女子学生が「AHO」なことをしています【完結済】   作:ナツコソビオレ

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さんしまい

「ねーさん、右からくるやつ処理して! ひちゃは通路に罠ぶんまいて!」

「私、何するといいの…」

「ねーさん殴ってくるのいたら剥がしてくれればいいかな、ねーさん死んだらここ終わりだから」

「ういよ」

 

 狩りをしている。

 

 すごいまともに狩りをしている。

 

 しかも安定している。

 初めて来る竹林ダンジョンというチョイスが謎のダンジョンだが、とても感触がいい。

 何より働かなくていい。

 働かなくて金効率がいいダンジョンで経験値がもりもり入る。

 最高の職場だよね!

 

 …と、いうことで、こうなった経緯であるが。

 

   ――――――――――――――――――

 

「正気と思えないのがいるけど…何か嫌なことでもあったんかな」

 

 その一声がきっかけだった。

 

「…そういうのは内側のチャットでね…ごめんなさいねフル装備で採取してる人」

「あたしかよ!!」

 

 確かに採取を効率的にやるには、ボーナス効果のある服を手に入れてやるもんだ。

 セットだとNPC売りのものでも十分な効果だとか。

 フルセットはフルセットでも戦闘用の鎧はまぁ、確かに…ないな。

 

 ないけれども!

 

 知らん他人に指さされるまで行くほどではない。

 抗議したる。

 

 

 

 ……して。

 

 

 

 

「…そうだね、称号だしっばで採取の時点でそら言われて仕方ないね」

 

 納得させられた。

 例の没落貴族に、経過を聞きに行ったついでに称号見せびらかして反応を楽しんで、そのあと閉じるの忘れてたのだ。

 超難易度ダンジョンクリアしたよと自慢しながら自分は草むしり。

 

 いや本当に意味が分からないな。

 

 我ながら。

 

「わーるいね、あまりに行動が面白そうなんで、一発遊んでワンアクション貰ってみようってひちゃと相談したんだよ、そしたらいいネタ出してくれてもうノリノリでさあ」

「先に自己紹介するね、飛空 射薙(ひくう いて)です」

「わたしはシャウベル、で、奥のこれがねーさんだけど、あんま喋らなくても変に思わないで、そんなもんだから」

「………ども」

 

 しゃべるほう、しゃべらないほう、なんか説明はうまそうなほう。

 漫才トリオとしても、なんかまとまってるな。

 

「それで…なんだけど、急に話し換えて悪いけど、私に何か用、あったりした?」

「ねーよ」

「ないのかい!!」

「いや、反応楽しめて謝罪したらまでが目的っぽいから、むしろ終わったとこです」

 

 ……まぁ、MMOですもの。

 こういう楽しみ方はあっていい。

 他人の気分を害さないなら。

 いくぶん自分にやられると反応に困るが。

 

 とはいえ、せっかく知り合った仲。

 なんで稼げる強さはあるはずなのに雑用しているのかとか、いろいろ話をしたり意見を聞いたりはする。

 ソロではそれが無理と思うからこんななんだが。

 …かといって、防御職とポーション投げくらいしか得意じゃないこの現状。

 どこにいけるというのか。

 

「いや、タンクは守るのが仕事だし、耐えられるところが行けるところでいいでしょ…あとは味方を集めれば安定するんで」

「とはいえ臨時でもタンク希望って早々いないから大変って話なのよ、しちゃ」

「そこは頑張るしかえねぇ!当方タンクって逆に自分で募集かけたって別にいいんじゃないのかい、それに…」

「…あ、コミュ力はないんで…」

 

「「「あかんなぁ」」」

 

 結論が一斉に出た。

 この世の真理みたいな納得具合だ。

 

「あ」

 

 そのとき。

 

「…なに、いまの…何か一声」

「ああ、ねーさん打ち込み遅いから、その間に私がだいたい別の話題に行っちゃって会話のタイミングすぎちゃうのよね」

「なんで、意見出したいよってときは、打ち込み前にこうやって、ひと声出してこのタイミングの話題がしたいのね、って周囲に知らせるのよ」

 

 難儀な……人間関係だな…。

 

「これで、今までずっとやってきてたの?」

「たのしいぞ? うちのねーさんは突拍子もないからな」

「たしかに通常の人間とは全く違う味はする気はするよ…」

 

 仲はいいんだろうな…。

 

「私たちのメンツでタンク入れたらいけそーなの、近くにあるからお願いするのはどうだろう、お詫びを兼ねて」

「!!」

「さすがねーさん、話が遅いのに一足飛びでほしいものが提案されたな!」

「時間がみんな合えばだけど、私は今日いっぱいつきあえるんだよ」

「じゃあ、まずそっちはどう?」

 

 私に対して言ってると信じて、言うだけ言ってみるか。

 

「私は全然うれしいよ、誘ってくれたら」

 

 人見知りを患っている関係上、なんか、急に飛びついたと変に思われたらどうしよう。

 

「いやいや、誘ってるんだからそこで遠慮してたら私たちがなんかおかしいみたいじゃないの、私たちは別にいつも何の遠慮もなしに全員引っ張っていくんだよ?」

「ひくちゃんは、長居できそう?」

「本腰入れるなら、スケ調整くらい全然できるくらい」

 

 ツーのカーだな。

 

「ま、回復職はどのみち居ないから、まあ罠は多めに買い足さないとだけど」

 

 飛空と名乗った弓使いの子が、もうプランと準備を始めている。

 サクサクでもう、行くところを決定して進行しているようだ。

 

「あ、回復ならいると思うから、人数過多でないなら呼ぶ?」

「おいおいコミュ障じゃないじゃない本田さん、コネちゃんとあるなら言ってよもう」

「いや、こっちから声かけるの初めてだから…」

 

 小石ちゃん、いるといいけど。

 …いやログイン表示出てない。

 フレンドリストでそれだけはわかるので、言いはしたが早くもギブ状態。

 なんとも情けないコミュ能力もあったもんだ。

 

 …と。

 あ、没落貴族がインしてる。

 一件以来、ほぼ下僕契約に等しい上下関係が成立していて、遠慮はしなくていい間柄ではある。

 ダメもとで、聞いてみるか。

 

 そう思い即耳打ち。

 

『ようおはよう没落貴族』

『名前覚えてくださいワグナクトリス!』

『お前さん回復職に知り合いか覚えない?』

『アテクシ、サブ職白魔ですがなにか』

『すぐ来い』

『え゛っなんて言いました今』

 

「ええと、今から行くところどこ?」

「竹林Dだよ、つかまった?」

「サブ白魔っていうソロ専サマナーがいるの」

「上級職のサブなら回復だけならいけると思うよん」

「さんくすふれんず」

 

 耳打ちの合間に確認作業。

 何かしてるのは感づいてくれていて、まったりしているようで即回答が出てくる。

 喋るほうの人、やっぱコミュ自体が強いな…。

 

『竹林Dの入り口にすぐ来てね』

『いや、いくらなんでもそんな急に…!』

『そんなにやることあるの?』

『ガーデニングと家の家具をバザーで見てきたいなと…』

『こっち優先!どれだけ痛い思いしたと思ってるんだ!』

『ぐ…わかりました、わかりまーした!』

 

 

 そうして、冒頭に戻るわけだ。

 

 強い。

 ()()()()()()()()強い。

 この三人組、普段からここを回っているか、三人での立ち回りに極まったものがあるのか、私がいる必要もない。

 もちろん没落貴族も。

 

 ある程度罠で敵の侵入を阻止して、呼び寄せたりまとめたりする直接攻撃系の騎士が敵の動きを調節。

 ねーさんの範囲魔法は常に同じ個所連続で休みなくぶっぱなし、まとめた敵を排除すると同時に、たまに罠にかかった敵のほうに向けても発動して見える敵すべてをせん滅していく。

 残った固めの敵は弓の出番であり、確実に仕留める。

 それでも漏れた場合、私の出番なわけだ。

 

 普通の環境なら、それは稀でなく発生するのだが、誘導がうまければ、そもそも近寄らない。

 手慣れた狩りというのはいつ見ても関心しかないものだ。

 

 なんでか、没落貴族が横にいたはずが数回死んでいた気がするが、なんてことはない。

 そして、危なげなくアイテム使い切りまで稼ぎつくした。

 いやあ、楽だった。

 

「安定したねぇ、いつもはこうはいかないよ」

 

 ほんとかなぁ…この手並みを見るに、そうだったとしたら運が悪かっただけでは。

 

「本田さんありがとね、ちょっと待ってくれたら、清算してちゃんと報酬出すから」

「あ、ドロップで草あったら、売らないでくれたらそれ報酬でもいいよ」

「まとめて売ってその金でバザーで特定の買ってもいいんだよ? たぶん2kくらい白草買えるよ」

「そんなに!?」

 

 なんだろう、今までと桁が違う。

 本当に強い人たちと知り合えたんだな…。

 そう思うと同時に、一つ。

 私にひらめいたことがあった。




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いつにもまして荒れたような文で申し訳ありませんでした。
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