女子学生が「AHO」なことをしています【完結済】 作:ナツコソビオレ
「本名そのまま入れた子供と言われるのが恥ずかしくって、名前はずっと出さないようにしてきた」
「それで別の名前を名乗って…それを広めるようにしてきたってこと?」
「作り直しも考えたけど、考えてる間にだらだら続けて、この装備を取ってしまったから」
「そりゃ、確かにキャラ消せたりしないわね」
まぁ本名と勘違いは嫌なのわかるけど、それ以前に話し方が、そう思うと結構幼いようにも感じるなぁ。
ラウーゼ君…そこから強くなってったのか。
いや、オサナイくんと呼ぶべきなのかどうなのか。
「それで、ラウーゼって名前を広めたくて名前隠して出歩いてた…のでいいのかな?」
「そうだよ」
「行く先々で、自分の名前を言って回ってた…?」
「いや、あいつはそういう名前だよと、言ってもらう人が必要だったよ」
小石ちゃんのような…か。
『小石が実際のその役目でセット運用だったのが真実だねぇ』
チカちゃん!?
『小石はオサナイ君の実の姉で、役割で必要だからで始めたクチなんだよ』
『そうなるとさ、いつもの…多いなぁ、オルアラの人たちが』
『そうじゃないのがイレギュラーなんだよ、あのギルドはもともとオルアラが悪役じゃない存在として遊ぶためのダミーギルドなんだから』
『ちょっと!?』
『私がゆめっち追い出した後、最悪の流れに行きそうなら即拾ってって裏からケア頼んだからの現状だし今更よ』
『…なんもかんも、手のひらの上…って話かよこれ…』
『ちなみにオージンさんとルシテアさんは、シテンとハクヤクのサブ垢な』
それ私がこの手でぶち殺したんですけど。
『…もう何もかもぶち壊してくれたな…騙されっぱなしジャン私』
情緒めちゃくちゃだよ…。
ずっとオルアラに囲われてたんじゃん。
楽しかったけどさ。
ある意味、生粋の悪役なんてそうそういないって話で光が見えた気は…いや、しないような…ちょっとするような。
「…死んだかい?」
余裕で終わったその姿を見て、もう毒が効きすぎくらいの時間がたってるのを改めて知る。
「「ごめんな」」
何の偶然か、私とラウーゼ君が同時に言った。
そして全力で切り付ける。
ポーション飲みながらザクザク、余裕見せてるのを切り刻むのはよくない見た目だが、毒で安心しきるのが悪い。
すまんが、そういうことだ。
「なんで!?」
「修正入ったのかこのフィールドの限定ルールなのか、体力1で止まって効果消えたよ、その毒」
ずっとラウーゼしてたってことは、その効果ずっと使ってなかったでしょ。
修正されたかもな。
私のカウンターも、明日にはそうなるさ。
にしたって。
画面から目をそらしていたのか何なのか…。
そのまま、あっけなく彼は倒れてしまった。
そんな馬鹿な。
「…もしかしてだけど、負けようとしてたとか、そういうのじゃないよね…?」
返事はないだろうけど、問うてみる。
これで終わるっていうと、なかなかむなしいな…。
「どうすりゃいいんだよ、これ…空気感が、さすがに」
ケダモノのほう行ってみるが、何も変わりはしない。
「突っ込みもボケもいないと、間が持たねえし、死にたくなるぜえ」
『それはいけないニャ!』
「まぁ、いけないのはわかっとるよ」
ほぼ独り言になってるが。
『どうせなら、最後の勝負まで連れてってくんないかニャ↑~…生中継でみんなが見れるニャよぉ』
「…ま、みんなの見世物になるってことが悪いわけではないか」
死体をお姫様抱っこで抱えて、残りの二人を探すことになっていた。
趣味が極めて良くない。
…でもわかるよ、聞こえてないだけで、ケダモノがこのシーンでめちゃくちゃにテンション上げてるのが。
聞かなくても浮かぶもん。
そのためにむしろやらせる口実なんじゃねえのか?
そう思いながらも行く当てなく、ちょっとウロウロしていると…。
「減ったぞ…」
『減ったニャね』
残り二人。
つまり私と、あと一人のタイマン確定。
会うことがあったら、そいつとどちらかが勝者だ。
「もーさぁ、どうせなら移動しないで待っててよね!配信付けないと見つけられなかったよお?」
「…その声…」
ラストの相手が来た。
知ってるやつである。
「んじゃ、ケダモノはここで見てるんだよ」
ぽい。
「よりによって最後が…あんたかい」
「本田さん、こうなってくれて本当にうれしいよ、私は」
今回は、運であって筋書きじゃないんだよな?
いろいろ、今迄からすると、疑っちゃうよ?
「クララボ学園の、守る人に紛れて何とか生きてた本田さん、それと残ってた適当なのはだいたい始末しながら私と小石は残して頑張ったオサナイ…」
「……てことは、残った四人の中で途中で消えたの小石ちゃん?やったの?」
「ちゃんと、本田さんによろしくって言ってたよ?」
「結局、おおよそ予定通りって言われそうで嫌だねぇ」
「…ほんと、呼んでよかったよ」
「わたしも、このゲームに居られてよかったとは思ってる」
誘ってくれてありがとう、と言うべきなんだけど、それはこのタイミングでは言ってやらん。
「街のあの襲撃イベントでさ、何も迷わず、特に中身がいるわけでもない商店街の人を見て、守るよって言ってくれたの、私にとって最高にうれしかったんだ」
「……き、急に、なんか動揺誘ってくるじゃない」
「置きっぱなしのキャラや街の他人たちってさ、あんまり気に留めない人を多く見すぎたから、あの一言で、本当に呼んでよかったって思ったんだ、これマジでさ」
「…つ、つられて喜んだりしないぞっ!」
「でもまぁ、私は立場では完全に敵だから、手加減はしないよ、本田さん」
「…私だって、背負わされたものと頼ってきてた人の気持ちがあるから…全力だよ、『マリア』さん」
そして、両方真正面から切りかかる。
「約束したこと、かなったなあ!」
「したかな?」
「いったよ、この世界で、このゲームで一番になって、みんなの視線の中心に行こうぜって」
「…少し言われた気もするかも」
「私はちゃんとしたいこと叶えたよ!『本田さん』は、何か叶ったかい?」
「特にないかもしれないけど…でもさ」
「なになに?」
「まだ、見てないところも知らないものも山ほどあるから、いろんな人と関わりながら回りつくしてみたいよ、みんなで!」
「…かなうといいな!」
「…そうだよね!」
いつの間にか死にそうになってる。
しかも、こちらの攻撃は一つも当たってないっぽい?
多分、回避専門のアサシンに…。
「なんで服脱いだ!?」
「属性防御反転のオーブ山ほどつけて、こっちのカチカチの防御を逆手に取ってんだろ、そっちの装備!」
「このゲーム理解してきてるじゃん、えらいえらい」
なら、こっちのほうがダメージ低いよ絶対。
「じゃあ改めて……!」
「先手貰いー!」
受けた。
そして私は…。
次で完結します