女子学生が「AHO」なことをしています【完結済】   作:ナツコソビオレ

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リベンジがしたい本田さん?

 提案に、飛空ちゃんは流石に難しい顔をした。

 

「あそこ、いまだに攻略法がサイトでバラバラだったり、正攻法ができてないんだよねぇ」

「さすがに難しいかぁ…」

 

 これだけ強さを見せつけられたら、頼んで勝率もあれば希望もある。

 そう、直感したのだが。

 

「即死城までいくと、さすがにフルパじゃないと私たちじゃとてもとても…推奨レベル90とか言われるところだし」

 

 あ、ノリで三人で突撃しました。

 この間…まぁ惨敗でしたが。

 

 フルパ。 意味はフル人数、フル編成パーティ。

 つまり8人の、パーティ編成で入れられるぎりぎりまで人を集め、確実な役割を振って全員の戦力を使い切ってやっと攻略、生還できるところというわけだ。

 

 そもそもレベル半分以下の連中は役立たずもいいとこだろう。

 さらに第一層ならまだ楽というものの、装備没収というリスクまである。

 無理強いはしたくはない。

 

 あいつらは何でもないと言ってたが、ケダモノと小石ちゃんの装備、取り返したかったなぁ。

 

「………もしかして装備とられた?」

「…!…そんなことないっすよ」

「ねーさんがまた何か読心術使ったな」

 

 ねーさん、黙って私の好奇心だけで済まそうとしたのを探ってきた。

 そういう、藪をつつくのよくないよ。

 

「そういう話なら、こっちのコネで突撃する手はなくはないよ」

「困ってるって言ってくれたらいいだけなのに」

「いや、あれ時間制限はないって聞くから、困るほどでは…」

「でも、行けるとしたら取り返したいんだろう?」

「いやまぁ、私のではないので、強く頼むわけには…」

「いじらしい! そういう他人のためって態度好きだよ! 好きな子のためなのかい?」

「まだ知り合って…数日ですが…」

「恋ってそんなもんよお」

 

 やばい。

 別のほうに盛り上がりだした。

 

「……今、アテクシの恋愛センサーがびくって来たんですが、そんなはなしあったんですか」

「なにもきてねえよ殺すぞ」

「どうしてこの流れでアテクシが命の危機に!?」

 

 小石ちゃんとケダモノ、どっちかに私が恋してる仮定のルートは普通にえげつないからです。

 配信業の粘着ファンか恋愛相談にかこつけた横恋慕みてえな関係、二択で出されるこっちの気持ちになれ。

 

 しかし、この流れは止まらず…。

 

 むしろこの想像が、「肯定すれば私の好きな人を見られる」という妄想に発展して加速しだし。

 突撃確定となってしまった。

 何故見られるか、という話に広がったかという話だが。

 没収の回収条件が単純に、取られたキャラがパーティに属した状態でボス討伐されたときに限るから。

 どう足しても引いても、小石ちゃんとケダモノは参加してもらわないと話が始まらんのである。

 なので、最終的な日程調整は私。

 嘘をついて両者同時に入るの無理だわ、と言ってしまえば終わりだ。

 しかしまぁ、楽しんでる空気をぶち壊して嗤う趣味は流石にないので…真面目に。

 

 

 

 で、いったん翌日。

 

「マジ君、今日いないのか…」

 

 第一声からしっかり確認。

 さすがこの道二年のプロだ。

 

「あら本田さん、前といい、タイミングよくでてくるじゃないさ」

「生活時間が夜型じゃないなら、割と普通だと思う…」

 

 待ってたからとは言わない。

 とりあえず小石ちゃんを確認した。

 あとは、彼女の空き時間とケダモノのイン率、イン時間をわかるだけ聞き出しながら推測を出して、同時にいる時間を伝える。

 そうすれば、そこと相手の空き時間、つまり狩りにいける時間をあの三人は設定してくれるはず。

 はず…。

 すると。

 

「セイちゃん、今日夕方からこれの配信の予約入れてるよ」

「あっ!」

 

 そうだよ。

 あいつ一番今日来るかどうか、わかりやすいじゃないか。

 

「大型イベントあるからねぇ、そこで一気に配信が偏るのに、今からリハビリかけていくんだってさ」

「なるほどなるほど」

 

 じゃあ、こっちから提示できる時間はかなり広くできそうだ。

 後は…。

 

「小石ちゃん、気分的に狩りはやりたくないほう?」

 

 逆を取って自主的な意気込みに探りを入れる。

 

「上限解放のクエストがあるから、ちょっと戦わないといけない用はあるんだけど、なかなかねえ」

「戦闘意欲、ヨシ」

「…えっ、何の調査」

「いえ、ね、小石ちゃんたちの取られた装備、あいつ倒すと帰ってくるようだから、また行こうかなって」

「今何とかなるレベルじゃねーやね、って言ってたの、本田さんじゃないさ」

「何とか応援呼びました」

「…それで何とかなるのかなぁ…」

 

 不安はごもっとも。

 

「でも、あったほうがいいでしょあの装備」

「まぁ、配信意識した一張羅だからさ、もったいなくはあるんだけど…」

「ふーむ、そんなオハナシが急にあると、配信タイトル変えないといけないニャアねぇ↑~」

 

 え。

 

「!? いつから聞いてた!?」

「マジくんがいないのかのあたりニャ」

「最初からじゃねえか!」

 

 油断も隙もないなライバーというやつは。

 

「じゃあ、事情知ってんのねこのケダモノは、ハイハイ突撃突撃」

「なんでこっちには説明しないでそんな投げやりになるニャ…差別ニャ!」

「のぞきしてた罰ニャ」

「さーべーつーニャー」

 

 配信外だろうにしっかりエモート芸はする。

 叩けば叩くだけ味が染み出すな、こいつは。

 

「とにかく、向こうの予定と加味してじゃないと、日程押しつけはできません! 確定じゃないです!あと」

「あと?」

「…向こうのほうが立場強いです、普通にな」

「にゃるほど」

 

 で、動ける日にちを提出するわけだが…。

 帰ってきたのは「じゃあ今すぐ!」である。

 はっや。

 

 

 こうして、対策会議を兼ねた出発式がダンジョン前で開催される運びとなった。

 なお、時間調整で、その段階から配信の範囲にされることにもなる。

 抜け目がない。

 

「おー、来た来た、引率され役たちが」

「昨日ぶりっすぅ!」

 

 戦力担当三人、取り返し隊がこっちの二人、私。

 フルとなるとあと二人。

 ただし、私はライトプレートくらいしか取られてないので抜けても最悪構わない。

 

「……で、私が応援をよびました」

「ねーさんの大丈夫だから大丈夫だとは思うけど、飛び切りアクが強いの来ても優しくしてあげてね」

「いや、迷惑かからない範囲ならこっちは頭下げるだけだからね…何も変わらんが」

「正直言うと、たぶん私たちも初めて会うやつだと思う」

「どういう話になってどんなことになるんだ…」

 

 そっちも知らないままってどういうこと?

 博打でいくの?

 今回のダンジョン突入そんなにピクニック感覚?

 

「ここの、君たちでいいのだよね?」

「あ、ねーさんの助っ人の方ですか?」

「そうそう、あいつは一体何でふらついてるのか不思議で、つい誘いに乗っちゃったんだよね」

「…昔からの知り合い…なのかな?」

「ベータ時代はそこそこ組んだよねえ、人自体が少なかったから毎度似たような奴でねぇ」

 

 いわば生き字引のレベルか。

 その時代からやってる人間同士で、最近会う機会は減ってる様子…と。

 まぁ、急に呼ばれてくるくらいだから暇なんだろう。

 

「…本田さん、最近ギルド以外でよく会いますね」

 

 うしろから聞こえる、聞き覚えのある声。

 

「ルシテアさん、偶然にしては確かによく会いますね」

「ああ、もう一人と言っていたの、ルシテアくんなんだねえ、こっちは珍しくもなく顔合わせてはいるけどねえ」

「んん?」

 

 助っ人の人とルシテアさんが当たり前のように会話している。

 まさか。

 

「うちのギルド以外の人では、初めての人が多いようなので自己紹介を……私はルシテア、アルケミストしています」

 

 ルシテアさん助っ人なの…そしてこの話に合うってことは相当の古参なんだ…。

 

「そちらの職人は、うちのギルドのお得意様の『昼に夜逃げ屋』のギルドマスター、ミカ=イトシヒさん」

「「えっ!?」」

 

 何人かが驚いた声を急に上げる。

 

「服飾系の職人で絹服の制作スキルで文句なく現サーバー最高の技術のスキルマスターだ」

 

 変なところでレベル高いのがいる!?

 でもそれで即死城何かできるの?

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