迷宮とエッチなハーレムを求めて   作:銀の城

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「ゆふづき_19 」さん
「みえる」さん
誤字報告に感謝します。


クラリス②

 クラリスの寝顔を見て思い出した事がある。昨日、帝都に行ったときクラリスの服を買うつもりだったのをすっかり忘れてた。

 次からはクラリスにも話して予定をきちんと共有しよう。そうすれば俺が忘れてもクラリスが注意してくれる。

 ふふ。そう、これからずっと一緒なんだ、俺たち。

 昨日は5回もクラリスと致した。クラリスはもっと気持ちよくしてあげたし、今後『色魔』のジョブを手に入れたら俺はもっとすごいぞ。

 

「んっ。ちゅ」

 

 無防備な唇にキスをする。

 眠っていても、クラリスは可愛いな。このまま、口の中まで可愛がろうかな。

 

「ん、ん。はやとさん? んっ」

 

「起きた? ほら、早くしないとまた気持ちよくなっちゃうよ」

 

「また? ・・・・・・きゃ!? は、ハヤトさん!」

 

 シーツをたぐり寄せて必死に体を隠すけど、もう全部見てるんだよ。お互いに。

 華奢な肩も、豊満な胸も。

 細い腰に、やらしい三角形まで。

 

「コラ。ご主人様だろ。クラリスはまたお仕置きされたいのかな?」

 

「ご、ご主人様の気持ちは十分伝わりました! これ以上は勘弁してください!」

 

 夜の運動会で、俺がどれほどスケベでクラリスに欲情しているかを体に教え込んだのに、全然わかってないじゃないか。

 逃げ場のないベッドの隅に逃げたクラリスを捕まえて、さくらんぼとお豆さんをつまみあげる。

 

「全然わかってないよ、クラリス」

 

「ひっぱっちゃ、だめ! そこは! んっん!」

 

「――ん。朝も、昼も、夜も。俺はずっとクラリスを見てるんだよ? だから、そんな俺の奴隷になったクラリスはいつでも俺に体を差し出さないといけないんだ。わかった?」

 

 指先をギュッとして、クリクリっとして、耳をなめる。

 

「は、はい! 私はご主人様の物です! いつでも体でお応えします! だから今は」

 

「『いつでも』なんだから、今もそうなんだよ?」

 

「そ、そんな。あ! だめ、ん~~!」

 

 そのまま押し倒して、もう一回、クラリスの中に俺を注ぎ込んだ。

 

 

 バルタークの迷宮、一階層、待機部屋。

 

 ボーナスポイントは『百倍経験値セット』『結晶化促進三十二倍』『フォースジョブ』。魔法はクラリス任せにするから残りのポイントは『腕力上昇』でいいだろう。

 

「昨日言った通り、何度かコボルトケンプファーと魔法で戦ってから二階層に進む。調子はどう? 行けそうか?」

 

「・・・・・・」

 

 これは、いじけているのか? なんだか小動物の懸命な威嚇を見ているみたいだ。かわいい。

 

「答えないならキスするけど」

 

「い、今はその、腰に力が入らないので、すこし危ないかもしれません」

 

 俺が頑張りすぎたせいか。朝も一回したし。

 傍目には、クラリスはいつもと変わらずに立っているように見える。内股だったり、へっぴり腰でもない。だから、問題なく戦えると思ったけど、腰に力が入らないなら戦うのはちょっと難しいな。でもキスはする。

 恥ずかしがって視線をそらしたのは失敗だったな。隙だらけだ。

 

「ん!?」

 

「ん。それじゃ今日は魔法主体で戦ってもらうから。あ! 今日みたいなことがあるなら、ワンド系の武器を買っておくべきだったな。失敗した。迷宮帰りに武器屋に寄るからクラリスも覚えておいて」

 

 帰りにお買い物の約束だ。これは買い物デートですね。俺がそう決めたからデート。昨日も帝都でデートした。毎日かわいいクラリスとデートできるなんて俺は幸せ者だな。

 

「・・・・・・クラリス?」

 

 返事がない。

 顔が真っ赤だ。

 もしかして風邪を引いたのかな。昨日はお互い、裸で眠ったからそのせいか。でも、抱きしめて寝たから、寒くはなかったはずだけど。むしろ熱い夜を過ごしたのに。

 

「大丈夫かクラリス。体調が悪いなら宿で寝ててもいいぞ。甘やかすつもりはないけど、だからって病人をこき使うような真似はしない」

 

「そ、そうじゃなくて! ・・・・・・いま、どうしてキ、キスを」

 

「クラリスが可愛くて俺がしたくなったから。教えただろ? いつでも俺に体で応えてもらうって」

 

「それは! そうです、けど。ここは迷宮ですよ! それに昨日と全然違うじゃないですか! 昨日はもっと、紳士的で、かっこよくて、そんなにエッチな人じゃなくて・・・・・・」

 

 だんだん声が小さくなっていく。最後の方はゴニョゴニョと小さすぎて聞き取れない。

 そっか。クラリスには昨日の俺がそんな風に見えていたのか。でも、まるで今は違うみたいな言い方は傷ついちゃうぞ。

 もう一回キスするか。

 クラリスを壁に追い込む。右手は顔の横に、左手はあごに、足の間に膝を差し込んで逃げられないように捕まえる。壁ドンだ。

 

「今はかっこわるい?」

 

「か、かっこいいです、けど。んんっ!」

 

 我慢できなかった。クラリスは唇までかわいい。小さな舌も撫でてあげようね。

 

「ん。ん。よし。じゃあボス戦といこうか!」

 

「う、うう。ハレンチです」

 

「クラリス、ボス戦だ。もっと集中して」

 

「誰のせいですか誰の!」

 

 全くもってボス戦らしからぬ雰囲気だけど、やっぱりコボルトケンプファーは簡単に倒せた。哀れ。

 

 バルタークの迷宮、二階層。

 

「ここからボスの部屋まではダンジョンウォークを使わずに歩いていく。途中でコラーゲンコーラルと一回戦って、ボスのコラージュコーラルの感じを掴んでほしい。だけど、遭遇しなくてもわざわざ探したりはしないから。そのままボス戦に行く」

 

 コラーゲンコーラルとコラージュコーラルの動きはだいたい一緒だ。どっちもヘッドバットしかない。だから予備動作とか、動き出しの雰囲気を予め肌で感じてほしい。とか言いつつ自分から探しはしないけど。居たらラッキーくらいの気持ちで。

 

「あの、どうしてそんなにボスとばかり戦うんですか?」

 

「あれ? 前にも話さなかったっけ。ボスの方が魔結晶が溜まりやすくてジョブが育ちやすいって」

 

 それでも俺みたいに周回する人はこの世界にはいないだろうけど。

 ボスは倒した時に、通路で遭遇する魔物よりもたくさん魔結晶に魔力が溜まるし、調べてないけど経験値もたくさんもらえる。あとはロクサーヌさんがいないことも理由の一つかな。

 主人公ミチオのパーティには狼人族のロクサーヌがいる。彼女はフロアに湧いた魔物の位置や種類を匂いで嗅ぎ分ける事ができる。だから彼女に先導してもらえば必ず魔物と戦える。

 ここには俺とクラリスしか居ない。彼女のような索敵が出来るなら、俺ももう少し積極的にフロア探索をしてる。だけど、ここに彼女は居ないし、俺にそんな能力は無い。結果、魔物を探してフロアをさまようことになる。そんなことは時間の無駄だ。

 その点ボスは良い。必ずボスの部屋にいるから探す必要が無いし、魔力も経験値もたっぷりだ。

 

「はい、その話は前に聞きました。ですが、ご主人様はなんというか、ボス戦に緊張感がありません」

 

「緊張感?」

 

「はい。ボス戦は逃げ場がなく、小さなミスでパーティが全滅することもあります。それなのに、ご主人様はその、怖がっていないというか。安心しているというか」

 

 あ~。クラリスの言いたいことが分かった。つまり、試験直前の受験生みたいな、人生が懸かっているような必死さが感じられないんだ。俺から。

 

「コボルトケンプファーと戦って少しだけご主人様の気持ちが分かるようになりました。確かにコボルトケンプファーは弱くて、過度な緊張は必要ありませんでした。でも、この先にいる二階層のボスはコボルトケンプファーとは違う本物のボスなんですよ? どうしていつもみたいに、そんな簡単にボスに挑むって言えるのですか?」

 

 うーん。そんなに不思議そうな目で見つめられても、理由の説明ができないんだよ、クラリス。

 説明できないだけで、理由は色々あるんだよ?

 例えばレベル。

 この世界の人達がどんな基準で、ボスや次の階層に挑んでいるのかは分からない。時には上の階層へ低レベルで進む事もあると思う。だけど、俺にはジョブのレベルを目で見ることができる。だから自分が強くなった確信を持って次に進むことが出来る。

 例えばジョブ。

 『英雄』という強力なジョブを持っていること。キャラクター再設定で複数のジョブに就けること。スキルを呪文なしで使えるから発動サイクルが短いこと。

 そして武器だ。

 なんと言っても俺にはエクスカリバーがある。なんだかんだこれを出せば、この階層のボスはすぐ倒せる。

 だから俺はあんまり緊張してない。だけど、この説明ができないんだよな。

 超個人的な主義が理由で申し訳ない。

 ここはそれっぽい事を言ってクラリスに納得してもらうしかないな。

 

「それは俺がここのボスに何度も勝ってるからだよ。クラリスがパーティに入る前は一人でボスと何度も戦ってるんだ。勝てる相手に緊張も何もないだろ? それに今日は一人じゃなくて二人いるからね」

 

「・・・・・・そう言えばご主人様はフランシスに勝てるほど強いのですね。それほど強いから低階層のボス程度なら怖くないと」

 

 いや、あの爺さんと比べられるのはさすがに困る。あれは本当に強い人だよ。俺のはズルが入ってるから、比べちゃだめ。フランシスに失礼だ。

 

「俺につられてクラリスも気を抜くなよ。今回は俺が前に出るけど、クラリスも一緒に戦うんだから、後ろから見て動きを覚えて」

 

「わかりました」

 

 ボス部屋に向かって通路を進む。

 

鑑定

 コラーゲンコーラルLv2

 コボルトLv2

 

 最初に遭遇したのはコラーゲンコーラルとコボルトの組み合わせ。コボルトはクラリスの魔法で直ぐに倒れる。俺はコボルトは無視してコラーゲンコーラルの正面に立つ。

 

「―、―、ファイヤーストーム!」

 

 コボルトとコラーゲンコーラルが炎に包まれる。念には念を入れてコボルトには蹴りを入れておく。

 コボルトは煙となって倒れた。

 コラーゲンコーラルの頭を思い切り剣で殴る。頭でっかちなコラーゲンコーラルは体勢を崩して床に倒れ込んだ。起き上がる前に、いや、起き上がれないように執拗に頭を殴る。これでもかと殴る。

 腕のない二足歩行の限界だな。陸に上がった魚の様にジタバタするだけで反撃はない。

 

「―、―、ファイヤーストーム!」

 

 二発目の魔法が入った。でも、今のボールじゃなくてストームだったな。コラーゲンコーラル一匹しかいないのに。

 あ。俺がじゃまなんだ。マウントを取れて調子に乗ってしまった。今は一人じゃない。後衛に魔法使いがいるから射線を気にしないといけないんだ。反省。

 燃えているコラーゲンコーラルを殴ると煙になった。今のがとどめになったか。

 

「ごめん、クラリス。俺が邪魔をしたから魔法で狙えなかったよな。次からは気をつけるよ」

 

「そんなことはありません。ご主人様が動きを封じた時に私が場所を移動するべきでした。まだ動きながら魔法を使う事に慣れていないみたいです。昨日はあんなに特訓したのに、自分が不甲斐ないです」

 

 まともなパーティ戦闘は初めてなんだ。お互いに反省する点は今後も出てくる。きちんと次に活かしていこう。

 

「次から俺も後ろのクラリスに気を配るよ。クラリスは射線が被りそうなら声かけをしてほしい」

 

「わかりました。次からやってみます」

 

 二度目もコラーゲンコーラルとコボルトの組み合わせ。コボルトは直ぐにクラリスのストームで倒れる。

 ここからだ。やり方はさっきと一緒。殴ってマウントを取る。だけど、魔物に集中しすぎないで、後ろのクラリスにも気を配る。大丈夫。さっきと違ってクラリスの詠唱が聞こえる。

 

「―、―、ファイアーボール。行きます!」

 

「了解!」

 

 クラリスの声に合わせてコラーゲンコーラルから離れる。直後にファイヤーボールが命中、コラーゲンコーラルが炎上する。

 

「これでとどめ!」

 

 エストックでコラーゲンコーラルを突き刺す。コラーゲンコーラルは煙となって消えた。

 

「いまのは良い感じだった。次も同じようにできる?」

 

「はい、できると思います。ただ、ようやく調子が戻ってきたので、次からは私も戦闘に参加します」

 

「分かった」

 

 三回目はコボルトのアベックだったから俺がさっさと始末した。

 その後は魔物と遭遇することもなく待機部屋に着いた。他に人は居ないようだから休憩を入れてからボス戦に挑むとしよう。喉も渇いたしな。

 

「クラリス、水魔法を使ってくれ。ウォーターウォールだ」

 

「え? は、はい。―、―、ウォーターウォール」

 

 困惑した様子のクラリスに水魔法を使うようにお願いする。呪文を詠唱している間にリュックから水筒とコップを取り出す。

 できあがったウォーターウォールから水をすくって飲む。ほどよく冷えてて美味しい。これなら飲みすぎてお腹を壊すこともないな。水筒にも水を注ぐ。

 俺が魔法を使うならコップだけでもよかったけど、今後はクラリスに魔法で水を出してもらう事になる。なるべく負担を減らすために水筒は必要だな。いつも通りコップも持ってきたけど、今度からは水筒だけでいいか。

 

「ほら、クラリスも。早くしないとウォーターウォールが消えるぞ?」

 

「・・・・・・」

 

 クラリスが絶句してる。常識はずれな魔法の使い方に驚いたんだな。気持ちはわかる。俺も主人公ミチオがやるのを見てなかったらやってない。だけど使えるものは使うべきだろう。便利だし。

 

「クラリスはやく! 水が落ちる!」

 

「え、あ、はい!」

 

 リュックから自分の分の水筒を取り出して、俺と同じように注ぐ。水筒がいっぱいになるタイミングでウォーターウォールが形を失って床に落ちた。

 

「これからも給水にはウォーターウォールを使うつもりだけど、MPは大丈夫か?」

 

「えっと、次のボス戦くらいなら大丈夫です。その後は少し休憩させてください」

 

 現在、クラリスの『魔法使い』のレベルは6。まだぶっ通しで魔法を使えるレベルじゃないか。いや、主人公ミチオもデュランダルを使って合間にMPを回復していたし、そもそも彼はマルチジョブだ。クラリスとは比べられない。回復薬を使ってもいいけど、採算が取れないし、自力で作れるようになるのはもっと上の階層だ。『鍛冶師』が仲間に居ないから『MP吸収』のスキルが付いた武器も用意できない。

 おやおや? 

 これはちょっと面倒ですね。そうなるとボスの周回が厳しくなるぞ。俺がエクスカリバーか魔法を解禁しないと効率が落ちるか? いつまでも「秘密抱えてる俺かっけー」やってる場合じゃないかも。

 この場合解禁するのはエクスカリバーだな。でも、それだと経験値か魔結晶が犠牲になる。くぅ。あっちもこっちもとはいかないなぁ。

 ・・・・・・ひとまずポイント以外の事に目を向けるか。ジョブを剣士スタイルにしよう。

 俺は今『フォースジョブ』のうち、『探索者』『英雄』『魔法使い』の三つを固定して、四つ目をローテーションしてる。

 パーティメンバーのジョブの効果は仲間にも乗る。だから『剣士』を入れようにもクラリスのために『魔法使い』は外せない。ならフィフスジョブに拡張。四つめに『剣士』、五つ目をローテーションする。これなら俺の要望を満たしつつ欲求を満たせる。あとは『MP回復速度五倍』だ。気休め程度だけど、スキルを連発するからいる。

 負けそうになったらエクスカリバーの出番だな。

 

「よし、休憩終了。クラリスは行けそうか?」

 

「はい! 休憩してかなりマシになりました。これならボス戦は大丈夫です」

 

 明らかにクラリスが元気になってる。これは、さっきまでMP不足になってたな。

 俺にはMP回復手段が豊富にあるから気づかなかったけど、『魔法使い』レベル6には魔法を数回使うのも厳しいのか。

 ボス戦が終わったあとに休憩を入れるのは必須だな。それから魔法の頻度を下げるようにいうか。そもそも魔法使いはMPを温存するって話だしな。

 扉を開けてボス部屋に挑む。

 煙が魔物になる前に走って接近する。今日の俺はタンク。前みたいなヒット&アウェイはできない。できるだけコイツの気を引くのが俺の仕事だ。

 

「―、―、ファイヤーボール!」

 

 開幕はクラリスの魔法攻撃から。

 ボスに火の玉が当たって炎上する。

 最初から全力で行くぜ!

 『オーバーホエルミング』と『スラッシュ』のダブルスキル! ただし、『オーバーホエルミング』は効果時間が長くて、俺に呪文は必要無いから、発動中に『スラッシュ』が二回叩き込める! 秘剣、燕返し!(ただの二回斬り)

 

 「クラリス! ボスの後ろに回り込め! 攻撃はなるべく俺が引きつけるけど、絶対に油断はするな!」

 

「はい!」

 

 俺とクラリスでボスを挟む。顔がないからどっちが正面か全く分からない。だけど、俺の攻撃の方が痛いだろ? こっち向けよ?

 MPの消費を無視してガンガンスキルを使っていく。

 ボスのヘッドバッドはもう慣れた。後ろに下がったり横にかわしたり、スキル効果中なら剣で殴り返すし、盾も殴る。シールドバニッシュ!

 ボスの姿越しにクラリスが必死に槍で突いてるのが見える。

 魔法効果が終わったのか。炎が消えて向こう側が見える。

 ちょっとまって。クラリスさん、魔法を使うの忘れてない?

 

「クラリス! 魔法の二発目はまだか!?」

 

「っ! ―、―、ファイヤーボール!」

 

 放たれた二発目の魔法がボスを真っ赤に染める。

 やっぱり。攻撃に夢中で使うのを忘れてたな。

 後でキスしよう。

 

「これでトドメ!」

 

 スキル効果の乗った袈裟斬りがコラージュコーラルを切り裂く。倒した証にボスは煙となって消える。

 だっー! 疲れた! 絶対にクラリスには見せないけどすごい疲れたよ! 今すぐベッドでゴロゴロしたい! 

 一人で戦った時より時間がかかった。かなり『スラッシュ』を叩き込んだな。

 クラリスの魔法の威力が俺の魔法より低いとしてもこんなに必要か? いや、俺は『オーバーホエルミング』を重ねてるし、詠唱も必要ないから・・・・・・わかんね。

 鑑定でダメージ量とか出ないかなぁ、俺は頭良くないんだよな。

 

「クラリスこっちに」

 

「ごめんなさい! 攻撃に気を取られて魔法がおろそかにっ――!」

 

 思い切り抱きしめて、キスする。俺も慣れてきたな。頭の位置を腕で調整しなくても唇を狙えるようになった。俺キモいな。

 

「ん。わかってるならよし。次からは気をつけて」

 

「は、はい」

 

 腕の中から解放する。お互いにMPを使ったから待機部屋に戻って休憩するか。

 

「よし、ボス部屋を出たら待機部屋に戻って休憩しよう。MPはどう?」

 

「えっと、そうですね。少し休憩した方がいいと思います」

 

 少しね。クラリスには魔法を二発までにしてもらうか。たった今二発で倒せたし、回復スキルを持ってる俺がスキル攻撃の回数を増やせば、休憩時間もそこそこになって周回速度が上がる。

 よし、そうしよう。

 

「クラリス、ボス戦の魔法は二回でいい。ボス戦の前に休憩を挟むけど、戦ってる最中にMP不足になって動きが鈍ると大変だ」

 

「わかりました。魔法二回分ならすぐに回復すると思います」

 

 三階層から『ダンジョンウォーク』を使って二階層の小部屋に。そして待機部屋に戻ってきた。

 今のうちにできるだけMPを回復したい。でも、回復速度を二十倍にするにはポイントが足りないし。

 ・・・・・・あれ? 別に休憩中は経験値も結晶化促進もポイントいらないよな。今だけ回復速度二十倍に振って戦うときに戻せばいいじゃん。うわ恥ずかしい。こんな事にも気づかないなんて。

 一旦、獲得経験値と結晶化促進からポイントを外して『MP回復速度二十倍』に振る。休憩中はこうしておいて、ボス戦はまた経験値と結晶化促進に振ればいい。なら戦闘中は回復速度にポイントは振らなくていいな、さっき勝てたから。

 余ったポイントでシックスジョブにして火力アップとレベル上げをするか。

 あ、流石にポイントが足りない。仕方ない『腕力上昇』に振っておこう。

 

「クラリスは次のパーティメンバーに希望はある?」

 

 休憩中の雑談に話題を振る。

 俺は『竜騎士』のジョブに就ける竜人族と『鍛冶師』のジョブに就けるドワーフがほしい。

 『竜騎士』は防御力に優れたジョブでパーティ全員が打たれ強くなる。

 『鍛冶師』は装備にスキルを付与することが出来る。

 どちらもパーティの底上げに必要だ。あとは原作ロクサーヌのように鼻が利く狼人族がいると嬉しいけど、これはそこまで求めてないかな。

 さあ、クラリスの反応は?

 

「パーティメンバーですか。戦闘奴隷よりも性奴隷を購入してほしいです。ご主人様の相手を一人でするのは大変ですから」

 

 ・・・・・・ごめんなさい。エッチなことはせずに労う気持ちでクラリスを抱きしめた。

 

 

 今日最後のボス戦が終わった。一階層の出口に近い小部屋に『ダンジョンウォーク』で移動する。迷宮を出る前に防具を脱いでアイテムボックスにしまう。

 

「あの、昨日も、お昼の休憩もそうでしたが、どうして迷宮の中で装備を外すのですか? 宿で休む時か、せめて迷宮の外ではだめですか? いくら一階層と言っても迷宮の中で装備を外すのは危険です」

 

「言ってなかったっけ? 鎧を身に着けたクラリスを見せないためだよ」

 

「私ですか?」

 

 俺が何を言ってるのか分からず、キョトンとした表情を浮かべて首を傾げる。かわいい。

 

「防具には魔法が掛かっていて自動で大きさを調整してくれるだろ? 鎧装備をクラリスのような、スレンダーだけど胸の大きい女の子が着けると、こんなふうに」

 

 クラリスを後ろ向きにして、背中から胸の下に腕を回すように抱きしめる。胸の重みが適度に感じられて幸せだ。

 

「体の線がはっきり表れるんだ。だから鎧装備を着ける女性はあんまり居ない。恥ずかしいと思う人が多いからね。クラリスは・・・・・・恥ずかしいんだ?」

 

 クラリスの耳が真っ赤になってる。かわいい。

 恥ずかしいんだよね? しかも俺と初めて会ったときからだもんね? 後から恥ずかしさを思い出すと気持ち倍増するよね。分かるよ。

 

「ほ、他の防具を買っていただけませんか」

 

「だめ。俺がクラリスの体を装備の上からでも堪能したいから。ごめんね」

 

「は、恥ずかしいです」

 

「うーん。本当にクラリスが嫌だって言うなら、もちろん買い替えるよ? でも、現状クラリスが嫌がる以外の理由がないんだよね」

 

 クラリスが身につけている防具、硬革の鎧は盗賊を倒した時の戦利品だ。硬革シリーズは結構強い装備で、レベルとの兼ね合いもあるけど、二十階層くらいまで使える。それに対して今、俺たちがいるのは二階層だ。

 装備と階層が良い意味で釣り合ってない。防具が強すぎる。

 クラリスの要求を聞きいれるならジャケットになる。だけど、ここで同性能の硬革のジャケットでは勿体ない。買うなら性能が上の竜革のジャケットだ。

 ただでさえ過剰な防具を着けているのに、さらに性能が良い装備を買うのはいかがなものか。

 クラリスにはこのまま鎧装備を身に着けていてほしい俺は、あえてマイナスな事を伝えて買い替えに消極的になるよう仕向ける。

 ほーら、だんだん鎧を着たくな〜る。着たくな〜る。

 

「さっきも言ったけど本当に嫌なら帰りに防具屋に寄ろう。武器屋に寄る用事もあるしね。クラリスはどうしたい? こればっかりはクラリスの言う通りにするよ」

 

 お願いすることに対して億劫になるように説明しておきながら、何言ってるんだか。ひどいご主人様でごめんね?

 

「わかりました。防具はこのままで結構です。ですが、今度フランシスに会うときは必ず防具の相談をしてください! いいですか!」

 

 クラリスに釘を刺されてしまった。

 あ~。目に見えるリミットができてしまった。クラリスの胸を合法的に視姦できるのはそれまでか。

 きっとクラリスは魔法使い用の聖銀の防具を知ってるんだな。そしてフランシスがそれを持っていると思ってる。俺もそう思う。だってフランシスだもん。謎の信頼があの爺さんにはある。

 

「わかった。その時は忘れずに相談するよ」

 

「絶対ですよ!」

 

 なんだか今日はクラリスの言葉が強い。全部俺のせいなんだけど。そんなクラリスも可愛くて好きだ。

 

「ご主人様は本当にスケベでハレンチなんですね。なんだか頭が痛くなってきました」

 

「その通りだけど、これからも止めるつもりはないから覚悟しておいてね」

 

「・・・・・・私もがんばりますから、早くお金を貯めて新しい人に来てもらいましょう。ところで、新しい人が来てくれたらご主人様は、私へのキ、キスの回数は減らしてくれますか?」

 

「ううん。減らない。むしろ他の奴隷をつけ上がらせないように、クラリスと一番多くキスをする事になるんじゃないか? ほら、現状クラリスが一番奴隷だろ? 向上心があったり、成り上がりの意識があれば一番奴隷を目指そうとする。でも、仲間内の不和が俺はいやだ。だからクラリスを明確に贔屓しているところを見せつけて、付け入る隙を無くす必要が出てくるかもしれない。そしたらクラリスとのキスの回数はもっと増やさないといけなくなる」

 

 主人公ミチオの奴隷たちは仲が良かったし、ロクサーヌが一番奴隷としてまとめていた。二番目のセリーが波風立てるタイプじゃないのもよかったな。

 俺も同じように仲の良いパーティになれたら嬉しいけど、誰が仲間になるのか、未来はわからない。

 

「わかりました。奴隷商に行く際は私も必ず同行します。ご主人様はハレンチなので、見た目に騙されてしまうでしょう。これでも貴族として育てられました。人を見る目はあるつもりです」

 

 俺がスケベな事を見抜けなかった時点で人を見る目(節穴)だけどな。それは言わないであげよう。今の凛々しい表情のクラリスがかわいいから。

 

「どうかしましたか?」

 

「クラリス、とってもかわいいよ。好き、愛してる」

 

「は、ハレンチです!」

 




戦 士
  条件 村人Lv5以上 且 モンスターを武器で倒す
  効果 体力小上昇 HP微上昇
 スキル ラッシュ
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