迷宮とエッチなハーレムを求めて   作:銀の城

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迷宮とエッチな日常④

【十二番の迷宮・五階層・ナイーブオリーブ】

 

「―、―、ファイヤーストーム!」

 

「はぁ!」

 

 冒険者ギルドで購入した地図のおかげで、五階層をまったく迷うことなく進むことができる。道中出くわす魔物の集団はナイーブオリーブを主体としながらも、一階下のコボルトを含むから数的不利は簡単に覆る。

 燃え上がる渦が一体をチリに変えてくれれば、二体は俺が十分に受け持つことができる。時折、コボルトを含まない組み合わせも当然ある。これは流石に一体をクラリスに引き受けてもらう。

 

「ふぅ。特訓の成果が出てるな。これなら無理に俺が魔物の気を引く必要もないか?」

 

 ボス戦は俺が正面を受け持つし、階層の魔物も俺がタンクを担ってきた。漠然とそういうものだと思っていたし、俺がクラリスを過保護にしていた側面もある。結果的にせっかく鍛えた魔物との一対一での戦闘詠唱の場面はほぼない。

 だけど、この階層でクラリスは見事に一体を受け持ち、魔法の詠唱も問題なく唱えることができた。まさに、コボルトケンプファー相手の特訓の成果だ。まだほんの数日前の事なのに随分と昔に思える。

 

「ご主人様のように二体も相手取るのはまだ難しいです。ですが、一体なら問題ありません。ご主人様に鍛えてもらったおかげです」

 

「うんうん。「ひやあぁ」とか「きゃぁ」とか言ってた頃とは大違いだよ。一度ボスの正面を受けてもらうのもいいかもしれない」

 

 ロクサーヌが仲間になったばかりの主人公ミチオを思い出す。

 主人公ミチオもロクサーヌを後ろに下げてデュランダルで魔物を倒していた。意識的にせよ無意識的にせよ、複数ジョブ持ちで余裕のある自分を前面に出す癖みたいのがあるんだよな。俺も主人公ミチオも。

 それもロクサーヌの神憑り的な回避能力や高いスペックが判明するまで、それが分かってからはむしろ頼り切っていたな。

 クラリスは元々フランシスに鍛えられていたし、むしろ今が本来の実力かな?

 

「えっと、その、頑張ります」

 

「冗談だよ。それは前衛の俺の役目だからむしろ取らないでね」

 

 特訓を始めるときのようにしゃんとしているところ申し訳ないけどね。こればっかりは過保護になるよ。俺がタンクで前衛だ。

 でもこのまま俺一人というわけにもいかないから、やっぱり次の仲間は前衛が欲しいね。盾持ちか回避力の高い人。

 

「ところで、クラリスからみてロザリーは戦えそう? まだジョブが村人のままだから、探索者になるまでは控えてもらうつもりだけど、一日特訓した結果というか、様子というか、感想が聞きたいな」

 

 ロザリーの立場はあくまで侍女だから、パーティーメンバーとしては二軍とかベンチとか控えとかそういう扱いになる。でも俺はロザリーを『冒険者』にして戦えるメイドにする予定だ。だから鍛えてもらったクラリスの意見が聞きたい。

 

「・・・・・・片手剣を学んだことがありませんから、どうしても共通する心構えや立ち回り中心になってしまうのですが、物覚えはとても良いです。私が教えたことは直ぐに覚え、素振りも堂に入ったものになりました。一日だけですが、才能を感じました」

 

 戦えるのか、戦えないのかを聞いただけなのに、思っていたのと回答が違った。「まずまずですね」とか「ひとまず様子見といったところでしょうか」が俺の想像だったのに、才能ありときましたか。しかも幼少期からがっつり鍛えられたクラリスがそう言うということは間違いないのでは?

 ただでさえ完璧メイドなのに戦闘方面にも才能あるとか規格外だな。

 

「クラリスがそこまで言うなら、ロザリーを特訓に付き合わせても大丈夫そうだな」

 

 ラピッドラピット千体抜き! とまでは言わないが、あの作中でもっとも素早いボスを相手に動きを見切る特訓をクラリスと二人でする予定だ。そこに加わってもらうとしよう。強い仲間が増えるのは大歓迎だ。

 

「前にも言ったけど、ロザリーには冒険者のジョブに就いてもらう。そのためには探索者のジョブをレベル50まで鍛えないといけない。ロザリーの仕事は家の管理だけど、冒険者のジョブを得られるまでは積極的に迷宮に連れてくるからそのつもりで頑張ってほしい」

 

「かしこまりました。旦那様のご期待に添えるよう微力を尽くします」

 

「うん、大変よろしい。ロザリーこっちにおいで」

 

 言われたことを忠実にこなすメイドを抱き寄せてキスをする。左腕は腰に、右腕はクラリスから見えない角度で胸を揉む。

 愛いやつめ。このこのっ。俺のキスの嵐をくらえ!

 

 

「ちゅっ、だ、旦那様!? あむっ、い、いけません! 奥様が、奥様が見てんんっ?!」

 

 いいからいいから。今はキスに集中するように。ほら、そんなに注意散漫だとお尻まで手が下がっちゃうよ? ほら、ほらぁ。

 

「あいたっ」

 

「ご主人様、ハレンチな行為もほどほどにしてあげてください。ロザリーの顔が真っ赤になっています」

 

 背中をつままれたぞ。ここは頭を叩くところではないのか!? まあ立場を考えれば背中をつまむのも大概だけどさ。

 俺はM属性じゃないけど、今のはうれしかったよクラリス。つまり、もう俺たちの思いは奴隷と主人という立場を超えているってことだよね?

 

「クラリスすき、愛してる。ちゅっ」

 

「あむ、ん、ん、ちゅ。私も愛しています、ご主人様」

 

 クラリスの笑顔は百点満点。

 というか本当に動じなくなってきたね。キスくらいじゃだめか。ならこの場で肌を重ねるというのはどうでしょうか?

 

「ご主人様?」

 

「よし、先に進もう。地図によれば待機部屋はもうすぐそこだ!」

 

 立場は俺のほうが上のはずなのに全く逆らえない圧を感じた。これがかかあ天下というやつか。まあベッドの上では俺の天下だからいいけどね。

 だけど俺がこの程度でハレンチをやめるスケベな男だと思われるのは嫌なので、おっぱいを揉む。

 

「きゃっ! ご主人様?」

 

「いいかいクラリス。何度でも言うけど俺はスケベな男なんだ。そしてここには身内しかいない。つまり自重する必要が全くないという事なんだ。わかるだろう?」

 

「んっ。わかりません。ご主人様のことは愛していますが、あんっ、迷宮のなかでハレンチなことをするのは理解に苦しみます!」

 

 防具は体にフィットするようにサイズが変わる。だから見た目は体にぴったりと隙間がないように見えても、こうして手を服の中に差し込むのは簡単だ。ああ〜クラリスの柔らかな胸で心が安らぐ。

 

「んっ。もうだめ、あっ、んん」

 

 こうやって心を開くように揉みしだいてやれば、クラリスの眉間のしわが取れてかわいい顔を見ることができるんだ。ほれほれ、胸に気を取られてしたがおろそかになっているぞ。

 

「ハレンチです!」

 

 マジで怒られた。

 

「旦那様」

 

 あきれられた。・・・・・・あきれられた!? あの全肯定ロザリーに!?

 思わずベールのないその素顔と向き合う。だめだ、全く表情が読めねぇ。

 

「ご主人様、こっちを見てください」

 

 いや、あの、かわいいお顔ならともかく怒った顔はちょっと。いやもちろん怒った顔もかわいいんだけど、そういう意味じゃなくてね? なんというか、そのぉ。

 

「ご主人様」

 

「よし、先に進もう。地図によれば待機部屋はもうすぐそこだ!」part2

 

 

 

 クラリスの抗議するような強い視線を何とか回避して五階層の待機部屋にたどり着いた。クラリスがかわいいことは周知の事実だけど、あのかわいい顔で詰められるのは好きじゃない。もっと甘くて蕩けきった顔がいい。

 

「これからナイーブオリーブのボスと戦う。やり方はいつも通り俺が前衛、クラリスは挟撃、ロザリーは見学だ」

 

「はい」

 

「かしこまりました」

 

 見慣れたボス部屋に突入し、煙が実体を持つ前にクラリスが駆け出す。俺は遅れて背中を追う。煙が実体を持つとちょうど俺が正面を、クラリスが背後を取る。

 

鑑定

 パームバウムLv5

 

 細い樹木のナイーブオリーブをボス仕様に大きくしただけのパームバウムレベル5、その気を引くために俺がダブルスキルで先手を取る。

 

「はぁ!」

 

「―、―、ファイヤーボール!」

 

 続いてクラリスの魔法がパームバウムを燃え上がらせる。相変わらず顔のない魔物の正面に立つというわかりづらい構図で戦闘が始まった。

 細枝を振り回す攻撃にわざとこっちの攻撃をぶつけて叩き落とす。時には盾で殴る。『オーバーホエルミング」の効果時間中は攻撃力が上昇するから、盾でも銅の剣くらいはダメージが出ているはず。そう思って殴る。

 

「―、―ファイヤーボール!」

 

「はぁ!」

 

 俺のダブルスキルがとどめになってパームバウムは煙となって消える。

 

「よし、これで五階層を突破。ようやく六階層か」

 

 ようやく目的の六階層にたどり着いた。ここからは階層の魔物としてニードルウッドが、ボスにウドウッドがいる。

 これでようやく・・・・・・うーん? ちょっと待てよ?

 俺がウドウッドを目標にしていたのは『薬草採取士』のジョブが欲しかったからだ。他にもドロップアイテムのリーフは毒消し丸の材料になるし、確定ドロップのリーフを売れば金策にもなるから。

 でも金策には『エクストリームドロップデッド』を使った高速周回がある。毒消し丸はリーフ一つから十個もできるから、そんなにたくさんはいらない。

 これは、俺の中でウドウッドの価値が暴落してますね。

 『エクストリームドロップデッド』金策が見つかる前は絶対周回してやるという気持ちでいっぱいだったけど、今は全くない。むしろ『エクストリームドロップデッド』金策が見つかったせいで余計に一階層にいないことが悔しく感じるようになったぞ。いっそ探しに行ってやろうか。

 

「ご主人様、どうしました?」

 

「うん? なんでもない。思っていたより達成感がなかったから困惑してるだけだ」

 

 様子のおかしい俺を心配して声をかけてくれるクラリス、かわいい。

 達成感は下がったけどやることはそれほど変わっていない。ボスのウドウッドをボコボコにする回数が減っただけだ。とりあえず晩飯の時間までは周回してやるか。せっかくだしな。

 

「ニードルウッドは火属性の魔法が弱点だから、バンバンファイヤーボールを撃ってくれ」

 

「わかりました。えっ?」

 

「え?」

 

 え、何かあった? クラリスがすごく驚いた顔をしてるけど、別に俺はボケてないしダジャレも言ってないよ。どうしたの?

 

「ご主人様、魔物には弱点の属性があるのですか?」

 

「ああ、そうだ。俺もそれほど詳しくないが、ニードルウッドの弱点属性は火属性だったはずだ。逆に水属性に耐性を持っているんだったか?」

 

 そういえばニードルウッドは稀に水魔法を使ってくるんだったな。ここは六階層で中盤くらいだから使ってくるかもしれない。タンクとしてよくよく注意して挑もう。

 

「私、そんな話は聞いていません」

 

「フランシスから教わってないのか? まああいつは騎士だし魔法は門外漢か。さっきも言ったけど俺も詳しく覚えていない。あとはニートアントが水属性が弱点ってことと、コボルトが全部の属性に弱いってことの二つしか知らない」

 

 原作でセリーがきちんと説明してくれていたけど、全然覚えてないんだよなこれが。だって三十三体とそのボス、さらに上位種までいるんだ。覚えられないよ。俺は迷宮とエッチなハーレムを求めてこの世界に来たけど、弱点属性までは網羅してないな。

 

「弱点の属性。そうですね、四種類もあるのに今まで火属性の魔法しか使っていないことに疑問を抱くべきでした。もっと魔法を使い分けて戦わなければいけなかったのですね」

 

「クラリスの言うことはその通りだけど、あまり自分を責めないように。パーティの方針は俺が決めてる。だからパーティ戦闘に不備があったならそれは俺の責任だから取らないで」

 

 俺が魔物の弱点属性を調べようともしなかったからね。それに責任転嫁するようで申し訳ないけど、主人公ミチオも『魔道士』のジョブを手に入れてからは、麻痺の追加効果が乗る中級雷魔法しか使わなくなったから、あまり弱点属性に興味が持てなかったんだよね。どうせ雷魔法使うから覚えなくていいやって。あの頃は自分が『魔道士』になる妄想をしていたな、懐かしい。

 

「だからクラリスの責任じゃない。そのことを念頭に置いてから聞くけど、魔物の弱点属性をクラリスは知りたい?」

 

「知りたいです。知ればもっとパーティに、ご主人様に貢献できますから」

 

 うれしいことを言ってくれるね。キスしちゃう。

 

「ちゅ。それじゃあ冒険者ギルドか図書館に行ってみよう。どこかに資料があるはずだから」

 

「ん。ありがとうございます。私、頑張って覚えますね」

 

 クラリスなら大丈夫だよ。

 さっきは三十三種うんぬんって言ったけど、実際は弱点属性のある魔物だけ覚えればいいから全部覚える必要はないしね。俺は覚えていなかったけど。

 

「奥様、私もできる限りお手伝いいたします」

 

「ありがとうロザリー」

 

 なんかロザリーがあっさり全部覚えちゃいそうで怖いな。なんだかんだハイスペックメイドだからなロザリーは。

 

「よし、それじゃあ地図の通り進んで待機部屋を目指す。ボスと戦った後はいつものようにウドウッドを周回するからそのつもりでいてくれ」

 

「わかりました」

 

「かしこまりました」

 

 

「旦那様、一つ質問をしてもよろしいでしょうか」

 

 無事に六階層の待機部屋にたどり着いて一息入れていると、受け身なロザリーに珍しく質問が飛んできた。

 

「答えられる範囲になるが」

 

「かまいません。聞いていただけるだけで十分です」

 

 俺は一体何を質問されるんだ。今の一言でちょっと怖くなったよ。ロザリーにその気がなくても俺には秘密にしていることがたくさんあるから、質問があるだけで冷や汗ものだよ。

 

「どうして下の階層ではなく、この六階層でボスを何度も倒すのでしょうか? 私は迷宮については素人ですが、下の階層のほうが楽に戦えることはわかりました。旦那様と奥様は四階層から上は初めてともおっしゃっていました。なおのこと挑む階層は慎重に吟味するべきだと思います」

 

 おお、核心を突くような内容じゃなくて安心したけど、説明が面倒なことを質問されたな。

 要約すると、ご自愛くださいってことでいいのかな? なんか前にもクラリスと似たような話をしたことがある気がするよ。

 

「挑戦する階層を吟味してほしいってことだけど、ロザリーには見えないところできちんと調整はしている。クラリスと会話を重ねて魔物との闘いで無理をしてないかとか。五階層のボスと戦ってギリギリだったのか余裕があったのかとか。そうやって上の階層に挑むか決めている。そうして六階層のボスと叩けると判断した」

 

 ほかにもジョブのレベルも判断材料ではあるけど、目の前に提示できない根拠は意味がないから今回は省きます。

 

「何度も戦うのは安定して魔物と遭遇できるからだ。ここまで地図に従って迷宮を進んできたけど、魔物との遭遇は偶然ばかりだったろう? 狙って出会うことができないんだ。その点ボスは必ずボスの部屋にいるから確定で出会える。そしてこの六階層のボスウドウッドはリーフというドロップアイテムを必ず落とす。これは今挑戦できる階層では最も高額に買い取ってもらえるアイテムなんだ」

 

 俺には『エクストリームドロップデッド』金策があるからドロップアイテムの買取は積極的に行うものじゃなくなったけどね。お金が必要になったらまたコボルトケンプファーをボコボコにすれば済むからね。

 

「以上のことから俺はこの六階層が今、最も俺たちのパーティにふさわしいと判断した。他に質問はある?」

 

 嘘とまでは言わないけどかなり曲解した解釈の元説明したけど、大丈夫?

 

「旦那様のお考えを理解できず浅はかな考えを述べてしまいました。申し訳ありません」

 

「大丈夫。ロザリーは迷宮に入ったことがないから、これから学んでいけばいい」

 

 ただ、俺たちを基準でパーティの在り方を学ぶのは、原作ベスタみたいに勘違いの嵐になっちゃうからやめたほうがいいよ。俺は訂正しないから。

 

「それじゃあそろそろボスに挑むとしようか」

 

 休憩はおしまい。体力じゃなくてMP的意味の休憩だったけど、『MP回復速度二十倍』でとっくにMPは全快した。クラリスも魔法のペース配分になれたのか顔色がいい、MP不足はなさそうだ。

 

鑑定

 ウドウッドLv6

 

 ナイーブオリーブのボス、パームバウムは細い樹木だったけど、こいつはしっかり太い樹木だ。正直幹の太さ以外の違いはあんまりない。あるとすれば針葉樹と広葉樹くらいの差かな?

 

「―、―、ファイヤーボール!」

 

「はぁ!」

 

 二人で挟撃、肝心のラストアタックはクラリスでした。

 うーん。クラリスにラストを取られると百倍経験値セットが発動しないからなぁ。もったいないなぁ。今は『必要経験値二十分の一』をセットしているからよけいにもったいない。

 

「あ! これがリーフか。うん、ただの葉っぱだ」

 

 重要なのはこのアイテムじゃなくて俺のジョブだ。ジョブ設定で自分が持っているジョブを確認すると、『薬草採取士』のジョブがある。よし、まずは新しいジョブをゲット。

 次にジョブ設定で『薬草採取士』のジョブをセットして、リーフをアイテムボックスにしまうふりをしながらスキルを使う。するとリーフは手の中で毒消し丸になってポロポロとアイテムボックスの中に零れ落ちていく。

 これで毒消しもゲット。

 

「クラリス、MPは大丈夫か? 必要なら休憩するぞ」

 

「大丈夫です。もう二、三回は連続して戦えます」

 

「そうか。なら休憩はなしだ。ボス部屋を出てダンジョンウォークで移動する」

 

 『ダンジョンウォーク』で六階層の待機部屋に一番近い小部屋に跳ぶ。そして一分もしない距離を進むと待機部屋だ。

 

「旦那様はこうして何度もボスと戦っておられたのですね」

 

 ロザリーの感心したような声が心地いいね。

 こうして何度もボスと戦うパーティは他にいないからその辺勘違いしないようにね。主人公ミチオでもレア食材が欲しいときしかやってないからね。

 

「いいですかロザリー。こうして何度もボスと戦うのはご主人様だけです。私も迷宮の話は騎士団から聞いていましたが、むしろボスと戦わないパーティの方が多いのですよ」

 

 しっかりロザリーが訂正を入れてくれる。俺もそうだけど、クラリスだって他のパーティで活動した経験はないのにね。

 ということは、もしかしなくてもここにいる三人、迷宮初心者ってことか。

 俺はこの世界に来てから迷宮に入るようになった。クラリスはあのアホ兄の妨害で迷宮に入った経験はない。ロザリーはそもそも侍女で迷宮に入っている方が間違いなんだ。

 よくもまあこんな素人集団が六階層まで来たな。

 

「それじゃあ晩御飯の時間までウドウッドと戦う。できるだけたくさん倒すぞ」

 

「わかりました」

 

 

 ロザリーの正確な体内時計と俺の腹の虫、二つの理由で周回は終了した。ドロップアイテムの数を数えると四十個のリーフがあった。つまり毒消し丸に変えた分と合わせて四十一体のウドウッドを倒したということになる。まあまあの成果だ。このうち十個のリーフはアイテムの中に隠しておこう。

 

「ロザリー、お魚料理期待してますね」

 

「お任せください」

 

「クラリスなら迷宮産の魚を食べたことがあると思ってたけどないのか。ほら、尾頭付きとか」

 

 原作だと簡単に人数分を確保していたからわかりにくいけど、これも高級食材だ。祝いの席でしか食べないらしい。

 

「そういった食材があることは知っているのですが、兄が極度の魚嫌いで食卓に並んだことがないのです」

 

 またお前か。本当にクラリスの人生に絡んでくるな。兄とはいえうっとうしいぞ。もっとクラリスに自由な選択をさせてやってくれよ。迷宮に行かせないどころか食事までケチをつけるなんて、器の小さいやつだ。

 家に帰ってくるとロザリーが俺の一歩先を進んで扉を開けて迎え入れてくれる。いつものように卓上箒でほこりをはらってもらい、靴を履き替えて、今日届いたばかりの椅子に座る。

 

「おお、これはいいな」

 

「懐かしいですね。私の自室にあった椅子によく似ています」

 

 貴族用の椅子だろうと予測を立てていたけど、マジで貴族用の椅子だった。クラリスはこれと同じ椅子に座っていたのか。

 何度か立って座ってを繰り返して座り心地を確かめる。ベッドのようにフカフカとはいかないものの、お尻が痛くならない程度の反発力がある。これは本当にいい椅子を作ってくれたな。いい買い物だった。

 

「それでは少々お待ちください」

 

 ロサリーがキッチンに立って料理を始めた。

 魚料理にわくわくしているクラリスには申し訳ないけど、俺はぶっちゃけ暇だ。かつては料理をするお母さんを見つめることもあったが遠い昔の事。今さらパフォーマンスでもない普通の料理姿を、出来上がる料理に思いをはせながら見守ることはできない。なので、エッチをします。

 

「え、ご主人様?」

 

「ロザリー、俺とクラリスは料理ができるまで席を外す。出来上がったら呼びに来てくれ」

 

「かしこまりました」

 

 クラリスをお姫様抱っこで攫うと階段を駆け上がり寝室に向かう。既に俺の息子は臨戦態勢だ。クラリス、迎撃態勢は十分か。

 

「ご主人様があまりにハレンチで言葉もありません。夜まで待ってくださいませんか?」

 

「待たないよ。ちゅ」

 

 既に防具という殻はない。そこにあるのは柔らかな外皮に覆われた魅惑の躯体のみ。ならばこのゴッドハンドで身を傷つけることなく剥いてみせようではないか。あそーれ。

 

「あっ。ん。もう、そうやって服を脱がせる前に手をいれないで。ああんっ」

 

 お腹から手を差し込んでおっぱいを揉む。ここからいつもならさくらんぼを収穫するために入念に耕す作業が必要になる。

 しかし、俺の努力の成果を見てくれ。こうして胸を揉みながらゆっくりと熟れるはずのさくらんぼが既に熟している! もうこの双胸は十分に耕されたということだ! ならば、当然そのてっぺんに坐する果実は芳醇に違いない。

 

「あむ。ちゅる、ちゅー」

 

「ああっん。だから、出ないです。あんっんん。そんなに吸っても何も出ません!」

 

 そんなウソを言っても無駄だよクラリス、なぜなら確かに俺の舌先がこの真っ赤なさくらんぼからうま味を感じているから。とっても美味しいよ。それにこうしてさくらんぼを吸っていると、物欲しそうに魅惑の三角形が湿り気を帯びてくる。

 

「あっもう。だめっ。ご主人様、お願いですからその前に、その、くわえさせてくださいまし」

 

「!?!?!」

 

 クラリスの言葉に俺は思わず飛び上がり、大急ぎで息子をクラリスに挨拶させた。ノンストップ訪問だ。玄関を越えて食堂まで一気に進む。暴走気味だが、クラリスに煽られては黙っていられない。俺も息子もイライラがMAXまで一気に頂点に達した。いったいいつの間にそんな煽り文句を覚えたんだ。

 

「むむむ、じゅぞぞ。じゅる」

 

 クラリスが必死に息子をなだめようと迎え入れてくれるが、俺のイライラも治めてもらわないと困るな。そのためにはこの小さなお豆が必要なんだ。息子をもてなしているクラリスの上で体を回転させる。目の前にやって来たこの小さなお豆をいただきます。

 

「むぅ!?」

 

 おっとそういえばこういったプレイは初めてだったか。でもやめないよ。だって俺を煽ったのはクラリスなんだから。俺の高ぶった劣情と駆り立てられた情欲を受け止める覚悟があっての事なんだろう? 既に『色魔』のジョブはセットした。もう逃げられないから。

 息子にクラリスの相手をしてもらっている間に、俺はこの源泉からあふれだした天然ミネラルを頂くとしよう。お豆と絡めてほぐすと美味しいんだなこれが。ちゅっちゅっ。

 

「むぐぐっ! うむっぅ! ゴクゴクッ」

 

 おっと息子が我慢できずにお土産を渡してしまったようだ。もっと焦らすように言ったのにこらえ性のない子だ。クラリスのもてなしも前より良くなっているから、そのせいもあるか。よし、今度は俺をもてなしてもらうとしよう。

 

「ご主人様、出すなら出すといってくだはむぅぅ。ちゅ、ん」

 

 足りないよクラリス、ほらほら、もてなしが足りないとイライラ棒がクラリスの壺にちょっかいをかけちゃうよ?

 

「もう、忘れたんですか? 私が言ったこと。こんな風にしなくてもいいのに」

 

「え?」

 

「愛していますご主人様。ちゅっ」

 

 上下が入れ替わる。クラリスが馬乗りになって俺の限界まで募ったイライラが消えてしまった。クラリスの壺の中に、すっぽりと。

 

「今日は私が動きますね? だって、こ、恋人なんですから」

 

 おいおいマジかよきみぃ。煽りすぎだって。俺の腰が爆発するぜ?

 

「あっん! だめ、きょうはっ、わたっしが、ごしゅじんさまをきもちよくっん」

 

「クラリス、キミは本当に男の情欲を煽るのが上手だね」

 

「だめ、だめ、いっちゃ、いっちゃう、イㇰっ」

 

 クラリスと愛し合ってからロザリーが呼びに来るまでの間に三度クラリスに俺の劣情を飲んでもらい、二度その体に注ぎこんだ。クラリスは何度も気持ちよくなっていて、後で聞いたら数えきれないくらいと言われてまたベッドの上で襲い掛かった。

 ロザリーの魚料理はアクアパッツァ? によく似た料理でとてもおいしくいただきました。

 

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