迷宮とエッチなハーレムを求めて   作:銀の城

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誤字報告感謝します。

次の本編更新は20日です。しばらくお持ちください。


迷宮とエッチな日常②

 人生最高の目覚めだ。なんといっても恋人ができたからな!

 昨日は不安になって何度もクラリスに聞いてしまった。

 「恋人だね! 恋人だね!」って。我ながらしつこく聞きすぎた。はじめのうちは「ええ、そうですよ」とかわいく答えてくれていたのに、最後の方は「はいはい」と子どもをあやす母親みたいになってた。

 でもしょうがないじゃないか! 不安なんだもん! 初めての恋人なんだもん! 心が童貞なんだよ! もうぐちょぐちょのドロドロになるまで愛し合ったね。

 やりすぎて体力の限界だったクラリスが、飲み水を持ってきてくれたロザリーをベッドの中に引きずりこんで、身代わりとして俺に差し出してきたもんね。

 

「お、奥様?」

 

「ろざりー、かわって、おねがい」

 

 ロザリーがうろたえる姿は面白かった。クラリスを抱き上げて家に帰るときに色々言ったから、今日はもう俺に抱かれないと思っていたに違いない。

 残念ながらクラリスは俺と一晩中付き合える体力がないんだよ。『色魔』を使えばなおさらな。

 結局ロザリーも途中で力尽きたから、眠っていたクラリスにいたずらしたけどね。起きないように恋人の体をくすぐるのは大変興奮しました。

 眠っているクラリスにキスをして静かにベッドを抜け出す。

 ロザリーは既にベッドにはいなかった。たぶん朝の支度──は無理か。今やれる家事といえば洗濯かな? 早くロザリーの手料理が食べたいね。ハンバーグとか俺が好きな料理を覚えてほしい。料理は得意じゃないけど、覚えてる限りのレシピも伝えようね。

 案の定ロザリーは浴室にいた。桶に溜めた水でシーツを洗ってる。そういえばベッドさっぱりしていたな、いつの間に取り換えたんだ。

 

「おはよう、ロザリー」

 

「きゃっ! だ、旦那様?」

 

 息を殺して後ろから抱きついた。下から支えるようにいやらしく胸を持ち上げる。クラリスよりも大きな胸が歪んで形を変える。

 

「うんうん。朝から仕事をして感心だね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 宿に泊まったときは疲れ果てて朝起きることができなかったのに、このメイド、成長している。・・・・・・胸は成長してないな。変わらず大きくて柔らかい。

 

「先に伝えておくけど、今日は休みにする。俺は出かけるからロザリーはクラリスから稽古をつけてもらうように。昨日言ったこと、覚えてるな?」

 

「あんっ。か、かしこまりました」

 

 今日の結果次第だけど、マジで金策に全力を出す。ボーナス呪文『エクストリームドロップデッド』を使って一階層ボスを周回、一日で稼げる限界に挑む。行けるところまで行ってやる。

 

「旦那様。その、どうして、私の胸を揉んでいらっしゃるのでしょうか」

 

「もちろん、相手をしてもらうためだ。いやか?」

 

 服の上から頂上をつまみ上げる。質問形式だけど命令だ。一回やってみたかったんだよこの貴族ムーブ。家事をしているメイドにセクハラするのも男の夢だし、最高の女だよロザリー。

 

「いえ、そんな、旦那様のお情けをいただけるのであれば断る理由はございません。しかし、その、奥様に内緒でというのは、よくありません」

 

 おいおいまじかよきみぃ。それは完全に煽っているとしか思えないよ。いや、煽ってるね? 顔が真っ赤だし、本当に申し訳なさそうな表情をしているけど、俺の目には主を煽る小生意気なメイドにしか見えない。

 腕を伸ばす。より性を感じる場所までまさぐる。

 

「いけません。ぁんっ。奥様に申し訳が立ちません」

 

 煽りすぎ。

 本気で言ってるのはわかるよ。出会って本当に短い時間だけど、ロザリーが本気でそう思ってしまう娘だっていうのは俺でもわかる。けどね? すべてが俺の情欲を煽っているんだよ。ほら、どことは言わないけどイライラしてきちゃったよ。

 

「っ! だ、ダメです。いけません旦那様! お許しください」

 

 ググっとイライラ棒を押し付けると慌てたように身じろぎするけど、逃げられないからね?

 

「ロザリー」

 

「旦那様っ」

 

「クラリスには内緒ね?」

 

 ロザリーの唇を奪い、イライラ棒を壺に入れて、そのイライラを鎮めた。

 

 

「クラリス、もう朝だよ。起きて」

 

「うんっ。う〜ん。ご主人様?」

 

 寝ぼけまなこのクラリスが起きてきた。伸びをする姿は猫みたいだね。かわいい。この女の子、俺の恋人なんだ。

 

「ちゅ。おはようクラリス」

 

「ん。おはようございます」

 

 クラリスが笑う。いつものニコニコな笑みじゃなくて、寝ぼけてしまらない顔でえへへと笑う。かわいい。さっきまでロザリーとハッスルしてたのに、またできそうだ。

 いやいや、さっきのは外し忘れた『色魔』の暴走です。そのことに気が付くまでロザリーには相手をしてもらって迷惑をかけた。

 

「さあ起きて眠り姫。今日の予定を話したいから」

 

「今日の予定ですか? わざわざそうおっしゃるということは、今日は迷宮には行かないのでしょうか?」

 

 起き上がろうとしたクラリスをお姫様抱っこで抱き上げてベッドの端に、俺の右膝に座らせて右手で抱きかかえる。左手を胸に持っていったら叩き落とされた。おとなしくクラリスの右手とつないでおく。今度は叩かれなかった。

 

「今日は一日別行動だ。俺は一人でやることがあるから、クラリスにはロザリーに稽古をつけてほしい」

 

「ロザリーに稽古を・・・・・・ああ、昨日のお話ですね。わかりました。教えるのは剣ですか?」

 

「そうだ。ロザリーには片手剣を渡してあるからその使い方を一人の時にできる鍛錬を教えてあげて」

 

「かしこまりました」

 

 うん。必要なことは伝えた。それじゃあ俺は迷宮に行こう。しかし、ロザリーが呼びに来ない。まだ身を整えてるのか。

 ロザリーの体を堪能したとき『色魔』に気が付くのが遅れたから、朝からそこそこ頑張ってしまったんだよね。クラリスを起こす間に衣服を整えて呼びに来るよう言ったけど、まだ来ない。ならもう少しだけいちゃいちゃするか。

 

「クラリス。好きだよ」

 

 クラリスの右手を口元に持ってきてキスをする。

 隙のできたクラリスの右わきから右手を差し込んで胸を揉む。

 

「はぁ。ご主人様、やめてください。ハレンチですよ」

 

「!!」

 

 く、クラリスが冷静に指摘してきた、だと? 「きゃっ」とか「ダメっ」とか言ってくれたのに、スケベなことに慣れてしまったのか・・・・・・。もみもみ。

 

「もう、いけない人ですね」

 

 両の掌が俺の顔を包む。クラリスからキスをしてくれた。甘酸っぱい、恋人のキスだ。

 

「夜にいくらでも受け止めます。だから、今はやめて」

 

 どこまでも優しい女の子の声。

 むくむくだった俺の心の男がしぼんでいく。クラリスの優しい笑顔が尊くて、劣情がどっかに行ってしまった。むう、クラリスの女のレベルが上がった。俺みたいな馬鹿な男をたしなめる大人の女っぽい余裕が見える。くやしい、おとなしくなっちゃう。

 

「クラリス、一晩でいい女になった。俺の気持ちが通じたからかな」

 

「ふふ、どうでしょうね。ご主人様はスケベですが、かわいらしい方だとわかったからかもしれません」

 

 だめだ。クラリスのいい女オーラにやられて忠犬になってしまう。くぅん。

 正面から「めっ」されるものいいかも。SとMが表裏一体っていう話は本当だったんだ。クラリスにエッチに責められたくなってきた。

 

「クラリス、今日もかわいい、すき」

 

「私もすきです。ご主人様」

 

 すきすきいちゃいちゃしてたらロザリーが扉をノックしてから入ってきた。お、服の乱れはなくなったけど、髪が乱れたままだよ。色っぽいね。

 

「おはようございます、旦那様、奥様」

 

「おはようロザリー、昨日はごめんなさいね。驚いたでしょう?」

 

「もったいないお言葉です。奥様のお役に立てるようでしたら如何様にもこの身をお使いください」

 

 ということは今後もベッドに引きずり込んでいいってことだね。

 

「じゃあ俺はもう行くよ。ロザリー、クラリスの着替えを手伝ってあげて。クラリス、お金は渡しておくから食事は好きにして。なるべく安く済ませてくれると助かる」

 

 アイテムボックスから銀貨を取り出してクラリスに渡す。安く云々はロザリーには聞こえないように耳元で静かに伝える。情けない男でごめんね。今日は頑張って稼いでくるから。

 

「ふふ、かしこまりました。ロザリー、お水を持ってきてくれる? それから水魔法で水を出すから、昨日の水は捨ててしまって大丈夫よ」

 

「かしこまりました」

 

 クラリスをベッドに残してロザリーと一緒に部屋を出る。

 階段を下りて一階へ向かう、踊り場。・・・・・・なんか、ムラムラするシチュエーションだな。『色魔』は外してるのに、クラリスに「めっ」されてしぼんだはずなのに、欲情が「こんにちは」と顔を出してきた。

 

「っ! ちゅ、あむ。ん、ぁん」

 

「ちゅ。静かに。クラリスに聞こえる」

 

 階段の上でロザリーを襲う。抱きしめて唇を奪ってから、声を出さないように言い含める。

 

「だ、旦那様、いけません。早く戻らないと奥様が不審に思われます」

 

 うーん、イイネ!

 ロザリーは最高の奴隷メイドだよ。だって、家事を完璧にこなして、夜は奥様と一緒にベッドで乱れて、昼間は旦那様と秘密の情を交わす。素敵だよ、ロザリー。

 

「ロザリーの言う通りだ。早くしないと、クラリスが下りてくるかも」

 

「でしたらっ」

 

「そう。だから急がないとね?」

 

 俺のたぎる情欲を口で受け止めて、コクコクと飲んでもらった。壺に出すと後片付けが大変だからね。飲んでもらうと隠滅性が高いし、何より興奮する。『色魔』がなくても俺はスケベでハレンチな男だからね。初めての夜にクラリスがそう言ってた。

 

 

 回転数が高いのはやはりバルタークの迷宮だろう。まだ討伐されることなく残っているバルタークの迷宮は、今もフランシス率いる騎士団が攻略中だ。迷宮の前にいる『探索者』の騎士の男に教えてもらった。

 

「エクストリームドロップデッドは間違いなく優秀で、レベル1と99限定なところでバランス取れてるよな」

 

 キャラクター再設定で『詠唱省略』を持っている俺が対象を選ぶだけでバタバタと魔物も人も倒れていく。防ぐ方法は『身代わりミサンガ』だけ。それでも一度しか防げない。二撃目でやっぱり死ぬ。最強と言ってもいいボーナス呪文だ。

 かと思えば対策は至極簡単。レベルを上げるだけでいい。

 レベル1と99に無類の強さを誇るが、一つでもレベルが違えばあたるあたらない以前に全く効かなくなる。実にバランスの取れたシステムだ。

 そして、今から均整の取れたバランスをぶっ壊す。

 

「久しぶり、ってほどでもないか。コボルトケンプファー」

 

 バルタークの迷宮一階層のボス、コボルトケンプファー。名実ともに迷宮最弱のボス。俺はせっかく現れてくれたコボルトケンプファーに合掌する。

 煙が集まって実体を得たとたん、煙となって霧散する。まるでビデオを巻き戻すように。その横を鼻歌交じりに走って通り過ぎる。あ、ドロップアイテムはちゃんと拾ってるよ。

 

「ダンジョンウォークで一階層に戻ってもう一回ボス部屋に」

 

 ボス部屋を抜けて、二階層に出るとすぐに『ダンジョンウォーク』で一階層の小部屋に跳ぶ。そしたら待機部屋まで走る。ここまでノンストップ。部活を思い出すジョギングで走り続ける。

 

「よっ! さっきぶり、コボルトケンプファー」

 

 煙が集まって、実体ができて、霧散する。かなしいな、今の俺はお前の姿を視界にとらえる事よりも、煙の集まり具合からタイミングを計って『エクストリームドロップデッド』を使ってるよ。

 ボス部屋を走り抜けて二階層に、『ダンジョンウォーク』で一階層へ、待機部屋からボス部屋に。おっと、校庭一周を思い出すな。無駄に顧問がDYIで作った門をスタート地点に置いてた。この同じ風景を何度も走って回る感じ、そっくりだ。

 

「お、コボルトケンプファー。またよろしく」

 

「コボルトケンプファー! たまには顔を見せろよ」

 

「Hey! コボルトケンプファー、今日もいい天気だな」

 

 何度も何度も何度も走り抜ける。右手にストップウォッチ代わりの魔結晶を握りしめて。とっくに一万をあらわす緑魔結晶になっている。つまり、この十倍ボス部屋を走り抜ければ十万ナールだ。俺はやるぜ!

 

「ぜぇ。はぁ。やる、きは、あるももの、たいちょく、が、もた、へぇ。ぜぇ、はぁ」

 

 ろれつが回らない。少し飛ばしすぎたな。よくよく考えると、ペースメーカーやってた副部長ってすごかったんだな。常に一定の速度で走ってた。俺はいつもその背中を追ってたな。副部長についていけば、少なくとも顧問には怒られないし、まわりからも怠け者扱いはされなかったから。

 

「まじできっつい。魔結晶の貯まり具合が目で見えないのもきっつい。今どれくらいだ?」

 

 ジョブ設定で『商人』のジョブをつけて『カルク』で計算してみる。

 

カルク

 (ボスの魔力)5 × (結晶化促進六十四倍)64 は 320

 100000 / 320 は 312.5

 

 つまり、十万匹分の黄魔結晶にするには三百十三体倒す必要がある。

 

「・・・・・・いや、何体倒したか覚えてない。ああ、もう、カルクあっても電卓と一緒で使う人が馬鹿じゃ意味ねぇよ!」

 

 パピルスか羊皮紙買ってくればよかったか? いやでも、シャーペンとかボールペンじゃなくて羽ペンだろ? 万年筆でもいいけど、インクに浸す時間がなぁ。それに全部アイテムじゃないからアイテムボックスに入らないから持ち運びが面倒だ。今も走りやすいようにリュック置いてきたしな。

 

「こう、なにか、モチベーションを保つ方法は・・・・・・アイテムか。そうだよ、俺ドロップアイテム拾ってるじゃん」

 

 コボルトケンプファーのドロップアイテムは『コボルトスクロース』砂糖だ。今アイテムボックスに入ってる数を数えればいいじゃないか。

 

「ひいふうみい、いや、一マス何個入ってるかで考えたほうが早い」

 

 俺の『探索者』はレベル35。一マスに三十五個入る。これで『カルク』を使ってみると、一マスで魔物一万一千二百匹分か。今アイテムボックスの七マスを占領してる。七マス目は、二十七個か。つまり全部で二百三十七個。そして二百三十七体倒したことになる。

 

カルク

 237 × 5 × 64 は 75840

 313 − 237 は 76

 

 おお! 魔結晶には今、七万五千八百四十匹分の魔力があって、残りは七十六体か。

 もう少しじゃないか!

 これだよこれ! この達成感と目に見える目標までの距離! へばってきてた心が奮い立ってきたぜ!

 やったるで!

 

 

「おお、太陽が明るく輝いている」

 

 太陽がてっぺん付近に来る時間。俺は迷宮から出てきた。黄色に輝く魔結晶をもって。

 俺はやり遂げた。わずか半日で十万ナールを稼ぐことに成功したのだ。俺を、たたえてくれぇ。

 迷宮の側、太い木の根元に腰を下ろす。もう、足が限界だ。この感覚は知っている。部活でも走りすぎたらよくなってた。懐かしいな。

 

「走りすぎたな。日が出るころから昼までだから、五、六時間か? 休憩は挟んでたけど、さすがにきつい。足がパンパンだ」

 

 六時間なんて部活でも走ったことがない。いや、五時間かもしれないけどさ。時計ほちぃ。

 休憩してからもう一回走る。今度はもっと休憩しよう。約三百体だから、五十体毎に休憩を挟むか。

 とにかく、一日どころか半日で十万ナールも稼げることが証明できた。次からはもっと休憩を入れて、一日で十万ナールにしてもいい。それでも十分な稼ぎだ。

 ちなみに、ここまでに倒した三百十三体分のコボルトケンプファーのドロップアイテムは三割上昇をつけても約四千ナールでした。クソが!

 

 

「ただいま」

 

「おかえりなさいませ、旦那様」

 

 合計で二十万ナール分の魔結晶を作ることに成功し、バルタークの迷宮からクベリークの家に帰ってきた。

 俺が帰ってきたのはすっかり日が落ちて、暗闇が支配する時間帯だ。日本なら十九時ごろになるのかな? この世界は街灯も含めて街に明かりがないから帰ってくるのも一苦労だね。俺は『ワープ』で家の外壁に跳んで帰ってきたけどね。

 

「旦那様、お履き物です」

 

「うん? ああ、そうだな」

 

 昨日はすっかり忘れてたけど、俺に合わせて家は土足禁止にしたんだ。

 玄関で室内用のサンダル装備に履き替えるし、体に付いたほこりは手のひらサイズの卓上箒で払い落す。外から中に汚れは持ち込まない。

 ロザリーが俺の周りをくるくると回りながらほこりを払い落としてくれる。切った髪を払ってくれる美容院を思い出す。

 

「ありがとう。クラリスは?」

 

「奥様は寝室におられます。既にお体を洗い終わり、就寝のご準備をされております」

 

「そうか。クラリスに会う前に今日の出来事を聞こう。クラリスとの稽古はどうだった?」

 

「ご報告させていただきます」

 

 当然と言えば当然だが、二人は一日中稽古をしていたらしい。なんというか、もう少しさぼったりしても全然許すんだけど、二人ともまじめだからな。休憩はしてもさぼりはないか。

 食事は外のレストランで済ませて、その間だけ長く休憩したらしい。曰く、食べてすぐの運動は良くないと。

 科学が発達してなくてもそれくらいはわかってるか。

 昔からの言葉って案外馬鹿にできない。「食事の後に横になると牛になる」とかな。これは食事の後、すぐに横になると胃の消化液が食道に逆流して炎症を起こすことを示唆している。(諸説あり)

 有名なのは津波だな。昔の石碑に「ここまで逃げろ、津波がくるぞ」というようなことが書いてあったらしい。

 

「奥様が用意してくださったお湯がまだ温かいので、冷める前にお体を洗ってはいかがでしょう」

 

「ということは体はさっき洗ったのか? もったいないことをした。クラリスの体を洗い損ねるとは」

 

 まじかぁ。もうお風呂終わっちゃったのか。疲れを癒すためにもクラリスの体を念入りに洗いたかったのに、残念でならない。

 

「ところで、ロザリーはもう体を洗ったのか?」

 

「旦那様を差し置いて洗うことはございません。旦那様のお体を洗った後に残り湯をいただくつもりでした」

 

 うむ。ならば俺の体を洗うついでに疲れをその体で癒してもらおうか。

 奥様に内緒で浴室で情欲にふけるシチュエーション、たぎるね。

 ロザリーに近づいて抱き寄せる。この時にお尻に手を当てるのを忘れない。セクハラはお尻、鉄則です。驚いたロザリーが体を硬くする。まだ慣れない? 朝になんども体を交えたのに。

 

「それじゃあロザリーに体を洗ってもらうとしよう。そしてロザリー、覚えていると思うが、お前の体は俺が洗おう。これは俺の趣味だ。いいね」

 

「かしこまりました」

 

 うん、ステキな提案だ。

 浴室に移動してロザリーに服を脱がしてもらう。ロザリーの服は俺が脱がす。恐縮してたけど、知らないね。この家の主は俺だから、俺が決める。メイドのロザリーは主に脱がされなさい!

 

「うう、お体洗わせていただきますぅ」

 

「よろしく頼む」

 

 宿の時とは違う。思いっきり俺の裸に動揺してる。

 洗うといっても一方的じゃない。クラリスの出してくれたお湯が温かいといっても、洗っている間にどんどん冷めていく。だから洗いっこだよ?

 ロザリーが俺の胸板を洗うなら、俺は豊満な胸を汚れひとつ見逃さずさくらんぼの凹凸まで洗う。

 背中を洗う時は抱き合ってキスをする。どう考えても洗いにくいけど知らないね。俺は趣味と欲望に忠実なんだ。

 大事な息子は壺につけて陰影ができる細かいところまで丁寧に洗ってもらう。お礼に壺は白い洗剤でこすって丁寧にしつこく洗ってあげた。

 

「ん、ちゅ、あむ、ぅん。ロザリー、もう汚いところはないかな?」

 

「ちゅ、ぁむ。そのような場所はございません。侍女が余すことなくご主人様のお体をキレイにいたしました。あむ」

 

 おおう。俺のさくらんぼは小ぶりだぞ。

 そんなところまで口でキレイにしてくれるのか。さすがメイドだ。それにさっきよりもノリノリだね。積極的なロザリーもステキだけど、おどおどしているロザリーもステキだよ?

 

「ロザリー、最後にここもキレイにしてくれ」

 

「ああ、申し訳ありません。私としたことが洗い残しをするなんて。お任せください。あむ、ちゅるちゅ」

 

 洗剤は残しておくと匂いの元だし肌に悪いからね。体には悪くないからキチンと舐めてキレイにしてね。あ、追加の洗剤が出そうだ。ロザリーの口もキレイにしようか。

 

「ロザリー、飲むんだよ」

 

「ちゅ、ちゅちゅる、コクコク。ちゅ、旦那様、キレイになりました」

 

「ありがとうロザリー。それじゃあ服を着せてくれるか」

 

「かしこまりました」

 

 湯冷めしないように寝間着に着替える。ロザリーは浴室の跡片付けをするから俺だけ先に寝室に向かう。ぬきあし、さしあし、しのびあし。

 そろりと音もなく寝室に侵入することに成功した。

 

「クラリス~?」

 

「・・・・・・」

 

 返事はない。どうやら眠っているようだ。

 俺がロザリーとスケベなことをしている間に、俺の帰りを待ちきれずに寝てしまったのか。ご主人様の帰りが待てない悪い奴隷にはお仕置きが必要ですね。

 悪い奴隷を起こさないようにそろりそろりとベッドに近づく。寝息が聞こえてきた。

 そっとタオルケットをめくってその中に侵入する。

 起こさないように囁き声で名前を呼ぶ。

 

「・・・・・・くらりす?」

 

「・・・・・・ん」

 

 寝ています。

 起こさないようにこそこそ行動しているくせしてどの口が言う。

 この口です。ちゅ。・・・・・・起きないね。

 悪い奴隷が主の帰還に気づくこともなく惰眠を貪っています。これはきついお仕置きが必要ですね。

 ゆっくりと服を脱がせていく。

 ・・・・・・なんか、寝ている女の子の服を脱がせているだけなのにすごく興奮するな。

 よし、山脈が見えた。魅惑の逆三角形も確認できる。逆三角形の攻略は元気いっぱいの息子に任せて、俺はこの山脈の登頂を目指すとしよう。

 

「そのまえに。クラリス、愛してる。大好きだよ」

 

「・・・・・・」

 

 返事はない。悪い奴隷だね。起きないのなら、何をされても仕方ないよね。だって悪い奴隷なんだもの。まずは山の麓だ。脇に指を差し込んで手のひら全体で山脈の偉大な存在を感じる。おおお! なんと雄大な自然か。これは必ず登頂しその証を立てねばならない。

 

「んっ」

 

 おっと、山の主に感づかれたようだ。しかし、俺の登頂はたとえ山の主であったとしても、とめることはできない。なぜなら、そこに山があるから。

 全体を網羅するように登山を始める。雄大な自然を感じる柔らかさ、この圧倒的な質量。間違いなく困難な登山になるだろう。でも負けない。俺は必ずこの山を踏破し、いつの日か噴火させるんだ!

 それはそれとしてさくらんぼを食べる。山を登るために体力つけなきゃ。

 

「んっ。あ。・・・・・・すぅ、すぅ」

 

 調子に乗って山のさくらんぼを食べすぎたらしい。山の主に存在を気取られたやもしれん。まずいな。さっきは調子のいいことを言ったけど、山の主が起きたら登頂ができないかもしれない。

 最近、山の主は力をつけた。俺は容易く蹴散らされてしまう。実際朝は登頂を阻止されてしまった。ならば、時間との勝負。あえて一気に登頂し、山の主を混乱させてその隙に蹂躙するほかない。逆三角形の扉をノックして壺を発見した息子の援護も期待できる。

 よし、行くぞ!

 

「んっ。あ、あ、だめ。ハヤトさんそこは」

 

 山の主の覚醒が近い。ここで臆すればここまでの努力が水の泡だ。踏ん張れ!

 

「ぅん。あっ、あっ、あん。ん、ん、んんうん?」

 

 起きた! まだ覚醒前のようだが、ここで息子の援護が必要だ! こい!

 

「あぁん! ちょ、ちょっと、ご主人様、いったい何をして。あん。だめっ、ん」

 

「ダメじゃないかクラリス。俺の帰りを待たずに寝てしまうなんて。約束を破った悪い子にはお仕置きだよ?」

 

「まって、まっんん! ご主人様、ご主人様ぁ」

 

「待たない」

 

 壺もだんだんとほぐれてきたし、水源を掘り当てたようだ。どんどん水気を帯びてくる。それどころがあふれてきたじゃないか。

 

「いいかいクラリス。俺はクラリスを愛しているけど、それと約束を破ることは別なんだよ? クラリスが言ってくれたじゃないか、また夜にねって」

 

「いった! いいました! だけど、まって、ねむってしまったことはあやまるからぁ」

 

「ダメ。俺のすべてを受け止めてくれるんだろ?」

 

 ほら、俺の活火山の活動が活発になって来たぞ。もっと水を出さないと、壺が焼けてしまうかもしれないよ? ほら、ほら。

 

「クラリス、愛してる、好きだ、大好きだ。だから受け止めろ!」

 

「ごしゅじんさぁっ だめ、ほんとに、イㇰッ! な、なんで、もうイった、イきました、とまって」

 

「これはお仕置きだよ! いっかいっ、にかいっ、でっ、とまらないよっ!」

 

 まだ俺の火山は噴火してないぜ! 

 

「そんなっ! ごめんなさい、ゆるしてっ」

 

 ・・・・・・おっと、イラっと来たぜ? どこがとは言わないけどね

 

「そんな、まだ固く、おおきく!? あっ、だめぇ」

 

 クラリスの壺に俺のマグマを二回注いだタイミングでロザリーが寝室に入ってきた。ロザリーもベッドに引きずり込んでクラリスと一緒に三人で暑い夜を過ごした。

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