり
「私の司令官に…弾薬一発でも当てさせません。」
小型船に近づくなり、身体を翻し。
至近弾諸共、機銃で弾き返す。
「如月、助かるお!」
艦娘の前では穏やかで居ようと、語尾を柔らかくする。
しかし、それは如月を逆に気を遣わせる。
「司令官、余裕が無いですか…?」
「あ、いや…つい…。」
如月こそ、恋の本性を知っている。
故に、出た言葉。
恋も言葉を濁す。
「如月が付いていますから。」
これ程、心強いことはあるだろうか。
駆逐艦と言えど、深海棲艦を屠る艦娘。
初期艦であり、旧知の仲。
自身にここまで付いてきた数少ない艦娘。
恋が信頼を置いているのも頷ける。
「如月!右舷に魚雷!」
如月を見ていた恋は、魚雷が海面に見えるなり。
声を張り上げ、危険を知らせる。
「くっ!」
如月は、回避が間に合うかどうかの瀬戸際に追い込まれる。
更に上空からの艦載機による銃撃。
海上と上空による挟み撃ち。
(魚雷に当たるか、機銃に当たって大破か…二者択一ね。)
覚悟を決めたところで、声が響き渡る。
「魚雷一斉射!!」
舞鶴から支援に来た、五十鈴である。
引き連れた第六駆逐隊に指示を出し、一斉射した魚雷をぶつける。
激しくぶつかり合い、水柱が立つ。
「うおぉ…。」
波が勢いを付けて、恋の乗る小型船を揺らす。
思わず情けない声を出してしまったと、口に手を当てる。
如月が駆け寄り、心配する。
「司令官!」
「大丈夫、それより雪ちゃんの艦隊が間に合ったな。」
その言葉に、五十鈴は首を振る。
「今は、
「少佐…?」
聞き馴染みのない名前に耳を疑う恋。
否、頭では理解している。
だからこそ、耳にしたことに驚きを隠せない。
「橘花零がこの作戦から、昇級したとでも言うのか…?」
「その通りよ。」
雷が腕を組み、笑顔で答える。
「零君が提督として、この作戦で精進したの!誇らしいわ!」
それらは、恋の全身を総毛立たせた。
「零君が提督か…。」
怒りなどではない、驚愕故にである。
「そうか、軍学校から…。」
恋は口角を上げると、全艦に指示を出す。
「
「「はっ!!」」
そこからは、早かった。
舞鶴、佐伯湾の共闘により。
日本海の航路は確保できた。
「ワタシタチヲ沈メテモ…安心シナイデネ…。」
沈み間際、戦艦水鬼は意味深げな一言を残す。
聞きたくないと言わんばかりに、瑞鳳が艦載機でとどめを刺す。
「…知らないわよ、
瑞鳳の姿を見た恋は、目を凝らす。
「瑞鳳は…そんなに髪が白かったか…?」
呟きは、電に拾われる。
「瑞鳳さんは襲撃の時に…積み重なった
「深くは聞かないお。」
目を伏せる恋に、電は安堵する。
電としても、掘り下げられるのは面白くない。
「岬ノ宮中将が
「お…?おぉ…。」
恋は何とも言えぬ表情で、電に気の抜けた声で返す。
「ところで、岬ノ宮中将。舞鶴の会議に居なかったのは?」
暁が気になったとばかりに聞く。
「会議?そんなのあったのかお?みんな来ないから、心配してたんだお?」
「おや?海野大将から聞いて無かったのかい?みんなで待ってたのは、こちらも同じさ。」
響は呆れ混じりに恋を見る。
「いや…すまないお。そしたら、すぐにでも舞鶴に向かうお。」
帰投と共に、舞鶴に向かう意思を見せる恋。
そこに佐伯湾の艦娘が合流する。
「提督、やっぱり舞鶴だったんじゃねぇか!」
摩耶が怒鳴る。
恋は、後頭部を掻き。
「そうみたいだお。」
冷や汗をかく。
「…すぐに向かいましょう。」
如月が提案すると、全員が頷く。
「んじゃ、舞鶴に向かうお!ついでに、入渠もさせて貰うお、大鳳には無理をさせたし。」
恋が大鳳を気遣うと、頬を赤くさせ。
「申し訳ありません。」
と、短く謝りながら俯く。
「ま、生きてりゃ物種よ。」
足柄が大鳳の肩に手を置き、片目を瞑る。
退けた朗報は、舞鶴にも届いた。
「零君、君の艦隊もどうやら活躍したようだよ。」
会議室から廊下に出て、歩きながら。
雪が零に言ってみせれば、零は笑顔を見せる。
「はい、五十鈴さん筆頭ですから。海野少将の力あってこそです。」
「君の語彙力は、やはり榛名の賜物か。」
苦笑交じりに、零を褒めれば。
零は恥ずかしそうに、軍帽を指で押さえる。
「岬ノ宮中将も、この舞鶴に来る予定だよ。本人から通信があった。」
「恋さんが!?」
零は歓喜しながら、目を輝かせる。
少年さながらの様子に、雪は目を丸くする。
「あ、あぁ。うん、零君は岬ノ宮中将と面識があったね。」
「はい!俺の憧れです!」
零の屈託の無い笑顔と、眼差し。
雪には、年相応に戻ったとしか思えなかった。
「ふふ、会えるからね。待ち遠しさを楽しむといいさ。」
「はっ!」
そう伝えると、雪は執務室へと入って行った。
敬礼を交わした零は、一人廊下を進むと妖精が現れる。
「…
零が聞くと、悲しそうに妖精は頷く。
妖精は言葉を発せない。
故に、身振り手振りでしか表せない。
それを感じ取れるあたり、提督の素質があるとも言える。
「この先、必要になるのは確実だからね。」
覚悟を決めたように、零は拳を握る。
「妖精さんは悪くないよ、ありがとう。これは俺の問題だから。」
それだけ言うと、会議室に戻る足取りは重くなる。
「
その呟きは、木霊することもなく消えた。
如何だったでしょうか。
更新を一ヶ月も放置してしまい、申し訳ありません。
それでは、また次回に。