白銀の騎士、鏡の中より生存を懸けて   作:塩焼きそば啜郎

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ここまでで原作一話分。にしてもガイの出番が無い……主人公なのに……


第二話

ミラーワールドを走り続けていると、その音は段々と近くなっていった。更に走ると、ガイは開けた場所に出た。そこには武器を構え、蜘蛛型ミラーモンスター『ディスパイダー』と対峙するライダー、それを後ろから見るもう一人のライダーがいた。ガイはもう一人の方へと近付く。

 

「なぁ、あんた」

「うおっ!?…………そっちも、あいつと同じ……?」

「そうらしいな。俺も自分の事についてはよく分かって無い。あんたと同じ状態だ」

 

ガイに声をかけられたもう一人のライダーは、左右を交互に見やって言った。困惑こそすれど、ガイよりかは落ち着いていると言えるだろう。

 

(あれ?おかしいぞ、なんで赤く無いんだ……?)

 

何故なら、ガイは現在進行系でパニックになっているから。信頼出来る仲間が出来たと思えば、なんだか違う姿。表面では冷静さを保っているようにしているが、内心はビクビクしていた。

 

(あれー?もしかして出るの早すぎた感じ?いつ出れば良かったの?)

 

ガイが一人でオロオロしている内に、もう一人のライダーはデッキからカードを引き抜いた。どうやらディスパイダーと戦っているライダーの真似をするようだ。自動的に開いた『ライドバイザー』にカードを装填する。

 

『SWORDVENT』

 

電子音声の後、空からは質素な剣が降ってきた。地面に突き刺さったそれを、ゆっくりと引き抜く。

 

「……よ〜し、何だか分かんないけど、俺も……!」

「ち、ちょっとあんた!」

 

慌てて駆け寄って来たガイに、男は振り向く。

 

「なんだよ、あいつ一人であんなデカいのに勝てるってのかよ!」

「その姿でやるのか?」

「そうだけど……」

「いやさ、ほら……何も描いてないじゃん?それ」

 

ガイは男のカードデッキを指差す。犀の紋章が記されたガイのカードデッキとは違い、男のには何も記されてはいなかった。

 

「……とにかく!ここで見てるだけってのは出来ない!」

 

男はディスパイダーの方を向き直すと、雄叫びを上げて突然する。

 

(いや無理だろ!契約してない状態で勝てるわけ無いだろ!)

「だぁぁぁ〜っ!!」

 

ガイの心の叫びも虚しく、男はディスパイダーとの距離をグングン詰めて行く。その様子をもう一人、『仮面ライダーナイト』はじっと見つめていた。

 

「やぁっ!!」

 

気合いの一撃。だが振り下ろされた剣はあっさりと折れる。

 

「うわっ、折れたぁ!?うわぁぁぁっ!」

 

ディスパイダーの脚に弾き飛ばされる男。ナイトは冷静に、持っていた『ウイングランサー』の柄で男を横に弾き飛ばす。男はそのままシャッターに激突した。

 

「うおっ!?ってぇ〜……」

「邪魔をするな!」

「あーあー、だから言ったのに……」

 

追ってきたガイの一言に、ナイトは振り向く。

 

「なんだ、いつの間にか増えていたな」

「……増えてちゃ駄目か?」

「どうでもいい……そこの奴みたいに邪魔をしないならな」

 

ナイトは腰に装着された『ダークバイザー』にカードを装填する。

 

『ADVENT』

 

その瞬間、空から甲高い咆哮が響き渡る。蝙蝠型ミラーモンスター、『ダークウイング』が襲来し、ディスパイダーとのすれ違い様にその脚を切断した。間髪入れず、カードをもう一枚装填。

 

『FINALVENT』

 

走り出したナイトにダークウイングが合体し、そのまま空に飛翔。ナイトは地上のディスパイダーに向け、ウイングランサーを構えた。その身を『ウイングウォール』が包み、巨大な一本槍と化してディスパイダーへと急降下。ファイナルベント『飛翔斬』は見事に直撃し、爆炎が上がった。

 

「うわっ……!?やったのか……?」

「これがモンスターとの戦いか……」

「って……あぁぁ、ちょっとちょっと!」

(このタイミングで行く!?)

 

爆炎の中心から立ち去ろうとしたナイトに、男が駆け寄る。

 

「ねぇ、あんたも俺と同じでしょ?人間なんだよね!?ね!?これどーなってる訳!?」

「……」

「これなんなの!?」

「……はしゃぐな!」

(そらあんなに質問攻めされたらな……)

 

男のしつこい問いにナイトは痺れを切らしたのか、男を叱責した。男はそれに文句をつけたが、ナイトは空を見ている。釣られてガイも空を見上げ、目に入った光景は……

 

「あいつもデッカい!!」

「え?」

 

男が間抜けな声を漏らすのと、ナイトに突き飛ばされたのはほぼ同時だった。二人がいた所に火球が着弾する。

ガイも取り敢えず男の元に駆け寄った。

 

「おい、大丈夫か?」

「あぁ、何とか……って、そっちのあんた!いきなり突き飛ばすなよ!」

「フン、来たか……」

 

三人をめがけて飛翔するのは、赤龍型ミラーモンスター、『ドラグレッダー』。ナイトとガイは咄嗟に駆け出した。

 

(龍騎があの姿って事は、まだあの龍と契約してないって事……つまりあいつは野良モンスター!死ぬ!確実に狙われたら死ぬッ!!)

「ちょっと待てって!ねぇ!」

 

慌ててついてきた男を含め三人のライダーは、全速力でミラーワールドを走った。後ろからはドラグレッダーの放つ火球の炎が迫る。

 

「あれ……二人とも速くないか!?」

「そんな分厚い鎧を着てるからだ!」

 

いつの間にか一番後ろになっていたガイが口を開く。ナイトがぶっきらぼうに応じた。その間にもドラグレッダーの容赦無い攻撃は続き、爆発が続く。そしてついに、爆発がガイを襲った。

 

「うおおおっ!?」

 

ふっ飛ばされたガイは二人を空中で越し、前方の車に激突する。強固な鎧で致命傷は免れたが、それでも全身に痛みが走った。

 

「こ、こんな所で……しかもモンスターに……」

「おいあんた!」

 

 

 

そこに男が走って来た。ガイを支え、何とか立ち上がらせる。

 

「早く逃げるぞ!」

「お、おう!助かった!!」

「こんな状況で人助けか……お人好しめ」

 

男とガイは二人三脚で走り始める。半ば爆発に巻き込まれながら、何とか直撃は免れていた。

 

「これなら何とか……!」

 

ガイがそう呟いたが現実は非情である。痺れを切らしたドラグレッダーは咆哮を上げ、特大の火球を撃ち出した。二人はまともに爆発を喰らい、その余波は前方を走るナイトにも及んだ。

 

「うおおぁーっ!?」

 

三人の戦士が、ミラーワールドの空を舞った。

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