女子学生が「AHO」なことをしています【完結済】   作:ナツコソビオレ

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異世界クラウンルートラボラトリー学園ここにあり

 遠くで音が聞こえる。

 何かと思ってちょっと目をそらしてしまうと…。

 

「花火…なんで…」

 

 空になんか打ちあがってる。

 お祭り?

 祭りにゃ?

 何が今起きてるんでしょうか。

 

「本田さん、実はちょっと黙ってたことがあるニャ」

「いまさら何…?」

「実は、うちの事務所、昨日で五人追加デビューしててニャ?」

「……それはおめでとう」

 

 だから何だと。

 

「今日初配信で、大きいイベントがあるからこのゲームのコラボって、わっちの強いお誘いで決まっていたニャよねえ」

「……ごめん、頭悪いから、繋がりが読めないんだ」

「つまり、大量にユーナさんのお友達がご参加している?」

 

 ケイさんが、進まない話にたまらず入ってきた感じ。

 

「こっちの後輩は、中の人公開の状態で初配信してるから、言ってみれば他業種のファン丸々抱えてきてるニャねぇ」

 

 …ちょっとわかってきたわ。

 

「んでニャ、出来ればおさわり禁止で終わりたかったけど、知られてる以上ファンはいるわけで、盛り上がっちゃったし、実際の戦力として祭りで使うのは最後の手段だったんニャけどお…」

「…やったんだな?」

「五人そろって本陣に置いてるはずだったニャけどお……わっちと遊びたいし前に行きたいって言ってくるから、それならファンを護衛にしないと即死するニャねーってなってえ…」

「結論は?」

「すっげえ数が控えてますニャ」

「……それの正体、わかったわ」

 

 左に、動かない漁夫狙いが控えてるって警戒してた、あれか。

 あれ、ケダモノ一行のファンの集いで、仕掛ける号令ずっと待ってたってことか…。

 じゃあ、今の花火が見えたってことは…さあ。

 

「セイノぱいせーん!全員で号令しちゃいましたよー!打ち合わせ通り!」

「しー!!」

「…既定路線だったんだね…私のためって風な空気させて…ちょっとだまそうと…した?」

「し、してないニャよ?」

 

 好感度、割と下がったぞてめー。

 

「ま、悪い騙しじゃないことはわかったから、そこは呑もう」

「たすかりますニャ↑~」

「大将のひとさぁー」

 

 おや?

 

「ちょっと会話おあずけな、ケダモノ」

「今のところ、こっちの人と一緒にいるから、攻撃しないでくれます?」

「牧場経営の人、なんだい急に…」

 

 続けようとして、まぁ、すぐ理解したよね。

 さっきの声も含め、壊滅した最初の本陣で、例のライバー集団に会って、牧場経営のみんなはどうやら護衛任務に転職したらしい。

 私の会話とか、特に意味なく味方になったんだね…。

 

 そこから。

 

 まぁ、オルアラ傘下の内部にも、けっこう混じっていたようで…声優好き。

 漁夫狙いとして潜んでいたと思っていた左右が、それぞれ大量に……いわばケダモノたちの視聴者を抱えてる団体であった。

 

 彼らはもう、利益がどうという団体ではない。

 私の言う、楽しみをもとから体現している奴らだった。

 配信者を守る以外は、派手に好きにやる…言い方は悪いが発散を極めた狂人くらいのもので、敵味方知ったことではないハッスルを発揮した。

 

 

 …本当に、心から言いたい。

 私、結果から言うとなんか意味あったの?

 

 

 戦況のすべては、最終的にケダモノたちの視聴者の乱入で、とにかく、人数を減らしまくって暴れると言う世紀末感覚で消費。

 流れ弾がいかないように、という多少の配慮のおかげで私とケダモノ、今回の新参入配信者のあたりは生きていたようだが、とうとうそれも決壊する。

 初心者たちは触られたら即死するし、一番戦えてたケダモノも、今さっき倒れた。

 

「……約束だもんなぁ、負に落ちないものはあるけど、頑張ったご褒美は差し上げましょうか」

 

 倒れたケダモノに、エモートで優しく撫でてやるしぐさをする。

 あと、さっきからかなりもう末期なようで、残り人数がシステムで出るようになっていた。

 

 

 残り、四人。

 

 

 後三人殺すことができれば、ミカさんが望んでいた島クリエイトがこっちに転がり込むのか。

 みんな、隠れてやり過ごそうとするくらい戦力としては弱いのだけだといいのだけど。

 そう、思った矢先。

 一人、生きている人間が近くによって来るのが見えた。

 

「……ラウーゼ君……」

「生き残ったのか、そっちは」

「撃つのかい?やっぱ…」

 

 ガンナーだって、遠距離なので一発はでかくてもリキャストやディレイで大幅な隙がある。

 タイマンなら、一撃は重くてもそれは耐えれば次などなく倒せる可能性がある。

 一応は、これでも近接専門職なのだ。

 …なら、なんで姿を見たのか。

 そこを最初に思わなかったのが、ミスと言えばミス。

 

「生き残れて会えて、よかったよ」

 

 そう言うと同時に、すっと何かを振る動作が見えた。

 特に気にしてなかったというか、意外過ぎて反応もしなかった。

 

「…あれ、毒…?」

「こっちの剣のスキルは、毒で確定死させるもので、無いんだよ、デメリットは」

「剣てなに……何……?」

「もう勝ったよ」

「それ何…ラウーゼ君…」

 

 ラウーゼ君のことを、あまり詳しく考えたことはなかった。

 MVPをよく持っていく、とんでもなく強い攻撃力のある人、くらいで。

 その弾丸がクソ高く、個人でずっと賄えるはずがない所持数なことも、そもそも誰もかなわない攻撃力とはどういうものか。

 そして、小石ちゃんが名前をそういった以外、システム的には名前の表示を私はずっと、一度も見ていないと言うことも、特に疑問など持っていなかった。

 今だって、疑問も怪しさも、悪意も持っちゃいなかった。

 だが、その彼が、見たこともない、身長くらいの大きな剣を今持っていて、名前を初めて設定変更で表示している。

 

 オサナイ・タケヒサ。

 

 銃からモード変更で変形した、当時の人以外誰も剣の形を見たことのない物騒な形の武器。

 名前は、間違いなく、レイジ・ザ・カイゼル。

 

 彼がオルアラを作って島に閉じこもっていると言われていた、ギルマスだ。

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