これは猫猫が後宮に売られ、玉葉妃の侍女になる、数か月前のお話。
第1話 邂逅
とある1人の男が捕えられている独房にこんな場所には似つかわしいとは冗談でも絶対に言えないような美形の男と、おそらくその従者か何かであろう大柄の男が見物しに来た。
「お前か。例の奇術師とやらは。」
「…失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「思ったより、礼儀正しいんだな。」
「こんなところにわざわざ来てくれるようなお方に、無礼な態度をとるのは些か恐縮ですので。」
「そうか…ふふっ。失礼。私は、
「壬氏様、ですか。では、壬氏様が私奴などに、何の御用でしょうか?」
「いや…ただ、謎の術か何かを用いて、建物を破壊した張本人を見に来ただけだ。あわよくば、その種を解き明かしたいとも思っている。」
「左様ですか。残念ですが、明かせられるような種は何処にもございません。」
「壬氏様。もうそろそろ。」
横にいた大柄の男がそっと壬氏に告げる
「そうか。分かった。最後に1つ、聞いていいか?」
「何なりと。」
「お前の名前を教えてくれ。」
「私は、
「乾?そんな名を持つ一族は存在しない。…まさかお前、異国の人間か!」
「恐らくは、その通りでございます。」
「恐らく?なぜそれをお前は「壬氏様!」…分かった。」
今度は、ほんの少し怒気を孕んだ声で大柄の男が壬氏に告げる。
「最後に、私からも1つ、よろしいでしょうか?」
「はあ、1つだけですよ。」
もう勘弁してくれと言わんばかりのため息が聞こえた気がするが、許諾は得たので取り敢えず無視する。
「もし、あなたの周りで誰かが行方不明になるなど、不可解なことが起きたら私に伝えてください。必ずや、力になります。」
「…覚えておく。」
「では、またお会いしましょう。壬氏様。」
壬氏と従者か何かであろう大柄の男は、何も言わずに立ち去った。
「あまり好戦的な人物には見えませんでしたね。」
「そうだったな。確か、死者は1人だけだったか。」
「ええ。報告によると、彼が捕まった農村で齢20もいかない娘たちが、次々と行方不明になる事件が起きていたそうです。人攫いによる犯行と思われていますが、如何せん、物的証拠や目撃証言も何もなく。本当に人攫いだったのか、挙句の果てには本当に人間の仕業か、とまで言われる始末だったそうです。」
「そこにアイツが現れた、と。」
「娘を失った家の人間に懇願されたそうです。その夜、農民たちを避難させた状態で、誰も使用していない馬屋を破壊したとのことですが。」
「そこから馬屋の破壊に持っていくのがイマイチ読めん。」
「それに、破壊した方法も何もわかっていないそうです。火薬を使った後もなく、どちらかというと、≪巨大な鈍器≫で叩き潰したような状況だったそうです。」
「馬屋を破壊できるほどの鈍器など、この世にはないだろ。例えあったとしても、それを使って、馬屋を破壊できるほどの筋力をアイツが持っているのなら、あの場におとなしく収まっている意味が分からん。」
「その後、農民たちの前に姿を現した彼は一番最後に行方不明になった少女。彼に「見つけてくれ」と懇願した家の娘を抱いていたそうですが、見るも無惨な姿で、誰も彼も、信じる気にはなれなかったそうです。母親に至っては、その場で自殺を図るほどに。一連の出来事を見て、訝しんだ村長は、彼を今までの行方不明事件の犯人であると決め付け、ここに連れてこられた。とのことです。」
「行方不明者は死んだも同然と見なせば、アイツが起こした騒動による死者はゼロだったと言えるわけか。」
「それを含めて、謎が多い、彼が大人しく捕えられていることも不自然です。」
「そうか…なあ、
「どうか致しましたでしょうか?」
「アイツが最後に言った言葉、どういう意味だと思う?」
「私にはサッパリ。しかし、あの態度からして、捕まる謂れがあったかはさておき、一連の騒動を彼が起こしたのは、事実でしょう。さて、着きましたよ。」
2人の目の前には見慣れた、外壁には朱色、屋根には金色を基調とした豪華な屋敷が佇んでいる。いつもの仕事をしている部屋に入り、椅子に座る。目の前の大量の書類に壬氏は眉をひそめていた。
「今日中に終わらせてくださいね。」
「わっ、分かっている!」
そんなことを言いながら壬氏が書類仕事を終わらせた頃には日付を跨ぎ、数時間もすれば、新しい書類が回ってきていた。
「少しは…寝させてくれ。」
高順や周りの人間からすれば、見慣れた光景である。
まさかの呪術関係の単語ほぼ出ないまま終わっちゃったよ、どうすんだこれ。
あと、情景描写が少なくてごめんね。ほんと苦手なんだこういうの。
さあ、どうやって雅彦は馬屋を破壊したんでしょうか。(まあみんな分かってると思うけど)
質問か何かあったら、どんどん質問してください。できるだけ答えます。きっと。
文脈こうしたほうが良いよ、っていうアドバイスもたくさんくださいお願いします。
次回もお楽しみに。